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独自の文化を国内外のアーティスト達とともにアップデートする試み「ニュー北九州シティ」

2021年3月24日にスタートした「ニュー北九州市シティ」プロジェクト。「ニュー北九州市シティ」プロジェクトとは、北九州に根付く文化を多彩なクリエイターたちによってリブランディングし、次の北九州カルチャーを作っていく試みです。

https://new-kitakyushu-city.com/

九州発祥の「角打ち」を取り上げた第1弾、コロナ禍の10代を交えた写真展を展開した第2弾を実施してきましたが、2月22日から「夜景」をテーマに第3弾を展開しました。

今回は、この第3弾についてお話します。

意外と知られていない「日本一の夜景」

みなさん、国内で「夜景」が美しい場所というとどこを思い浮かべますか?
私がこの質問をするとだいたい函館・長崎・六甲山などの地名が返ってくることが多いです。

しかし、全国にいる夜景鑑賞士が投票して決める「日本新3大夜景都市(2022年)」において、上記の都市をおさえて1位に選ばれたのは「北九州市」なんです。
工場夜景・足立公園・門司港・若戸大橋のライトアップなど、北九州市の地形や特徴を活かしたバリエーション豊かな夜景が楽しんでいただけます。
私も実際に北九州の夜景をいくつか鑑賞しましたが、想像している何倍も迫力があって魅力的だと感じました。
それなのに「北九州市」と「夜景」のイメージが定着・浸透していないのは非常にもったいない。まずは「北九州=夜景が美しい街」というイメージをアップデートしたいと思ったのが、「夜景」をテーマに選んだ理由です。


北九州市の皿倉山からの夜景

北九州市の若松区と戸畑区を結ぶ洞海湾に架設された若戸大橋


北九州市の門司港レトロ展望室・門司港駅方面




若い世代の「夜景」離れ

私たちの若い頃は、気になる彼女を「夜景」鑑賞を理由にドライブに誘うのが鉄板のデートコースでした(笑)
しかし、今の若い世代はわざわざ夜景を見に行かないというのです。SNSを開けば魅力的なコンテンツがあふれているし、そもそも車にも乗らない人が増えていることも影響しているのかもしれません。

「ニュー北九州市シティ」プロジェクトは、若い世代と北九州をつなぎたいという思いをもって始めたプロジェクトです。

そんな若者たちに「北九州の夜景って魅力的だよね」と思ってもらい、足を運んでもらうにはどうすればいいか。
ただ美しい夜景写真を並べただけでは違いがわかりづらく、若い世代の心を動かすことはできないと考え、国内外のアーティストに個性的なアニメとイラストで「夜景」の魅力をアップデートしてもらうことにしました。

写真の工場夜景(引用元:北九州市時と風の博物館)もイラストにすると、よりポップで魅力的にアップデートされている。

北九州の外にいるアーティストだからできること

第3弾で起用したアーティストは、Utomaruさん、Youngjin Hwangさん、貞尼鹹粥Jennieさんの3人です。日本・韓国・台湾と活動している国はバラバラですが、いずれのかたも80年代のカルチャーを、ポップにアップデートした作風を持つ「Newtro(ニュートロ)」を体現するアーティストです。


Utomaru (日本)/ 門司港レトロ


Youngjin Hwang(韓国)/ 工場夜景


貞尼鹹粥Jennie (台湾)/ 若戸大橋


地元のアーティストではなくて、県や国を超えたアーティストを起用しているのは、外からの視点で魅力を伝えてもらいたいから。
例えば、工藤静香や竹内まりやなどの日本のシティ・ポップをリミックスして世界中でブームを巻き起こしている韓国のプロデューサー/DJ Night Tempoのように、海外のアーティストに日本の魅力をアップデートしてもらうことが、文化が世界に広がる1つの手段にもなることもあります。

北九州市内部で完結してしまうプロジェクトにはしたくない、むしろ北九州を東アジアの文化的なハブ都市として発展させたいとの思いから、「外」とのコラボレーションを大切にしています。

アーティストへの深い理解にもとづくディレクション

この「ニュー北九州市シティ」プロジェクトで、私はディレクションも担当しました。
例えば今回のアーティストの1人Utomaruさんは、「Newtro(ニュートロ)」の先駆者でずっとこの分野で活躍されてきたアーティストです。元々Utomaruさんのことはよく知っており、どんな世界観でこれまで作品を描いてきたのかもしっかり理解していました。その上でコミュにケーションをとっていたので、お互いに良い信頼関係を築きながら、ベストな作品を作り上げられました。

ほかのかたも同様に、アーティスト1人ひとりと向き合い、それぞれの世界観や個性を深く理解することが、その人の良さを引き出すためには欠かせません。

つまり、ディレクションする人には「カルチャーを理解する力」が求められると言えます。


JR小倉駅デジタルサイネージでの展開


最後に

今回3人のアーティストに描いていただいた「夜景」のイラストがJR小倉駅のデジタルサイネージに掲載されると、足を止めて見入る若者や、外国人がいました。「今までの北九州のイメージじゃなくて、良い」との声も届いており、リブランディングへの手応えを感じています。

「ニュー北九州シティ」第4弾もお楽しみに!

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