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フォースタートアップス(以下、フォースタ)のマーケティング担当・鈴木美紗(Misa Suzuki)。広告代理店の営業・プランナー、スタートアップのマーケティング担当として得た知見、経験をフル稼働して活躍中だ。現在は『STARTUP DB』に注力している。マーケティングの力でフォースタを大きくし、日本を変える決意で、日々の地道な活動をコツコツと積み上げている。
打てる施策をいかにフットワーク軽く実行し続けるか。地道なマーケティングの仕事
▲「STARTUP DB」にて行った調査がメディア掲載された際の様子(右が鈴木)
「私にとってマーケティングは、泥臭い仕事を直向きに実行するプロダクト・サービスの黒子だと思っています」と鈴木は言う。オープンイノベーションチームのマーケティング担当として入社し、現在は「STARTUP DB」のマーケティングを一手に担う。「STARTUP DB」の認知を高め、STANDARD会員(無料会員)の数を増やす。そして、ENTERPRISE契約への問い合わせ件数の増加につなげることを目指し、さまざまな施策を講じる。その先の商談、契約はセールスの役目で、そこに至るまでの見込み客を見つける、つまり”リード獲得”が鈴木の役割だ。
「まず『STARTUP DB』がターゲットとしている投資家、事業会社にとって使いたいと思っていただけるプロダクトであることを伝えないといけません。また、どうしてこのプロダクトが世の中に必要なのかを伝えていく。そのために、投資動向レポートなどのホワイトペーパーを発行し、メルマガを出し、セミナーを開催し、広告も自分で運用します。そしてその裏では、分析ツールを使って訪問者のWebサイト内の動きを調べ、ページを見た人の関心を引くようにサイトの改修をして…。ここまでやって少しずつ増えてくるというくらいの地道な仕事です」と鈴木。将来は、世のほとんどの投資家が使い、必要不可欠なインフラとなることを目指す。その道のりは始まったばかりだ。
「たとえば数十年にわたるロングセラー商品なら、実績に基づき、次はこうしようという戦略があります。でも『STARTUP DB』はローンチしたばかり。仮説を立てて反応を見るほどのユーザーの反応も、まだありません。まずは『とりあえずこれをやってみよう』を、どれだけフットワーク軽くやりつづけられるか。そこを私は重要視しています」。こうして鈴木はパワフルに、試行錯誤しながら施策を繰り出す。一人でできることもあれば、社内調整が必要なものもある。調整、説得も粘り強く進めていく。
モチベーションの源泉の一つは、「STARTUP DB」が価値あるプロダクトだと信じていること。ただのデータベースではない。投資家、事業会社とスタートアップをつなげるプラットフォームになるものだ。類似の製品にはない「差異」が、しっかりと「価値」として届くように、ターゲット層が何を求めているのかを探る。
広告代理店、SaaSスタートアップのマーケティング担当を経てフォースタへ
▲前職の同僚たちとの飲み会(右中央が鈴木)
マーケティング担当として自立自走する鈴木は、これまで意志をもって転職を重ね、自分に必要なキャリアを獲得してきた。最初は、データプラットフォームの会社で、新規開拓を含む広告代理店向けの営業を担当し、その後、外資系の広告代理店に転職。広告運用、プランナーと業務の幅を広げるが、2年半で再び転職する。「代理店で広告を通してクライアントさまの課題解決することにやりがいを感じていました。しかし、インハウスで売上や会社・サービスの目指す先からブレイクダウンした上で戦略を作り、広告を打ったり、サイトを改善したり、よりさまざまな手段でじっくり課題解決ができるようになりたいと考えたのです」。
移った先は、HR系のSaaSを展開するスタートアップだ。ここでプロダクトのマーケティングを一手に担うことになった。BtoBのSaaSのマーケティングで、今の仕事に近い。セミナーや外部カンファレンスへの出展、広告、コンテンツ制作、サイトの分析・改修など、さまざまな施策を立案・実行した。SaaSのマーケティング全般を担う貴重な経験を得た。大好きな会社だったが、事業会社にいつつも幅広いサービス・事業に携わりたいと次のステップに進む決意をし、フォースタに来たという経緯だ。
入社した2021年11月は、2022年1月開催のフォースタ主催の成長産業カンファレンスを控えたタイミング。最初はカンファレンスのマーケティングを担当し、終わったところで「STARTUP DB」に移った。「いずれはオープンイノベーション事業に関わるマーケティングだけに留まらず、タレントエージェンシー本部のマーケティングにも関われるかもしれません。成果を上げればチャンスがあるし、チャレンジする機会が沢山ある会社。この会社で何者かになれると思いました」。
ホワイトペーパー、セミナーなどで徐々に成果。やりたいことはまだまだある
