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個室にこたつ、“ファミレス席”も!? Gravityのオフィスツアー【前編】



博報堂マグネットとコスモ・コミュニケーションズの2社が統合し、2022年に誕生した博報堂Gravity。2023年6月には、銀座と外苑前にそれぞれ分散していたオフィスをひとつに集約して、日比谷に新オフィスを完成させました。

今回は、博報堂Gravityのオフィスをぐるりとご案内します。

社員がコンセプトを考え〈DDAA〉元木大輔氏が手掛けたオフィス

東京ミッドタウン日比谷や、皇居にも隣接するオフィスビルの3〜4階に完成した、博報堂Gravityの新オフィス。社員からメンバーを募り、「どういうオフィスにしたいか」をブレストしながら考えたコンセプトを、実際に設計に落とし込んだのは、〈DDAA/DDAA LAB〉主宰の建築家・元木大輔氏です。元木氏は、〈エンダースキーマ〉の直営店や、波佐見焼ブランドによる私設公園〈HIROPPA〉、〈無印良品〉の展覧会などを手掛けてきたことでも知られています。

オフィスビルとして新築された空間だったため、使用している建材も、部屋のつくりも、機能面を重視したシステマチックな構造でしたが、“引き算”してから再構築。

例えば、3階の広々としたオープンスペースでは、天井パネルを剥がして鉄骨現しとし、床はOAフロアを外して一段下げました。OAフロアは下に配線を通せるような二重床になっていて、この上にフローリングやカーペットを敷くのが一般的ですが、あえて剥き出しのまま使っています。

▲剥き出しになっているOAフロア。

もともとプレキャストコンクリートのOAフロアが敷き詰められていましたが、3階のオープンスペースの一部に使用されていたものを、ソファや棚、小上がり、ローテーブルなどに再利用しています。

▲OAフロアを再利用したソファ。空間を仕切っている左側の什器にもOAフロアを使用している。


オープンスペースの両側には会議室が配され、そこをさらにコの字型の執務室が囲みます。オフィスを仕切るのは鉄骨やガラスなので、視覚的に開放感を生みつつ、社員が別々の活動をしていても一体感があり、他者の気配が感じられるようなつくり。

▲フリーアドレスの執務室。


デスクの他にソファやこたつ、個室などがある執務室は、集中したいときとコミュニケーションをとりたいときなど、用途に応じて働く場所を選べるようになっています。

▲クライミングロープを暖簾状にして仕切っている個人ブース。窓に向かってデスクが設置され、眼下に は日比谷通りが。


オフィスにはインテリアグリーンがたくさんあり、都心にいながら緑を感じることができます。植物の管理は、ランドスケープデザインやグリーンショップのディレクションなども手掛けるSOLSO FARMにお願いしています。

▲デスクの中央にある大型プランターは、視覚的に遮る役目も。


▲金メッキ(実は18金)した単管パイプを組み立てて作ったデスクとシェルフ。


皇居も見えるコーナーに設置したのは、OAフロアでできた小上がりとこたつ。一般家庭で使われるこたつ4個分くらいの大きなサイズです。


執務室の端には、シンクや冷蔵庫を備えたカフェスペースが。ランチやリフレッシュタイムなどに利用されています。

▲カフェスペース。


コの字型の執務室の逆サイドにあるのは、社員用のロッカーと、バックオフィスの固定デスク、最大4人入れる通称“ファミレス席”。

▲箱型の小さなミーティングルーム。


Gravityはオフィス内でも働く環境を自由に選ぶことができます。

「Gravity」にちなんだ仕掛け

社名の「Gravity(重力)」を感じさせるような仕掛けもオフィス内の随所に。例えば、執務室の通路に配置された3段のハイテーブルは、塗料が混ざり合ってマーブル模様になっています。

これは、重力によって生み出されたデザイン。どういうことかというと、ハイテーブルの天板には穴が空いているので、最上段に顔料を混ぜた樹脂を垂らすと、重力によってぽたぽたと上段から下段に落ちていきます。樹脂の硬化速度がゆっくりなので、じわりと色が混ざりあい、下段にいくにつれ複雑な表情になるのです。


▲動かす必要のないコピー機の台などは床まで塗料を垂らした。


大小さまざまな会議室も、「Gravity」にちなんで、宇宙を感じる「Venus」や「Jupiter」「Mars」など、惑星と衛星の名前を付けました。



会議室のプレートも樹脂を使った塗料を用いています。6色から組み合わせ、それぞれの星のイメージをした配色になっています。

プレゼンルームのある4階

4階にはクライアントへのプレゼンに使用されるプレゼンルーム「Neptune」があり、Gravity流のおもてなしが込められています。

プレゼンルームの手前でまず出迎えるのは、金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》や、十和田市現代美術館の《建物―ブエノスアイレス》などで知られる、アルゼンチン出身のアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの作品。

▲レアンドロ・エルリッヒ作《Frozen Clouds 》。この他にもオフィス内にはアートがいくつも飾られている。


この作品の横にあるドアを開けると、三方が黒く塗られ、床一面が顔料を混ぜた樹脂でできた通路に繋がります。4階と3階を分断することなく繋がる仕掛けとして重力を意識した通路、ちょうど3階の真下には同じ樹脂でできたハイテーブルが配置されていて連動感を演出しました。

▲真っ暗闇を照らすダウンライトが誘導灯のようになっていて、行き先を示してくれる。


緊張感と期待を持って進んだ先にあるのが、プレゼンルーム「Neptune」です。

最高品質のプロジェクターに、立体的な音響のスピーカー、パソコン画面のスイッチング装置、リモート対応用の話者を追うカメラトラッキングシステムなど、最高のプレゼン環境を整えました。

▲フレームにピンク色の電源コードを格納することで、アート作品のように。


この他にも、ブツ撮りができるスタジオや、印刷物を最適な照明で見られる色校室など、能率的に働けるためのオフィス環境が整っています。

▲簡易的なブツ撮りならオフィス内でもできる。


Gravityのオフィスは、社会の多面的な問題をデザインのちからによって解決に導くことを使命とした、日本最大級の空間デザインアワード『日本空間デザイン賞2024』(主催:一般社団法人日本商環境デザイン協会、一般社団法人日本空間デザイン協会)にて、「ワークプレイス空間 Longlist」に入選しました。


前編はここまで。どのようにしてGravityのオフィスのコンセプトが決められ、具現化していったのかは、後編でご紹介します。新オフィスのクリエイティブディレクション・企画・コンセプト設計に携わった佐々木裕也と、ルール作りに携わった大木光に話を聞いていきます。【後編】へ続く


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