2022年8月中旬からスタートした新規事業『世界の人材ターミナル』について、代表 小野と事業部長 増田のインタビューを行いました!
グローバル事業を立ち上げたきっかけは、外国人への感謝
-グローバル事業を立ち上げるきっかけは何でしょうか?
増田:もともと高校2年生の時から「日本で働く外国人をサポートしたい」という夢を抱いていました。
日本で働く外国人は多くいらっしゃいます。
その外国人があらゆる国の中で日本を選んで働いていただいているところに、まずは感謝しなければいけないと思いました。
そこで、留学生や日本在住の外国人のサポートするような仕事をして、貢献していきたいと思い、最初は日本語教師をしていました。
しかし、日本語教師をしていると、教師という立場から上から目線だったり、謝らなかったりなど、よくないなと思う面を見るようになりました。
少子高齢化が進んでいる中で、外国人が日本で働いてくれることによって、助かっている部分は多くあるのに、日本語教師をしていて外国人に感謝しているのが、残念ながらひとつも見えませんでした。
外国人に感謝しなくてはいけないと思っていたので、日本で働く外国人をサポートできるようなグローバル事業を考え始め、自身で会社を立ち上げて現在の事業をスタートしました。
-ホールハートで譲渡されていますが、その経緯を教えてください。
増田:私の会社としては5期目になります。
小野さんに出会う前まで、別の会社と事業を進めていたものの、目的やゴール、カルチャーの部分でズレが生じてきました。
お互いに外国人の方をサポートしたいというところで事業を進めていたものの、考え方などの違いによって自分の思い通りに進まないこともあり、挫折する経験をしました。
そして、事業自体をやめようかなと思っていたタイミングで小野さんを紹介いただき、小野さんの考え方や人柄に惹かれ、改めて一緒に事業をスタートすることにしました。
-どういった点で小野さんと共に事業を進めようと思われたのでしょうか?
増田:小野さんは「選択肢」という言葉をよく使います。
私自身、高校生の頃『13歳のハローワーク』という本をずっと読んでいたのですが、その時から自分の仕事を探す上で選択肢って大事だなと思い、『選択肢』という言葉を大切にしてきました。
小野さんとは考え方やカルチャーが合うんじゃないかと思ったのと、人柄のよさやオーラを感じたのが大きいです。
また、以前一緒に事業をしていた企業は、自分の会社を横展開しただけで、掛け算にはなりませんでした。
しかし、小野さんはすぐにいろんな方を紹介してくれました。
幅広い人脈を持っている小野さんと組むことによって、このビジネスをもっと大きくできるんじゃないかと思ったのも大きなポイントです。
-小野さんが増田さんと共にグローバル事業を始めようと思った経緯を教えてください。
小野:人材紹介のビジネスをやる上で、自分が思った通りには人生がうまくいってはいなかったけれども、この先の人生を輝かせていきたいという方の支援をするために、そういった方が羽ばたいていく場所を作りたいと思っています。
昨年から『はじめてのエンジニア』という事業をスタートし、未経験からエンジニアになり、活躍していく方を実際にたくさん見てきました。
事業をやる上では、単純に利益だけを考えても長続きしません。
社会的に正しく、社会的に価値のある事業をやりたいと思っているので、それを実現するために、一緒にグローバル事業を始めることにしました。
『世界の人材ターミナル』の事業内容
-『世界の人材ターミナル』の事業内容を教えてください。
増田:一言でお伝えすると、日本で働く外国人のサポートをしています。
外国人が日本で働くためにはいろんなビザが必要になるのですが、特定技能というビザに現在は力を入れています。
ただし、日本にいる外国人に企業を紹介するだけではなく、日本で働くために海外からいらっしゃる方もいます。
母国の家族を養うために日本に来る方もいて、自分だけではなく家族の人生も背負っていらっしゃいます。
日本でお金を稼ぐためには、ビザを取得し、働く仕事を見つけなければなりません。
そういった方の転職・就職のサポートはもちろん、生活のサポートまで行っています。
また、日本は少子高齢化が進んでいて社会問題となっています。
実際に日本人だけの労働力では補えない部分も出てきています。
企業からすると人材が増えれば、よりいろんなビジネスを展開することができるので、グローバル事業を通して、日本の企業様の選択肢を増やすサポートもできると思っています。
『世界の人材ターミナル』に込めた想い
-『世界の人材ターミナル』の名称はどのように決められたのでしょうか?
