目次
創業者の原点 - アメリカ留学における経験と気づき
起業のきっかけと仲間との出会い
事業について
カルチャーとチーム
ビジョンと未来
これから一緒に挑戦するチームメンバーへ
halfwaytheirは、渋谷・原宿・表参道エリアにおける、街中の壁面を活用した大規模ポスタージャックや、日本全国でアンビエント広告メディア開発を手がける会社です。従来の広告の枠を超えて、「広告なのになぜかワクワクする」「思わず写真に撮りたくなる広告づくり」へ挑戦を続けています。
今回は、代表取締役 / CEO の栗山 太成(くりやまたいせい)さんにインタビュー。
起業までの経緯や背景、情熱の源泉についてお聞きしました!
創業者の原点 - アメリカ留学における経験と気づき
──まずは、起業に至るまでの経緯を教えてください。
いやぁ… 正直「自分はいつか起業するんだろうな」って昔から思ってました(笑)。
こんなこと言うとふざけてるみたいだけど、逆に会社員として働いてる自分が全く想像できなかったんです。
英語も全く話せないのに、アメリカに渡ったり、アメリカ大学の授業についていける英語力がなくても大学進学を決断したり、身の丈に合わないことに飛び込むことがだんだん楽しくなってきて、挑戦して達成する → また次の挑戦、というサイクルがいつしか自分の中で習慣になっていました。
でも不思議なもので、背伸びも繰り返しているとだんだん「日常」になるんですよね。
そうなると「じゃあ次は何に挑戦する?」と自然に考えるようになる。その延長線上に、「起業」という選択肢が見えました。
しかも、挑戦って結局「早く始めた人ほど有利」だと思うんです。
スポーツでも、語学でも、ビジネスでも同じ。
だから「今日が一番若い。今が、そのタイミングだ」と確信できました。それが起業を決めた理由です。
──18歳で渡米を決めた理由は?
僕の意思決定の基準は昔からすごくシンプルで、
「面白いか/面白くないか」「普通か/普通じゃないか」の2つだけ。
もちろん、人それぞれですが、自分の中では、日本の大学進学は「普通で面白くない」と感じました。
ちょうどその頃、ドリキンさんのYouTube「ドリ散歩」を見てサンフランシスコに憧れていたし、英語の汎用性やテクノロジーへの興味も重なって、「アメリカに行く」という選択が自然に導き出されたんです。
ちなみに、「ドリ散歩」は、サンフランシスコでエンジニアをやられてるドリキンさんというおじさんの出勤風景がただYouTubeに垂れ流させている動画です。でも、めちゃくちゃ画質が良くて、自分がサンフランシスコにいるような擬似体験ができるので、オススメです!(笑)
振り返ると、この判断軸は会社のカルチャーにも通じているかなぁと思います。
「安定だから」「普通だから」と選ぶことよりも、僕は「それって面白い?ワクワクする?」を優先しています。だから18歳の渡米は、今のhalfwaytheirのカルチャーやバリューにつながる原点だったなと思います。
サンフランシスコ時代の通学風景
──海外に行って、一番印象に残った体験はなんですか?
大学の部活のサッカーですね。
ボストンにある大学に通っていたので、マサチューセッツ工科大学やハーバードとも試合しました。海外でかつ、多文化のチームメイトプレーする時は、「自己主張しないと舐められる、プレーで証明する」って感覚は、ずっとありましたね。
昔から負けず嫌いだったのですが、大学の部活でもっと負けず嫌いになりましたね、、(笑)でも、その負けず嫌いは会社でも役立っていると思います。
何かがあっても少しのことでは物怖じしなくなりましたね。いつでもドンと構えています。(笑)
さらに、シアトルでは社会人チームにも参加していて、AmazonやMicrosoftのエンジニアたちと一緒にプレーしていました。彼らとプレーしたり、たわいもない会話を重ねる中、耳にしたテクノロジーの最前線の話は、当時の自分にとってはとんでもなく刺激的で。
トップエンジニアの話を学生の自分が聞ける経験は、大きな財産でした。
大学時代のサッカー部のチームフォト
起業のきっかけと仲間との出会い
──起業を決意したきっかけは?
アメリカ留学中に、日本の「失われた30年」を肌で実感したことですね。
渡米するまでは、ずっと日本国内からしか、日本を見たことがなく、「日本は世界のトップにいる」と思い込んでいました。けれど実際は、そんなことないんだなぁと。
平均給与は海外の大きな国の方が日本の何倍も高かったり、世界中の会社の総額ランキングでもTOP10に日本の会社の名前がなかったり、、と色々なことが自分の中で見えてきましたし、それを海外で肌で感じました。
同級生の子の国の話を聞くと、あれ?なんか日本より国としてのパワー強くないか、、?