▲アクセラレーション本部にて親睦を深めるために行った一日研修の集合写真(中央左が鈴木)
こうして鈴木はフォースタに入り、意欲的かつパワフルに仕事に取り組んでいる。試行錯誤の連続だが、次々と繰り出す施策は少しずつ成果を上げている。「ホワイトペーパーは今年から発行し始めましたが、ダウンロード数はすでに4桁に達しています。それまでは潜在層の情報を得る手段に乏しかったのですが、さまざまな内容を扱うことでニーズも見えてきました。もちろん、それがすぐ商談につながるほど簡単ではありません。でも、このあとどれだけサービスに興味を持ってもらえるか、セールスと一緒に何ができるかと、次の打ち手を考えられるようになっています」と鈴木。着実に前に進んでいる。
現在、ホワイトぺーパーは、STANDARD会員になるといつでも見られる形に変え、会員登録の動機付けにもなっている。また、併せて会員限定のセミナーも公開した。代表の志水雄一郎がファシリテーターを務め、渾身のゲストを呼んだ。「STARTUP DB」の魅力発信にとどまらず、フォースタとして最適なアウトプットを考えて制作した。「錚々たる方々に出演していただきました。『フォースタだからできる』という記事、セミナーを作りたいという気持ちで取り組んでいます」。
「STARTUP DB」だけではない。鈴木は、事業会社やCVCとスタートアップを結び、イノベーションを起こそうと試みる資金調達支援チームとも関わっている。同チームへの問い合わせ数も、鈴木が追求している数字だ。鈴木は言う。「資金調達支援チームも含めた、私たちが目指す将来像を実現するには、まず『STARTUP DB』の会員数を増やさなければいけません。会員数の充実と機能の充実が両輪で進んでいくように、『会員集めは任せて』という気概で取り組んでいます。やりたいことはたくさんあります。一つずつ実現できたらいいと思います。また、一緒に取り組むマーケティングの仲間が増えていけばどんどんできる事の幅も深さも追求できます。フォースタのマーケティングチームという組織をこれから作っていくことにも挑戦していければと思っています」。
日本の未来のために何かしたい。同じ思いの仲間と共に頑張ろうと決意。
▲月間MVT(Most Valuable Talent)を受賞した際の写真
壁にぶつかることもあるが、鈴木は今の状態を「私の社会人歴でいちばんノンストレスで働いています」と言い、その理由を考察する。「チームで動こうという気持ちが強い会社だからだと思います。前職は社長直下で正社員のマーケティング担当は一人、外資系の会社にいた時は個の力が強く、良くも悪くも個人事業主の集まりのような会社でした。なので、チームとして働きたい思いはずっと持っていました。フォースタでは、たとえば小さなことを決めるのにも『マーケのことなら鈴木さんに聞かきゃ』と言って、私を混ぜてくれます。その一言が嬉しい。ヒューマンキャピタリストの皆さんも、何かにつけ聞きにきてくれるし、私からも気軽に相談します。会社全体がそうです」。
地味、地道と繰り返し言う仕事も、実は、周りはしっかりと見ている。鈴木は、社員相互の投票による月間MVT(Most Valuable Talent)を2022年8月、2023年1月に2回受賞した。
「まだまだアクセラレーション本部のメンバーは少ない社員数です。タレントエージェンシー本部の方々も入れてくれたのでしょう。認められたことがすごく嬉しく、やりがいに思いました。また、2回受賞したことでその場限りではなく、社内での”マーケティング”のポジションが全社に浸透してきていると実感しています。おめでとうと口々に言ってくれて、愛も感じました」。
前職までは成果がやりがいだった。見てくれていることや、チーム感に対してやりがいを覚える経験は初めてだ。「みんなのために頑張りたい。『STARTUP DB』のマーケティングはまだまだ立ち上げフェーズ。ありがたいことにご利用いただく企業様も増えてきており、マーケティングに投資できるフェーズがまさに今。新しく挑戦できるチャンスは山ほどあります。この『STARTUP DB』を立ち上げ、オープンイノベーション事業のマーケティングがまわる仕組みを作った後は、タレントエージェンシー本部のマーケティングも、いずれ絶対やりたい。そう思いました」。鈴木のモチベーションは上がるばかりだ。
思い返すと入社前の面接では「このままでは日本が危ない」と言われ、面食らった。「だけど、確かにそうだと思いました。学生時代、海外に留学していたのですが、そのときに漠然と自分は日本が好きで、日本のために何かをしたいと感じていたことを思い出しました。当時は体現する術を知らず、その志も忘れていました。面接をきっかけに思い出し、今はここで同じ思いをもつ仲間と頑張れる喜びを感じています。長い道のりになるかもしれませんが、私がここにいることが意味あるものになるのではないかと思っています」。そんな思いとともに、鈴木はこれからも地道に熱くまい進する。