「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」。ホットリンクのビジョンが生まれた背景には、データ分析という創業当初の事業活動を通じて感じた、ある課題の存在がありました。
創業から現在までの足跡をたどることで、SNSマーケティング支援を通じて私たちが成し遂げたいことをお伝えします。
本質的な価値提供をするべく、事業転換
2000年の創業以降、ホットリンクはデータ分析およびその活用に関する事業を行なってきました。世界中のソーシャルメディアへのAPIデータアクセス権を保有している弊社グループは、2007年にソーシャルリスニングツール「Buzzspreader Powered by クチコミ@係長」を開発。2013年に上場を果たし、現在もクチコミ分析の領域で事業支援を行なっています。
しかし、本事業には大きな課題がありました。ツールで得られた分析結果や弊社アナリストによる分析レポートを、マーケティングの戦略・施策に有効活用できるお客様が非常に少なかったのです。
クチコミやアカウントへのエンゲージメント推移を見られても、モニタリングに終始してしまい、提供したデータを実践的に活かせている企業が少ない。
私たちは、「データ活用の支援はできるが、価値貢献のインパクトが足りない」という課題に直面しました。
「お客様に対する貢献度が、非常に限定的ではないか」「果たしてお客様の役に立つ、意味あるサービスを提供しているのか」。
一度立ち止まり、事業について再考し、より本質的な貢献ができる会社にしていく必要性を感じました。
そしてたどり着いたのが、分析データだけでなく「お客様の事業やマーケティングの成果に繋げる」ための戦略および実行領域の支援です。データ分析から戦略、実行までを一気通貫で支援をしてはじめて、本質的な価値を提供できるようになると考えました。
これが、2016年にデータ分析会社からマーケティング支援会社に大きく舵を切るという意思決定を下した背景です。
SNSマーケティング支援の第一歩
ホットリンクの強みは、データ分析です。クチコミデータ、指名検索データ、EC・オウンドメディアデータ、購買データなど、分析の対象は多岐にわたります。
戦略立案に繋がるデータ活用を実現できるのは、これまで長年培ってきたデータ分析の知見があり、社内に優れたデータサイエンティスト・データアナリストが在籍しているからです。
そこで我々は、これまでのデータ分析の強みを活かしながら、事業転換のフェーズ1として「仮説検証」をすることに。
膨大にあるデータ分析のノウハウからロジックを組み立て、「どうすればSNS活用により、企業の売上アップに繋げられるか」の仮説検証を始めたのです。仮説が売上に貢献するのか、お客様とともに実地で検証を繰り返しました。
上記が2017年〜18年半ばのことであり、当時の事例としてたびたび紹介しているのが、株式会社シャトレーゼ様です。
参考:フォロワー19万人超え、UGC数が11倍に。お菓子メーカー、シャトレーゼ様
この仮説検証や実地検証により、「UGC(クチコミ)は指名検索と相関し、指名検索は売上と相関する」という知見が得られ、SNS時代の購買行動サイクル「ULSSAS(ウルサス)」を提唱するまでにいたりました。
参考:SNSマーケティングに取り組むならゴールを明確に。最適な施策展開に必要なSNSの特性、購買プロセスの知識とは
2018年半ば以降は、ロジックのさらなる発展を繰り返しながら、多くの企業様へ横展開できるようなモデルへと昇華していきました。
「多くの企業様で事業やマーケティングの成果に繋げるSNSマーケティング支援ができる」という確信を持てるようになり、支援企業様を拡大していった次第です。
「SNSマーケティングにスタンダードを創る」ということ
ホットリンクが市場参入したとき、SNSマーケティング戦略におけるスタンダードや原理原則は、まだまだ確立されていませんでした。
当時のデジタルマーケティング施策には、リスティングやSEO、他媒体の広告といった手法が豊富にありました。それらの手法にはマーケティング戦略のスタンダードがある程度確立されていましたが、SNSに関しては、有効に活用できるスタンダードがまだ確立されていない状況だったのです。
2010年代は、SNS市場全体の売上規模は右肩上がりに増加し、企業も本気でSNSマーケティングに投資をするフェーズになっていました。しかし、SNSマーケティングの手法として注目を浴びていたのは、表層的なトレンドを追いかけたものばかり。
「フォロワー数を増やすためにこうすればいい」
「今、Twitterではこれが流行っている」
「Instagramなら、ブランドの価値を表すクリエイティブがいい」
「文字情報の多いクリエイティブがいい」etc…
本質的ではない情報を参考にSNS活用を試みても、うまくいかないケースが多く、結果的に「SNSはやっぱり成果が出ない」と、頓挫してしまう企業様も多かったのです。
そのようなお客様の課題を解決するべく、ホットリンクは「SNSマーケティングにスタンダードを創る」というビジョンを掲げています。
私たちは、創業当初から実直さや誠実さを大切にしてきました。
「とりあえずサービスを立ち上げよう」ではなく、「お客様にとって本質的な意味のあるサービス、貢献できるサービスでなければ、やっても意味ないよね」というカルチャーが根付いているのです。
何を目的に施策を実行するのか。
どのような施策ならば、お客様の商材特性を活かせるのか。
どんな戦略を取れば、お客様の売上に貢献できるのか。
このような前提条件を念頭に、私たちは日々お客様の支援に励んでいます。
同時に、私たちは原理原則のスタンダードをSNSマーケティングの領域にも確立させることで、業界全体を良くしたいとも考えています。
SNSを活用したマーケティングで成果を出す企業様を増やし、健全なSNSマーケティング理論を広めていきたい。
「SNSマーケティングにスタンダードを創る」というビジョンには、そうした思いも込められています。