増田:名称を決める前に、まずはカラーから決めました。
ターコイズに決めたのですが、ターコイズには『旅のお守り』という意味が込められています。
日本に来た外国人のお守りのような存在になりたいと思っています。
また、ターコイズには『夢を実現する』『成功する』という意味もあります。
日本で働く外国人には日本で働くことで夢を実現したり、成功してほしいと願っています。
『世界の人材ターミナル』という名称は、グローバルではなく世界とすることで他社との差別化を図ったことと、ホールハートの他事業が『◯◯の◯◯』という名称になっているので、それに合わせて『世界の人材』として、統一感を持たせました。
そして『ターミナル』は空港のターミナルをイメージしています。
ターミナルは、いろんな国から人が集まります。
『世界の人材ターミナル』では、あらゆる外国人の滑走路となり、夢の実現までサポートしていきたいと考えているので、そのような願いを込めています。
事業に対する想い
小野:2001年から人材紹介のビジネスをしてきましたが、世の中の人材ビジネスで収益が上がっている企業は、ホワイトカラーの分野においては、ほとんどが大卒者を対象としています。
例えば、リクナビやマイナビなどは短大卒以上が対象で高卒者などは登録できません。
私自身も20年以上、大卒者を中心に対応してきませんでしたが、
『はじめてのエンジニア』の事業を通して、大卒の方含めて、いろんな背景の方がいるということを実感しました。
大学卒が50%以上いる日本でも、家庭の事情などで、自分の思い通りの社会人人生を送れてこなかった人が世の中にはたくさんいるということを知り、同じように外国人にもそういった方は多いんじゃないかと思いました。
世界を見ると、日本の方よりも多くの方が自分の思いではどうしようもできない環境にいることがあります。
日本で働く価値はまだまだあるので、母国である日本を上手く外国人に活用してもらいたいと考えています。
そして、楽しく働きながら、稼いでもらい、幸せになってほしいと思っています。
日本で働く外国人の人生の選択肢を増やしていきたいと思っているので、20年以上の人材ビジネスの経験を活用して、これからこの事業に力を入れていきます。
正直なところ、経験者ではないため、単価が低く、利益を出すのは大変ですが、それ以上にこの事業をする喜びや価値は大きいと感じています。
『傘をさす』という言葉も大切にしていますが、意味としては、自分が雨でびしょびしょになりながらも誰かを支えるということです。
これから大変なことは多いと思いますが、そういう会社もあってもいいと思っているので、自分達で作っていこうと考えています。
-『世界の人材ターミナル』の今後の目標などについて教えてください。
増田:まずは自社に外国人を迎え入れることが直近の目標です。
私たち自身も日本で働く外国人の気持ちがわかっていないんじゃないかとも感じているため、外国人を採用することによって可能性が広がったり、紹介する企業様に対しても説得力が増すと考えています。
そのため、これからの事業の成長に欠かせないのが、メンバーの中に外国人がいるということです。
日本経済に影響されるビジネスでもあるので、いま円安の状況で外国人が日本を選んで来てくれるのかという心配もありますが、これからも日本の素晴らしさや日本で働く意義を伝えていきます。
日本が選ばれる国になり、より多くの外国人を支えていくために、まずは組織作りをしていきます。
小野:帝国データバンクが発表している、人手不足に対する企業の動向調査(2022年9月)によると、人手不足だと感じる企業が50%を超えたそうです。
約3年ぶりに5割を上回り、コロナ前と同じくらいの数字になってきています。
正社員では、情報サービス 約71%、人材派遣・紹介 約65%、メンテナンス・警備・検査 約64%、旅館・ホテル 約62%が人手不足を感じています。
非正社員では、飲食店 約77%、旅館・ホテル 約62%が人手不足を感じています。
こうした数字を見ても、この先も需要が増えるしかないことがわかります。
また、コロナ前の2019年のインバウンドは約3,200万人なので、数年後には6,000万人くらいになる可能性は高いと思っています。
インバウンドが増えると共に、宿泊施設や飲食店はより日本人のみでは回せなくなります。
日本の産業を回していくためにも、外国人の力が必須です。
今は外国人1人当たりのフィーが高いとは言えませんが、働き手が足りなくなれば、給与水準は上がっていくと考えられます。
これから伸びる市場ではあるので、理念に基づいて仕事をすれば、自ずと事業も伸びていくと信じています。
今はベトナム人のサポートをしていることが多いですが、とにかくやりきることを大切にして、今後は新しい市場も開拓していく予定です。