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GIGではこの度、株式会社セキュアが運営するオフィスセキュリティサービス『SECURE AI Office Base』の管理画面の情報設計、デザイン設計およびロゴ制作のプロジェクトを担当させていただきました。
toB向けのサービス、特にセキュリティ領域でのサービスは、わかりづらいユーザーインターフェースのものも多く存在し、導入したまま利用されないといったケースも珍しくありません。そんな中、セキュアでは「普段使いできるプロダクト」を目指し、今回のデザインプロジェクトがスタート。
プロジェクトを担当したセキュア 平本さまは「対等な立場で “良いもの” をつくるというマインドセットで進められたからこそ、満足いくものに仕上がった」と語ります。
そこで今回、セキュア 平本さまを交え、サイトリニューアルを担当したGIGアートディレクター・小林、ディレクターの瀬島と共に、本プロジェクトを振り返っていきます。
「一緒に悩んで、一緒につくってくれる会社」GIGの制作に対する姿勢が依頼の決め手
GIG小林:
あらためて今回のプロジェクトが始動するに至った背景、また抱えていた課題感について教えて下さい。
平本:
一番の根底にあるのは、サービスを利用するお客様にとって使いやすいUI/UXを目指したかったというのがあります。
我々が提供しているようなセキュリティ製品というのは、主に防犯目的に利用されることが多いのですが、基本的に何かあったとき以外は利用しないもので、普段使いするようなものではなかったりします。それゆえユーザーフレンドリーではない、わかりづらい管理画面の製品も多く、導入してそのまま放置されていることも起こりえます。
しかし、セキュリティ製品の肝は普段使いできるかどうかだと思うんですね。たとえば監視カメラも、ただ垂れ流ししているだけで、映像を見ていなかったら意味がないじゃないですか。
そこで普段使いしやすいUI/UXを目指し、何かあったときだけでなく、日々使っていただけるようなサービスにしていきたいと考えていました。
機能的にも、『SECURE AI Office Base』は職場のあり方が多様化するいまの時代に合わせて拡張していまして、いまであれば労務管理以外にも、職場の混雑状況であったり、マスクを着用しているかどうかを判断し通知を送るなど、コロナ禍においても普段使いしやすい機能を搭載しています。
そうした普段使いできる機能を利用し、より良い職場環境を構築してもらうために、UI/UXにこだわっていきたいと思ったのがキッカケでした。
▲ 『SECURE AI Office Base』サービスサイト
GIG小林:
様々な制作会社がある中で、今回GIGにご依頼いただいた理由を教えて下さい。
平本:
普段はデザインに関しては内製でつくっていたので、外部の制作会社に依頼するというのは初めてでした。しかしUI/UXを追求できる専門性を持ったメンバーがいないこと、またユーザビリティを高めていくためにも、セキュリティ製品提供者側の視点ではない、第三者視点を取り入れたサービス開発をしていきたいと思い、外部に依頼することにしたんです。
そんな中、一緒にお仕事を進めさせていただいている方から、「一緒に悩んで、一緒につくってくれる会社だ」とGIGを紹介してもらいました。私も、やるのであれば中途半端なものでなく、一緒にこだわって良いものつくりたいと思っていたのですが、たしかに過去実績などを拝見すると、GIGであれば任せられそうだなと。
そして実はGIG以外の会社にもいくつか見積もりを出してもらったりはしていたのですが、GIGは提案内容も良かったですし、「良いものをつくる」という制作に対しての姿勢がいいなと感じ、最終的にGIGに依頼することを判断しました。
▲ 本インタビューはリモート実施 | 右上:セキュア平本さま、中央下:GIG小林、左上:GIG瀬島
完全リモートで制作実施。アウトプットベースでの議論だったからこそ、スムーズなプロジェクト進行ができた
GIG小林:
UXデザインの5段階モデルという概念では、デザイン要素として「戦略」「要件」「構造」「骨格」「表層」の5つが要素段階があると言われていますが、今回のプロジェクトではすでに戦略が固まっていて、要件もほぼ決まっている状態。そこからいかに構造、骨格をつくり、最終的な表層を決めるかという流れで進めていきました。
特に今回デザインの対象となるのが、セキュリティ製品の管理画面ということで、構造、骨格の設計が非常に肝となるプロジェクトだったなと感じています。
GIG瀬島:
私が今回そういった設計まわりを担当させていただきましたが、取り組み当初は私たちが把握しきれていない遷移イメージや機能があったため、ワイヤーフレームを固めていく上で平本さまと一緒に要件の整理を進めていきましたね。