ってだんだん自分の今までもっていた認識に違和感を抱いてきて、日本の「失われた30年」を肌で実感し始めました。
僕がアメリカにいたタイミングで、消費税の増税、COVID-19のパンデミック、急激な円安といった不安要素が重なり、自分含めて、同級生が就職活動をしていても、日本や自分の将来にワクワクしているようには到底見えなかった。世界中の学生と交流する中で「日本はもう下降線にある」という現実にも直面しました。
ただ一方で、日本って本当に魅力的な国なんです。
街は綺麗だし、ご飯は美味しいし、安全で、人々も真面目で優しい。世界に誇れるものがたくさんあるのに、なぜかそれが世界できちんと評価されていない。「日本は世界で過小評価されているだけじゃないか?」「このまま沈んでいくべきじゃない」と思って、少しでも自分の力で日本を盛り上げたいと考えました。
だから、『日本をもっとワクワクする街に』したいなと思い、在学中に起業準備を始めました。
──そんな想いが背後にあったんですね。
でも、本当に背中を押してくれたきっかけは、XTech VenturesのX-Gateという、アクセラレーションプログラムに採択されたことですね。
実はその1年ほど前から、少しずつ起業準備は始めていて、色々なビジネスアイデアを考えたりしていたのですが、当時22歳の学生からするとベンチャーキャピタルなんて完全に雲の上の存在で、「僕なんか相手にしてくれないんじゃないか」と正直思っていました。
でも実際に面談のチャンスをいただけて、プログラムに採択いただけて、「22歳の自分でも認めてもらえた」という肯定感や、シンプルな嬉しさがものすごく大きかったんです。
そこからはもう迷いがなくなって、大学を休学して帰国し、起業する決断をしました。
──なぜ広告業界で起業しようと思ったんですか?
いい質問ですね(池上彰風)。
先程少し話したように、街中にワクワクを仕掛けたかった。『日本をもっとワクワクする街』にしたいという想いから、街中の不特定多数の人とコンタクトできる、OOH(屋外広告)の領域を選びました。
僕はそんなに頭が良くないので、事業的に良いとか悪いとか分からなかった。なので、事業的に良い!とか儲かる!と思ったというより、「一種の表現の方法」として選んだ感じですかね。(笑)
また、ニューヨークに住んでた時に強烈に印象に残ったのが、ニューヨーク・タイムズスクエアの広告。街中を広告が埋め尽くしているのに、なぜかワクワクする。
基本的に広告ってみんなスキップするもので、嫌われ者じゃないですか。でも、なぜかワクワクする。日本でもこういう景色を作りたいと考えるようになりました。
ニューヨーク・タイムズスクエア
──でも、いきなり巨大ビジョンや看板って難しいですよね。
そうなんです。学生起業で大きな看板なんて無理だし、資金も信用もなかった。
だから「今の自分でできるビジネスって何だろう?」と考えて、泥臭い営業しかできないなと思い、まずはピンポン営業から始めました。
広告面にできそうな壁面を街中を歩き回って探して、ピンポンして、不動産オーナーさんに空いてる壁を広告媒体にしませんか?と提案し続けていました。(笑)
その時は、空いてる壁面をみて「いい壁面だねぇえ〜〜。素材もいいねぇ〜〜。」とか街中で行ってました。(笑)側から見たらめちゃくちゃヤバいやつですよね。(笑)でも、その経験があるからこそ今があるんだと心の底から思っています。
街中の空いている壁面を契約して、ポスターをまとめて出す。大きな看板はできなくても、ポスターを大量に並べてエリアをジャックすれば、価値になるのではないかと。
やりたいこと(街をワクワクさせる広告)と、当時の自分にできること(ピンポン営業でポスターを契約する)が重なった瞬間でした。
ポスタージャックの様子
──話は少し飛ぶのですが、COOの祐下さんとはどんな経緯で?
ボストンの大学時代の寮で部屋が隣の隣だったんです。日本人は大学全校で6人しかいなかったので自然に仲良くなりました。
アクセラ採択が決まったときになんの前触れもなく、「日本帰って起業するけど、一緒にやらない?」っていきなり深夜にドアをノックして誘いました。ここでもドアをノックしていますね。(笑)
──そんな突然(笑)どんな反応だったか気になります。
0.2秒で「いいよ」って(笑)。
──0.2秒で即答ってすごい。そのノリが今のカルチャーにもつながってる感じしますね。
そうかもしれないですね。祐下は細やかなことが得意で、僕にない部分を持っている。逆に僕は大雑把で全体を見れる。いいバランスだと思います。
事業について
──halfwaytheirの事業モデルを改めて教えてください。
現時点では、大きく分けて2つですね。
ひとつは自社媒体の「TIMES SQUARE」、もうひとつは「MEDIA DEVELOPMENT」です。
──TIMES SQUAREというのは?
