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15ヶ月で社長から営業リーダーへ降格、減給。その時に感じた私の葛藤について。

自分が好きな会社から、降格、減給を言い渡された時、どのようにして心を落ち着かせ、改めて再起を図るのか。昇格や昇給といった言葉が示されることの多いこの場で、私が取締役からセールスリーダーへ降格し、今に至る経験をシェアすることが多くの方の再チャレンジを促すことへと繋がれば幸いです。

入社3年目を迎えた頃、創業者の杉岡から「20代でグッドニュースの社長になるつもりで成長して欲しい。若くして社長を経験することが、その後のキャリアにとって大きな価値になるから。」と声をかけてもらったことがきっかけとなり、2013年頃から経営者になることを意識して仕事をしてきました。

環境の変化に適応するスピードが大切なベンチャー企業において、30代後半、40代の経営者が社長をしていることが、事業成長の阻害要因になるかも知れない。そんな杉岡の危機意識に何となく共感して、30才までには自分が杉岡から襷を受け取るに相応しい人物になろうと思っていました。

その頃の私です。(鋭い眉毛にその意欲が現れています。)

2015年4月、取締役に就任したと同時にCareerMapを公式リリース。同年6月には結婚し、公私ともに物事がすべて順調に進んでいました。経済産業省の新連携認定を受けたCareerMapの協賛企業も、美容や飲食業界の方々から大きなご期待をいただき、1年目が終わる頃には50社を超えるまでに成長していました。CareerMapという大きな武器を手に入れたことで、これまでお付き合いが出来なかったような企業とも取引が始まり、今後の成長が約束されているかように思っていました。

取締役への就任から1年半経った2016年10月、取締役社長に就任しました。金融機関からの借入に、代表者の個人保証を付けていたため、会社の代表は杉岡のまま、私が社長を引き受けることになりました。杉岡は10月から関東圏での販路拡大を目的として、CareerMapの公式導入校を増やすために東京オフィスで働くことになりました。この日から、私は大阪本社のすべての舵取りを任されることになったのです。

社長就任後の話をする前に、私がグッドニュースに入社した経緯をお伝えしておきたいと思います。

幼い頃から転勤が多かった父に連れられて、何度も転校を繰り返した私は、すぐにどんな場所にも柔軟に適応できる力には自信がありました。それに加えて、海外留学の経験で培ったバイタリティを活かし、大手商社の営業マンになろうと考えて就職活動を進めていました。ただ、2011年はリーマンショックの影響で大手企業の採用熱が冷え込んでいたこともあって、就職活動は中々思い通りにはいきませんでした。現地採用ならチャンスがあるという情報を得て、海外オフィスに飛び込みで自分を売り込みにいったりもしましたが結果は散々でした。

そんな時に新卒1期生募集という広告を見つけて、グッドニュースと出会いました。面接で杉岡から、「会社が自分に何をしてくれるかではなく、自分が会社やお客様に何ができるかを考えていますか?」と問われて、何かを貰うことばかりを考えて就職活動をしていたダサい自分に気づきました。最終選考で、「このグッドニュースで、どの会社に入るかよりも、会社に入った後で何をするかが大切だと考えられる学生を一人でも多く増やしたい。」と伝え、内定を受け取りました。私の就職活動については、Bplatz プレスでも大きく取り上げていただきました。

では、社長就任時に話を戻します。まず私が社長になって取り組んだことは、グッドニュースのサービスクオリティを高めることでした。それまでは、営業がCareerMapを受注した後、取材、撮影、編集までのすべてを担当していたのですが、取材や撮影でお客様のことをより詳しく知り、お客様との関係性を深めることができるというメリットがある一方で、ライティングのプロが編集した記事と比べるとお世辞にも品質が高いものを提供できているとは言えませんでした。

この方針は、営業がセールスに集中することによって成約率を高めながら、CareerMapの協賛件数とともに増えていた残業時間を減らせるのではないかという期待と相まって、仲間から歓迎、賛成されました。私は担当していた顧客とも相談しながら、取材、撮影、編集の内、まずは編集の部分から担当できる部署を新たに作ることに着手しました。2015年に入社した新卒メンバーの成長、活躍もあって1Qは経営計画どおりに数字も伸ばすことができました。

