上京するときに父の車で流れた曲が忘れられません。
Eric Claptonがボーカルとギターを勤めていたあのバンド。
Derek and the Dominosの「いとしのレイラ」です。
10数年前、22時ぐらいに父の運転する車で実家から出発することになりました。
出発間際にぼろくそに怒られ、車の中はとてつもない気まずい空気が流れていました。
田舎からこれから5-6時間かけて東京に行くのに幸先が悪すぎる。
しかも私は助手席、父は運転席、マジで降りたい、車から降りて歩いて行かせてくれ俺を独りさせてくれと神に願っていました。
その時、神が舞い降りました。
カーステレオからレイラが現れたのです。
ててててれててー ぎぅーんぎぅーんーん ててててれててー ぎぅーんぎぅーんーんつってレイラが来てくれたのです。
神というか、レイラというか、クラプトンが現れた?
「いとしのレイラ」はエリック・クラプトンが親友のジョージ・ハリスンの妻であるパティ・ボイドと恋に落ち、彼女に向けて書いたラブソングというのは有名な話です。
パティ・ボイド、検索してみてください。とてつもない美人です。
またペルシア人の詩人、ニザーミー・ギャンジャヴィーの詩「ライラーとマジュヌーン」にも影響を受けています。
「ライラーとマジュヌーン」は美しいライラにすんげえ恋をしたけど結婚を禁止されて狂人になってしまう青年の物語です。
クラプトンも親友の妻にイケナイ恋をしてしまい、「ライラーとマジュヌーン」に自分を重ねた心情をぶつけた曲に仕上がっています。
つまり片思いの曲です。不倫の曲とか絶対に言うなよ。
片思いのモヤモヤにしては一度聴いたら忘れられない特徴的すぎる激しいギターリフです。
曲調は激しく熱くレイラに恋焦がれてギターギュンギュンでレイラ!レイラ!叫び続ける前半と、
落ち着いたメロディで、そう念願が叶い付き合い始めて二人で穏やかな時間を過ごしているような気持ちになる後半のインストゥルメンタルに分かれています。
そして車内ではレイーーラ!ユーゴっとみーmsykネs!レイーーーーーーラ!とクラプトンが熱唱し、
デュアン・オールマンがスライドギターぎゅんぎゅんしていました。
かっこいいなあ、気まずいこの空気消えてくれねえかな、と思っていたら、
父親が「クラプトンはそんなに好きじゃないけどこのアルバムは認めている。スライドギターがいいんだよ。」と優しく話が始まりました。
車内は気まずさから家族の団欒に変わりました。
ありがとうお父さん。ありがとうクラプトン。ありがとうデュアン。
話していると後半の優しいインストゥルメンタルになりました。
当時はその後半に物足りなさを感じていました。
前半はこんなにも激しいのに後半はなんて退屈なんだろう。
と父親に聞いたら個人的に衝撃的な回答が届きました。
「後半の方が好きだ。西海岸ぽくていい。」
え、西海岸・・・?
西?えどういう事?西海岸とは・・・?
どういう事か教えてくれたのですが、「西海岸ぽい」という生まれて初めて耳にした感想としての西海岸というワードで頭がいっぱいだったことと、
70年代のロック事情と専門用語が当時理解できなかったため忘れてしまいました。
ちなみに今改めてエリック・クラプトンと西海岸で検索しても2011年のツアーしか出てきません。
西海岸とは・・・?と一つの話のネタになって10数年。
時は2020年
社内でSDGSの活動の一つでごみの分別とリサイクル業者についての情報共有会を行う事になりました。
ゲットイットでは買取した機器の中で在庫や販売が難しいものはマテリアルとして業者に販売されます。
回収された機器は解体され鉄、基盤、プラスチックなどに分けられ、リサイクル業者に販売されて新たな機器に生まれ変わっていきます。
今回の話題は企業活動で排出される産廃品や家庭ごみにのようなものについてです。
その中で社長が進めるうえでの全体感を共有しました。
それがこちら。
社長らしいといえば社長らしい。ゲットらしい全体感です。
・・・・・・・
気付きましたか?
僕は気付いた瞬間に背筋が凍り付きました。
西海岸!
なぜお前がここに!
10数年謎に包まれた西海岸が突然現れたのです。
おそらく「いとしのレイラ」とは違うニュアンスで現れてしまいました。
でもやっぱり分からないのです。西海岸に込められたメッセージ性が。
西海岸とは・・・?
あの時は頭が完全についていけませんでしたが、
今回聞ける場はSlack、言質が取れます。
そしてついに聞いてしまいました。
返信は期待してない雰囲気で質問を試みました。
そして数分後、返信がきました。
さあ答えてみろ!
なんせブランディングを意識して取り組まないと駄目だものなあ!
全体感を共有しないといけないものなあ!
俺に西海岸の答えを見せてみろ!
その答えは!