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博報堂出身CMOが、セールスの現場に立ち続ける理由とは?

マーケティング統括として多忙を極める、フラー株式会社CMO杉山 信弘。

しかし彼は、今もなお営業の現場に出続けているのだそう。その理由を聞いてみると、大手広告代理店の博報堂時代に得た教訓と、現在の事業への熱い想いに裏打ちされた、独自のビジネス必勝法が見えてきました。

杉山 信弘(すぎやま のぶひろ)

プロフィール:1989年生。神奈川県出身。中央大学卒業後、2013年4月株式会社博報堂に入社。関西支社にてメディアプランナー、営業として、大手製薬会社、 アパレルメーカーを担当。アパレルメーカーではデジタルアカウントの新規開発に貢献。2016年10月東京本社に異動となり、大手ファッション通販企業、 ゲーム会社を担当。2017年7月にフラーに参画し、執行役員CMO(最高マーケティング責任者 Chief Marketing Officer)に就任。 ユメはマーケティングの力で世界中に価値を届けること。

Twitter:https://twitter.com/nobuhiro0704

━━フラーではどんなお仕事をされていますか?

杉山:CMO(Chief Marketing Officer)をしています。

現在フラーには『アプリ分析支援事業(App Ape)』と『スマホビジネス共創事業』という二本の柱があり、私の仕事は、この両方についてのマーケティングを統括することです。

App Apeについては、事業責任者も担当しています。チームのマネジメントをしたり、事業そのものの方向性を決める役割です。

それから、営業の現場にも出ています。

━━CMOをやりながら、営業の現場に出ているんですか?

杉山:はい。もちろん、これには理由があります。

私はいわゆる意思決定を行う立場にいます。であるならば、お客様の課題を一番わかっている人間でなければならないと思うんです。どんな意思決定をするにしても、自分がどれだけお客様のことをわかっているかで勝負は決まります。

だから、『お客様を知る解像度』、これが上がり切ったなと思えるまでは、現場に出続けるつもりです。

━━でも杉山さんはCMO、マーケティングの担当者ですよね? 営業とマーケティングはまた少し畑が違う気がするのですが。

杉山:いえ、私は、二つの間に大きな違いはないと思っています。

現在のフラーの事業はBtoBです。BtoCではプロダクトを購入してくださっているのが誰なのかはっきりとはわからない場合が多いですが、BtoBでは明確です。意見だって直接聞けます。

つまり、市場についてのアプローチと顧客についてのアプローチが、本質的にあまり変わらないんです。スポットライトの当て方が違うだけで。

お客様の課題を正確に把握できる能力が必要という点においては、完全に同じです。営業もマーケも、お客様を知る解像度が上がれば、仕事のクオリティも絶対に上がります。

だから私は営業に行きますし、私以外のマーケ担当者も現場へ連れていく事もあります。

━━お客様への解像度が重要という考えは、どういった経緯で杉山さんの中に根付いたのですか?

杉山:博報堂時代の経験からですね。

広告代理店が売っているのはマーケティングという機能そのものです。様々な理由で社内のマーケティング機能が十分ではないお客様へ、マーケティングという商材を売る。それが仕事です。

しかし、例えばAという広告代理店もBという広告代理店も、Web広告を売ろうと思ったときに、リスティングであれ、Facebook広告であれ好きな物を提案できますよね?

『代理店』という性質上、AもBも基本的に使える武器はお互い同じで、商材というレイヤーでは差がつけられないんです。

そうなってくると何で勝負が決まるかといえば話は簡単で、お客様のことをどれだけ知っているかです。同じ商材でも使い方を変える、提案の切り口を変える、担当としてより信頼される、そういったことが差になります。

だから、広告代理店の仕事ではお客様を知る解像度、それを向上させることが最も大切になってきます。

ですがこれは、なにも広告代理店の仕事だけに限った話ではありません。マーケティングでもセールスでも、ほかのどんな分野だって、お客様を相手にするビジネスパーソンとしては、最も汎用的で強力な要素だと私は考えています。

━━お話しする様子を見ていると、広告代理店時代も情熱を持って仕事へ打ち込まれていたように見えるのですが、どうしてフラーへ?

杉山:たしかに、広告代理店の仕事はやりがいがあるものでした。職場環境はハードでしたが、アウトプットに対するプロフェッショナリズムが明確にあって、刺激的な場所でした。

ただ、私には「スマホで世界を変えたい」という想いがありました。広告代理店の仕事では、それはできそうになかった。

また、「自分でモノを作る人間と同じチームで働きたい」という気持ちがあったことも理由の一つです。

前職では、プロダクト、クリエイティブを作る人たちに対して「作ってもらう、発注する」という形でした。そうなると状況によって上下ができてしまったりして、同じチームという感じが薄かった。

だけど私は、そうではなくて、お互い対等に意見を言いながらプロダクトを作っていきたかったんです。

そんな思いを持っていたところに、フラー代表の渋谷から誘いが来ました。

━━フラーについては、杉山さん個人としてはどんな会社だと思われていますか?

