株式会社Final Aimは、「新産業・新文化創造」をミッションに、企業の制作・デザイン・クリエイティブ部門が生成AIを活用する際の知的財産やセキュリティ上のリスク低減を支援する、自社開発プラットフォーム「Final Design」を提供しています。ヤマハ発動機やHondaをはじめ、製造業を中心とした大手企業への導入を進めてきました。
社内には、大手企業出身のメンバーから、海外での実務経験を持つメンバーまで、バックグラウンドも国籍も多様な人材が集まっています。今回は、バックオフィス業務を軸に、法務、労務、人事、採用、PR・マーケティング、営業支援、経理、資金調達関連まで幅広くFinal Aimの組織を支える、上(かみ)に話を聞きました。
<プロフィール>
上 朋子(かみ ともこ)
株式会社Final Aim / Corporate Planning Manager
大学卒業後、株式会社伊勢丹に入社し、新宿本店にて婦人服を中心としたマーチャンダイジングに従事。その後プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(現P&Gジャパン合同会社)にて、プロフェッショナル向けヘアケア・スタイリング等のマーケティングを担当。マネージャーとして各国拠点と連携しながらブランド経営を牽引。フリーランスを経て、Final Aimに参画。
伊勢丹からP&G、そしてFinal Aimへ。常に新しいことを学ぶ先でたどり着いた活躍の舞台
―まず、自己紹介をお願いします。
新卒で伊勢丹に入社し、婦人服のマーチャンダイジングを一通り経験しました。その後P&Gに転職し、美容室向けのヘアケア関連商品のマーケティングを担当。結婚・出産に伴い1度仕事を離れた後、フリーランスとしての働き方を経て、Final Aimに参画しました。現在は、経営企画として幅広い業務を担当しています。
―伊勢丹からP&Gへの転職までの経緯を教えてください。
就職活動中は、正直「絶対にこの業界で働きたい」というこだわりはなく、幅広い業種の説明会に足を運んでいました。その中で、「百貨店はキャリアも百貨ある」という言葉が響いた覚えがあります。具体的なキャリアを描けないなら、まずは広く経験が積める会社に就職するのがいいかな、と。また、就職氷河期当時に伊勢丹と高島屋の内定がすぐに出たので、自分にはこの業界が合っているのかもしれないと感じたのも理由のひとつです。
社会人としての基礎や、マーチャンダイジングについて学ぶことができた伊勢丹時代ですが、次第に、より一つひとつの商品にじっくり向き合いたいと思うようになり、メーカーへの転職を決めました。外資を選んだのは、伊勢丹で同じ部署に配属された同期から「外資の方が合っているんじゃない?」と言われたのがきっかけです。単に私が帰国子女だからそう言ってきただけかもしれませんが……。
―P&Gではどのような経験をされたのですか。
美容室向けのヘアケア関連商品のマーケティングを担当しました。消費者だけではなく美容師の方々を対象にしたマーケティングを行う必要がある、P&Gの中でも少し特殊なビジネスユニットだったと思います。
外資系企業だと、外部から実績ある人材を集めるイメージを持たれる方もいるようですが、P&Gは徹底した内部昇進制。質・量ともに充実した各種トレーニングだけでなく、日々の業務も学びの連続でした。
自分の市場価値が上がっていくことを実感できるのはもちろんありがたいことですが、それ以上に学ぶこと自体が純粋に楽しかったのを覚えています。
P&Gを離れてだいぶ経ちますが、そのPVP(Purpose, Values, Principles)は今の自分の仕事の仕方に影響していると感じています。
―P&Gを経て家庭に入り、その後フリーランスを経てFinal Aimに参画された経緯を教えてください。
夫の仕事や育児との兼ね合いもあり、しばらく専業主婦を続けていたのですが、少し時間に余裕ができたので、自宅近くで短時間での仕事から始めました。しばらくして、自分で場所や時間を調整しやすいフリーランスの働き方に移りました。いくつかの企業から、マーケティングやPR、バックオフィス業務を請け負う中で、知人からFinal Aimを紹介されたんです。
最初、Final Aimとは1日1時間程度の契約だったため、他社の仕事も並行して受託していたのですが、各社の業務量が徐々に増えていき、どこか1社にまとめて集中した方がいいと考えるようになりました。当時、Final Aim以外の企業からもフルタイムで、との声をかけていただきましたが、この先の自分の成長を1番実感できそうなFinal Aimを選びました。
気づけば法務も資金調達も。成長の機会が与えられる環境
―成長を実感できそうだと感じたのは、どんなところからですか。