社長になっても順風満帆にことが進むと楽観的に考えていた矢先、年が明けてから急に雲行きが怪しくなってきました。「お客様から、次年度の更新は見送ると言われています。」といった営業からの相談が増え、2Qには初めてCareerMapの月間解約件数が新規受注件数を上回りました。3Qには2015年に入社した新卒が1名退職することになり、4Qには2016年の新卒が1名退職。更に、ようやく採用できた編集経験者と馬が合わずに何度も衝突し、社内に罵声が飛び交うといったような状態になっていました。

杉岡からは「失敗を恐れずに、何度も挑戦すればいい。」と言われていましたが、この頃にはすでに社長という立場の重責に怯え、新しいことにチャレンジする意欲は消えていました。1年かけて取り組んだはずの品質向上も、目に見えて納品物のクオリティが向上したとは到底言えないような内容でした。グッドニュースでは毎年9月末に、時短専門職以外のメンバー全員が集まって、決算発表と次年度の経営計画を練り上げる経営合宿を実施しています。杉岡や17卒の2名も一緒に合宿がスタートしたのですが、私が想像していた以上に会議は壮絶なものになりました。

「社長が変わっただけで、こんなにも会社が変わるものだと思わなかった。」「このままの状態が続くようなら私はこの会社を辞めます。」「会社の将来がイメージできない。もっと山根さんのビジョンを語ってほしい。」設立以来初めての減収減益という結果にではなく、私の覚悟の無さに対してみんなの不満が爆発しました。

リーダーとは、市場の変化を感じ取って会社が進む方向性を決める力と、最前線に出て陣頭指揮を取ってチームを成功へと導く力の両方を備え、発揮できる人のことだと思います。私は、ただ目の前の数字に追われ、会社がどこに向いて走っているのかも分からず、崩壊寸前といっても過言ではない状態を作ってしまいました。

合宿で杉岡から、「会社の社長は、社員みんなで育てるものだ。私もみんなに育ててもらった。みんなで山根さんを、みんなが誇れる社長に育てよう。」と話があり、もう一度みんなからチャンスをもらって社長として2期目を迎えることになりました。

ですが、こんな自分が社長をしていては、大切な仲間と仕事を続けることが出来なくなるのではないか。CareerMapという素晴らしい事業を潰してしまうのではないか。もう、そこには自分を信じ切ることができない自分がいて、3ヶ月後の12月に杉岡へ社長を辞任したいと伝えました。

社長から降格となり、セールスに専念することになりました。セールスのマネージャーは、2015新卒の和久が担っていましたので、後輩が上司となった状態での再スタートです。会社では、次から次へとV字回復への新たな施策が展開されていきました。著名なフォトグラファー、ライター数名との委託契約、リファラル採用、在宅勤務、MAの導入、The Model、すごい会議…。気がつけば、協賛企業は100社を超えていました。

マーケティングプロセスを変革したことで、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとチームも増え、各チームにおいて新たにマネージャーのポジションも生まれました。専門学校のCareerMap公式導入校も増え、貢献できる業界も広がってきています。移転したオフィスはメンバーが増えたことでもう既に狭くなり、フィールドセールスメンバーは固定の席がありません。

社長の職責を担った15ヶ月間は、仲間に多くの不安や心配をかけてしまいましたが、逆に多くの経験を得ることができました。社長がどのような想いで日々働いているのかということが分かっただけでも、今後の業務に活かせることは沢山ありましたし、この失敗の経験を、多くの経営者の皆様の採用や組織づくりに関する挑戦をリードし、支える力に変えることが出来ています。

私がこのような再挑戦が出来ているのは、グッドニュースの組織文化がピラミッド(ヒエラルキー)型ではなく、逆ピラミッド型に近いものだからだと思っています。理念の浸透により、意思決定や情報伝達のスピードは早いですが、グッドニュースにおいてマネージャーはメンバーを管理するのではなく、メンバーのセルフマネジメントと可能性を最大限発揮するための活動を下支えする役割を担うものと定義されています。そんな中で、私は自身の傷を癒すための充分な時間と仲間からの支えを感じることが出来ました。

また近い将来、グッドニュースの社長に…とはまだ言えませんが、まずはフィールドセールスのマネージャーとなって、チームを支えるポジションを担いたいと考えています。新たな挑戦が奨励され、すべての経験を理念の実現を引き寄せるための力に変えることができる。そんなグッドニュースで、あなたもイキイキと働いてみませんか?ぜひ、私を指名して話を聴きにきてください。

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