杉山:これ、ちょっとぜひ語らせていただけたらなと。

私は、ベンチャーには2種類あると思っています。ミッション志向型とビジョン志向型です。

前者のミッション志向型は、「社会にはこんな課題がある、我々はこういった方法でそれを解決します!」という感じで、明確な果たしたい使命があるタイプです。

対して後者、ビジョン志向型は具体的に成し遂げたい何かがあるというよりは、「自分たちはこうありたい、こういう場でありたい」という思想や価値観の体現を存在理由にするものです。

前者か後者かというのは、会社としての意思決定の順序に影響します。極端に言えば、社員はある程度無理をしてでも果たすべき使命の遂行を優先するのか、それとも自分たちに合った価値観のもとで働くことを優先するのか、そこが違ってきます。

これは、どっちが良い悪いという話ではありません。ただ、どちらかというのならフラーは確実に後者です。

果たさなければならない使命が具体的にあるわけではなく、仲間がフラーで気持ちよく働いて、結果的に社会に良い影響を与えられればという考え方で動いています。ビジョンファーストなんです。

これは、弊社の社名からも見て取れます。弊社は、(現在は共創との二本柱ですが)もともとはApp Apeを屋台骨とする会社でした。でも、社名はApp Apeではないんです。サービスやプロダクトそのものを社名としていないというのは、ミッション志向型でなくビジョン志向型であるということの、一つのわかりやすい証拠だと思います。

━━代表に誘われてフラーへ入ったとのことなんですが、彼への印象はどのようなものですか?

杉山:先ほどの話に合わせて言えば、リーダー像は四つに分かれると考えています。ミッションを設定する人間、ミッションを実行する人間、ビジョンを設定する人間、ビジョンを実行する人間です。

その中で、フラー代表の渋谷はビジョン設定タイプでしょうね。もう一人の代表、櫻井はビジョン実行タイプ。なにをするかよりも、どうあるかが大事な会社です。代表からしてフラーはビジョン志向だと思ってます。

とはいえ、事業をやっていく上でミッション側の要素は必要になります。ちょうどよく、私はミッション実行タイプだった。うまく埋めていけるところだったのかなと思います。

しかし会社全体として、いまだにミッション設定の領域は弱い。事業を進めていく中で、そこを強めていかなければならないフェーズは必ず来ます。フラーは、ビジョンに共感して集まったメンバー全員でミッションを設定していく、そういうタイプの会社だと思います。

━━フラーはビジョン型、価値観を大事にする企業だということなんですが、具体的にはどのような?

杉山:私が思うフラーの価値観、あるいは文化というのは、大きく分けて二つあります。

一つ、儲かりそうでも自分たちが楽しくなかったらやらない。美学に反すること、倫理に悖ることをやらない。ちょっとグレーっぽいけど儲かる、みたいなことはやらない会社です。

それからもう一つは、社員みんながお互いの価値観を許容すること。会社としてすべて巻き取ることはできないけど、個人のそれを否定することはない。

平たく言えばみんな仲良く、なんですが、これは大人な仲の良さです。無理して巻き込まない、合わないのならお互いそっと距離を取る。無理な同質性はもとめません。

フラーはそういう会社です。

━━そんなフラーで働いたとき、セールスとしてのスキルアップ・キャリアアップという観点ではどのような利点がありますか?

杉山:お客様を理解し、パートナーとなり、課題があればソリューションを丁寧に提供する……この姿勢をまず学べます。まさに、最初にお話しした解像度のことですね。これはもちろん、App Apeに限らず共創事業でも同じです。

App Ape独自の要素であれば、ビッグデータ・SaaS・グローバルが揃っている事業が日本でほかにほとんどない点ですね。これを日本でやれるのは経験として貴重です。

グローバル軸の話をするなら、言語の壁さえ取っ払えば世界中で通用するようなスキルを学べるという点も挙げられるでしょう。今だと、少なくとも活躍の場所が7カ国あります。

ベンチャーだったらグローバルにやりたい。そう思っている人は、うちが似合うはずです。

また、共創の方ではお客さんと一緒に事業を作っていくので、ビジネスサイドの知識もつきます。新規事業をゆくゆくやってみたいと考える人には、すごくいいと思いますよ。

━━杉山さんの、これからの目標を教えてください

杉山:BtoBもいいのですが、いずれBtoCもやりたいです。

例えば、実家の母親が気づいたら使ってたくらいのものがいいです。使うのが簡単で、生活に浸透するようなものが理想ですね。できれば今まで、テクノロジーの恩恵をあまり受けられていないような人たちの生活がちょっと便利になったり、楽しくなったりすることが理想です。本当に『世界を変える』ってそういうことだと思うので。

━━最後に、現在セールスをされている方々へメッセージをお願いします

杉山:私がセールスの現場に行っているのは、お客様の解像度をあげるためとお話ししましたが、実はもう一つ理由があります。

私自身が、ほかの社員のベンチマークとなるためです。

これは、フラーではまだセールスの型と呼べるものが決まっていないという理由によります。

ですので、自分の型をもう持っている経験者の方にぜひ来てもらって、一緒にフラーのセールスを作り上げていけたら嬉しいです。

フラーはこれからも新しい事業をどんどんやり、状況がめまぐるしく変わっていきます。ですので、新しいことが好きな方、いろんな経験を積みたい方には、きっと楽しんでいただけるかと!

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