ENGAWA株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:牛山 隆信、以下「当社」)は、変化の激しいインバウンド・アウトバウンド業界において、常に学び、成長し続ける組織を目指し、社内向けに定期的に実施しています。
2025年5月9日は、映像提案やクリエイティブ設計の思考法をテーマに、国内CM制作の最前線で活躍する株式会社TYOの映像制作、福家氏をゲストに迎え、ENGAWAのアートディレクター・映像デザイナー、梅田とのセッションを実施しました。今回はその様子をお届けします。
映像制作の現場で培われたリアルな知見や、進化するテクノロジーの活用法を深く理解することで、クライアントへの提案の質をさらに高めることが本取り組みの狙いです。
当日は、営業・マーケティングをはじめとするビジネスサイドから管理部門まで、幅広い部署のメンバーが参加。異業種の専門知識を取り入れながら、チーム全体の「提案力」を強化し、これまでにない視点でインバウンド業界の課題に向き合う貴重な機会となりました。
<登壇者プロフィール>
福家 楓 氏(株式会社TYO 映像制作)
CM業界の第一線で活躍し、JAC賞審査委員長特別賞受賞など、数々の実績を持つ映像クリエイター。
梅田 直希(ENGAWA株式会社 アートディレクター・映像デザイナー)
ENGAWAのアートディレクター・映像デザイナー。インバウンド、観光に関する動画の実績が豊富で、国際映像祭での受賞歴も持つ。
■CM業界の最前線に学ぶ、革新性と設計力
CM業界では、最新技術のARやXRを用いた屋外広告(DOOH広告)が注目を集めています。街頭ビジョンなどで目を引く仕掛けが話題を呼び、SNSで拡散される例も増加。一方、タレント起用やCGなどコストがかさむ要素も多く、限られた予算の中で、どこに投資するかの判断が重要です。
制作現場では、グリーンバックやAIによる人物の切り抜き技術などを活用し、少人数・短期間での高品質な映像制作も可能に。こうした環境で求められるのは、「雰囲気」ではなく意図の明確な企画提案。TYOの福家氏は「意見を言語化する力」こそが、クライアントからの信頼につながると語りました。
■インバウンド映像を”刺さる”と”バズる”コンテンツに
セッションでは、当社が制作した「ツーリズムおおいた」のインバウンド映像を題材に、CM業界の視点から分析が行われました。福家氏は、「海外のvlogのようなスピード感があり、たった2人の制作でこのクオリティを出せるのは驚き」と高く評価。一方で、「一般的な観光映像にとどまっている」との指摘もありました。
これに対し当社からは、「日本人にとっては見慣れた風景でも、海外の視聴者には特別な価値がある」とし、その価値を丁寧に描写しながら、さらに“もう一歩”の魅力をどう加えるかが鍵であると応えました。異なる視点が交差し、“刺さる長尺”と“バズる短尺”をどう両立させるかという視点が共有され、今後の企画設計へのヒントとなりました。
また、福家氏は「SNSなどのショート動画を日常的に研究し、企画に活かしている」と語り、刺さるだけでなく、広がる映像表現の可能性についても議論が深まりました。
■設計力とテクノロジーの融合:XRとAIファッションの融合
「提案の質は、アウトプットではなく設計に宿る。」福家氏は、複雑な案件でも最初に課題を構造化し、設計図を描くことの重要性を語りました。
これは、クリエイティブだけでなくビジネスサイドの理解と関与が欠かせません。限られた予算内で最大の効果を生み出すためには、コスト配分や制作手法(グリーンバックの活用、少人数体制での効率化)といった知識も含め、共通の言語と視点を持つことが求められます。こうした相互理解が、クライアントの期待に応える高品質な提案とアウトプットを生む鍵となります。
さらにセッションでは、最新技術の活用事例としてXRやAIを用いた取り組みも紹介され、テクノロジーとクリエイティブの融合が新たな表現の可能性を切り拓いていることが示されました。
・Do The XR:拡張現実(XR)を使い、アーティストやパフォーマーをスマホ越しにその場に登場させる技術。舞台やイベントに来られない人にも体験を届ける、新しいエンタメの形として注目されている。
・New Future Fashion Technology (NFFT):生成AIでファッションをデザインし映像作品に落とし込んだ、最新のファッションイベント。生成したデザインをもとに実際の衣服を制作する。AIとリアルの融合による「フィジタル体験」の最前線として、業界内外で関心を集める。
本セッションを通じて、参加社員からは「クリエイティブの設計思想を理解することで、提案力の質が変わると実感した」「普段触れない知見に刺激を受けた」といった声が寄せられました。業務領域を超えた学びが生まれ、一人ひとりの専門性が深まると同時に、組織全体としての「提案力」も着実に強化される貴重な機会となりました。
今後もENGAWAは、変化し続ける時代と市場に柔軟に対応するため、新しい技術や視点に触れる機会をつくり出し、学びと挑戦を続けていきます。
■ 株式会社TYOについて
TYOは広告映像を中心としたコミュニケーションコンテンツの戦略立案・企画・制作を手掛けるプロデュースカンパニーです。テレビCM・オンライン動画等の年間制作本数は800本以上。総社員数300名、80名ものプロデューサーが在籍しており、国内映像プロダクション業界でもトップクラスの規模を誇ります。【最高の制作チームで、領域を超え、心を動かし、「伝わる」ものを作りつづける。】をMissionに掲げ、多様な価値観が共存できる社会を目指し、今日も誰かの心を動かすものを作りつづけています。