渋谷や原宿、表参道に展開しているポスタージャックメディアです。
街の空いている壁面を活用して、ポスターを何百枚もまとめて掲出し、街をジャックします。普通の1枚のポスターだと景観に埋もれますけど、大量に出すと「街全体が広告になる」ような迫力になる。
最近だと、Aぇ! group、BYREDO、KCON JAPAN 2025のプロモーションを行いました。
──なるほど。もう一つの「MEDIA DEVELOPMENT」は?
これは簡単に言うと「アンビエント広告」。街のコンテキストを活かした広告づくりです。
例えば、落書きに悩んでいる壁面をアート広告に変えるとか、取り壊し予定の建物を使用してインパクトのある広告を出すとか。
──具体的にはどんな事例がありますか?
Netflixの「イカゲーム2」ではクリスマスの騒ぎの後の汚れた渋谷・新宿・新大久保の街で大掃除企画をゲリラで仕掛けたり、最近だと講談社の『ガチアクタ』のアニメプロモーションでミューラルアートを手がけたりしました。企画から施工まで全部やるのが特徴です。
事例を見ていただくと、イメージが湧きやすいと思うので、ぜひ弊社HPだったり私のXやFacebookをご覧ください!
カルチャーとチーム
──チームの雰囲気は?
若いメンバーが中心なので、とても仲が良く雰囲気はいいと思います。
みんなもそう思っててくれたらいいのですが、、(笑)
大事にしている価値観としては、「我々は、プロスポーツチームだ」という言葉です。
プロスポーツチームってプロフェッショナルの集合体じゃないですか。個人ではプロフェッショナルでありながら、チーム全体の勝利のために動く。誰かが攻めてる時は自分は守りに回る、仲間が疲れていたら自分が代わりに走る。そうやって仕事においても個人とチームの両方に責任を持って欲しいと思っています。
いつか会社のみんなでスポーツ大会とかにも出てみたいです。(笑)
──これからジョインしていただける新しい仲間に期待することは?
役割どうこうよりも、まずはうちのカルチャーに飛び込んでほしいですね。チームメンバーとして大切にしている3つのバリューがあって、
1つ目は 「Just Do It」。まずは、とにかくやってみること。
2つ目は 「You Got This」。大丈夫、できる。途中で諦めたら失敗だけど、やり切ればそれは成功になる。
3つ目は 「Still halfway there」。達成したことに満足せず、また次の背伸び・挑戦をする。
この3つは合言葉みたいなものです。
この3つは常に頭の中に留めて、体現していって欲しいなと期待しています。
僕が皆さんが挑戦をして、怒ったり否定することはないと思います。
うちの会社では、とにかく色々なことに挑戦して挑戦して挑戦して欲しいと思っています!
そのための環境づくりは僕が頑張りますし、裁量はお任せします!!
ビジョンと未来
──halfwaytheirが目指す「日本をもっとワクワクする街に」って、具体的にはどんなイメージですか?
もっと自由で遊び心ある広告を街中に増やしたいんですよね。
ニューヨークのタイムズスクエアみたいに、街全体が広告で彩られているけど、ただの広告じゃなくて「見てるだけでワクワクする」ような。
ラスベガスの「Sphere」っていう巨大な球体スクリーンがあるんですけど、あれなんて広告なんだけど思わず写真を撮りたくなる。そういう広告を日本でも作りたいです。
──5年後の街や広告はどうなっていると思いますか?
アナログからデジタルサイネージに移っていくはずです。もっとクリエイティブの自由度が増して、型破りな広告を作れる未来を楽しみにしています。
これから一緒に挑戦するチームメンバーへ
──どんな人と働きたいですか?
役割に縛られず、自分で裁量を持ってきて挑戦できる人です。
「これをやりたいから、このリソースをください」と言える人は大歓迎です!
うちでは「NO」はほぼなくて、基本的に「YES」。やりたいことがあれば背中を押す環境です。だからこそ、裁量を活かして「自分の手で会社を大きくしたい」と思っている人には面白い環境だと思います。
──CEOとして、これから挑戦したいことは?
まずは、会社の組織を一気に拡大していきたいです。
今は少数精鋭でやっていますが、事業をスケールさせるにはもっと多様な力が必要だと思っています。また、色々な事業にも挑戦していきたいを考えています。OOHを主軸に色々なワクワクを街中に届けられるような会社になっていきたいので、常に新しいアイデアを考えています(笑)
あとは働いている皆さんは知っていると思いますけれども、私はよく歌いますよね?
──よく鼻歌が聞こえてきます(笑)!!
将来は1万人規模の組織をつくって、全社会を日本武道館でやり、そこでライブをやりたいです。音楽好きのCOO 祐下の伴奏付きで。あいみょんのライブみたいにやりたいですね(笑)
──最後に読者へメッセージをお願いします。
「JUST DO IT」の精神で、まずは気軽に話しに来てください。まだ小さなチームですが、一気に拡大していきます。一緒にまずは日本を、そしていつか世界中をワクワクさせましょう!!!