また「一回解錠」「連続解錠」など、セキュリティ製品特有の言葉が飛び交っていたため、そもそもで各機能がどういったものなのか、それに対してどういった操作ができるようにしなければならないのかなど、各文言の理解と機能の理解が難しかった点です。そうした細かい部分での認識合わせも密にコミュニケーションを取らせていただきました。
そして平本さまが仰っていた通り、目指すべきはお客様に普段使いしてもらえるサービス。単なるセキュリティのサービスをつくるという認識ではなく、「社員を守る」「会社を守る」「コロナから守る」といった、プラットフォームとしてオフィスの安全を守るプロダクトという認識で進めていったプロジェクトでした。
平本:
実際にいろいろサービスを触ってもらわないと、それぞれの機能や文言を理解しづらい部分も多く、また私が用意していた画面構成のたたきも抜け漏れが多くあったりと、瀬島さんにはご迷惑をおかけしたなと。
ただ、そうした抜け漏れに対してちゃんと指摘していただいたり、「この画面遷移ではよくないから、こうしましょう」といった提案をどんどんいただいたりと、プロダクトをしっかりと理解されていたので、非常に安心してプロジェクトを進めることができたなと思っています。
GIG小林:
今回は一度も対面でお会いせずに、すべてリモートでの制作進行でしたね。
平本:
対面での打ち合わせって、無駄な時間が生まれてしまうじゃないですか。そういったことが大事なプロジェクトもありますけれども、今回のような戦略や要件が決まっているプロジェクトは、フルリモートでの進行のほうが効率良く、やりやすかったなと感じています。
またFigma上でのワイヤーフレーム管理は、とても管理しやすかったです。実装する開発側にも、そのままFigmaのURLを渡して権限付与すればいいだけなので、非常に楽でした。
GIG小林:
今回のプロジェクトは、常に何かしらのアウトプットに対してディスカッションを行うということが多かったため、画面共有をして、皆同じ画面を見ながら集中してコミュニケーションをとれたのが良かったなと私たちも感じています。
また今回はロゴ制作もGIGで担当させていただきました。初期は幅広いタイプのロゴ案をご提案させていき、そこからどんどんブラッシュアップする形で進めていきましたが、いかがでしたか?
平本:
ロゴに関しては、いろいろな意見をお伝えしましたが、そういった僕の意見を汲み取っていただけたのが非常にありがたかったです。実際に僕の意見を踏襲していただけたことで、イメージしていた納得いくロゴに仕上がったと思っています。
対等な立場で良いものを目指してきたからこそ、満足いくデザインとなった
GIG小林:
リリース後、社内外から何か反響はありましたか?
平本:
社内からは、圧倒的に「見やすい」「使いやすい」といった意見が多かったですね。またボタンを角丸にしたりとデザインのトンマナが好評で、ユーザーフレンドリーな画面になったといった意見が多くありました。誰ひとり前のデザインのほうがいいと言う人はいなかったです。
そしてお客様からの反響も非常に良く、使いやすいといったお言葉をいただいていますし、利用時間を見てみても、平均して1日2時間も利用してもらえているんですね。機能が増えたからというのはもちろん、使いやすいUI/UXになったからこそ、目標としていた普段使いしてもらえるプロダクトになったなと思っています。
GIG小林:
今回のプロジェクトでは、私たち自身もあらためてデザインは目に見える表層だけでなく、しっかりと仕様を噛み砕き、その上で構造、骨格を設計することで、ユーザーに喜ばれるデザインに仕上がるのだなと感じるプロジェクトでした。
あらためて今回振り返ってみて、GIGに依頼して良かったなと思えることがあれば教えて下さい。
平本:
まず、基本的にレスが早く、対応も早くて、さらにはいろいろ提案していただけたりと、とてもやりやすいプロジェクトだったなと感じています。
また、外部パートナーに頼む理由というのは、自分たちにはできないことをやってもらうこと、そして違う視点を取り入れることができることだと思っています。そのため、僕が「こうしてほしい」と言ったものに対して、「いや、それは違う」と意見を言ってくれるかどうかが、良いものをつくる上では非常に大事だなと思っていて。
クライアントが偉いわけではないんですよね。ただ要望に応えるのではなく、発注側も受注側も対等に「良いものをつくる」というスタンスを持つことが重要。そういったマインドセットを持って取り組んでいただけたのが、GIGに依頼して満足していることです。
いまはコロナ禍の状況に対応すべく、さらに機能も増えてきました。そして普段使いできる機能を今後も追加していく予定で、もっともっと使いやすいサービスを目指していきたいと思っています。