知らないことがたくさんあり、難しいと感じる場面が多かったからです。難しい分、それを乗り越えた後には自分が1段上の段階に行けているはずだという感覚がありました。会社自体も成長に伴いどんどん変わっていきますし、AIという業界自体も日々変化していきます。そのスピードに自分も適応し続けなければいけない環境だからこそ、成長のスピードも他の環境より速いのではないかと感じています。
―この業界ならではの面白さを感じた場面はありますか。
以前、PRやマーケティングの実務に関わることについて、この業界の経験がない自分に務まるとは思えないと、朝倉さん(注 Final Aim CEOの朝倉)にかなり真剣にお断りしたことがありました。そのとき、「マーケティングの経験に加えて、生成AI×知財というこの新しい業界での十分な経験を併せ持つ人はいない」と言われたんです。裏を返せば、今この経験を積んでいくこと自体が、他にはない自分の強みになるのかもしれません。
また、現状Final Aimにとって完全な同業と言える競合他社はほぼなく、まずはこの領域の存在や重要性自体を知ってもらうところから始まる世界なので、そこには難しさとともにやりがいを感じています。
―Final Aimに入ってみて、イメージが変わったことはありますか。
設立から5、6年経っていたので、体制がある程度整っているイメージを持っていました。しかし実際に入ってみると、世の中の変化のスピードも、組織の成長のスピードも速く、体制はまさにこれからつくり上げていく段階で、新鮮な驚きがありました。
―現在、上さんが担っている役割について教えてください。
もともとは1日1時間程度のバックオフィスのお手伝いという形で入りましたが、現在はフルタイムとして幅広い業務を担当しています。
バックオフィス業務が軸ではあるものの、法務、労務、人事、採用、PR・マーケティング、営業支援、経理、資金調達関連まで、非常に幅広く携わっています。中でも、資金調達関連の業務については、参画時には全く想定していなかったものでした。Final Aimの本社はアメリカなので、調達の際も日本とはまた異なるスキームですし、そもそもこれまで調達関連の業務に携わった経験がないため、よく言えば学びの連続ですが、正直毎日苦労しています。
―役割が広がっていくことについて、どのように感じていますか。
基本的に食わず嫌いはせずに、なんでも一旦は引き受けるというスタンスでいます。新しいことに取り組んで、新しいことを覚えられるのは、自分にとってプラスですし。
一方で、1人がなんでも担当するというのは、どうしても属人的になってしまうので、リスクであるとも言えます。今後企業としてスケールしていくためには、段階的にR&R(役割分担)を整理していく必要があると感じています。
―組織としての今の課題は、その役割の整理に近いところにあるのでしょうか。
そうですね。今は少人数のスタートアップとして、全員がある程度全部をカバーしながらマンパワーで進めている状態です。今の段階ではむしろこれで良いのですが、これから会社を大きくしようと思うと、オーガニゼーションビルディング(組織づくり)はひとつの大きな課題になってきます。そういった背景もあって、一緒に成長していける人を募集しているところです。
学びに終わりがない環境で、変化を面白がれる人と一緒に歩んでいきたい
―組織の仕組みをつくっていく段階には、大変さと面白さの両方があると伺いました。
この1年を振り返ってみても、社員・フリーランスを問わず、毎月のように新しいメンバーが加わっている状況です。それに合わせて、組織の仕組みづくりも調整しながら進めなくてはなりません。また、資金調達の段階が進んでいく中で、企業としての健全性と持続可能性に対する外からの目がより厳しくなってきますので、そういった意味でも、社内体制をきちんと整えていく必要があります。
整備が進んでいく過程に直接携わり、変化を1番近くで見られるのは、とても面白いですし、やりがいもありますね。
―今の組織の雰囲気は、どのように感じていますか。
比較的落ち着いたメンバーが多い組織だと思います。大企業でのマネジメント経験を積んできた人も多く、組織運営や人との関わり方、仕事の進め方について、しっかりとした基盤を持っています。小さな組織では、ともすると社内のルールがあいまいになり、コンプライアンスのリスクが発生しがちですが、その点において心配することなく働ける環境だと感じています。
―今のメンバーだけでも十分に頼りになる方が揃っているように感じますが、そのうえで新しく入るメンバーには、どのようなことを期待していますか。
今のメンバーは、経営を担う朝倉さんや横井さんをはじめ、それぞれの分野で頼りになる人ばかりです。ただ、今のままでは、この先の進化にはつながらないと考えています。
単純に人数を増やすだけではなく、新しい人が加わることによって起きる化学反応が、組織をさらに前に進めていくためには必要です。さらに大きな目標を目指していくのであれば、組織として長く続いていくための仕組みをつくることも欠かせません。
―今、Final Aimで働いていて、1番面白いと感じるのはどんなところですか。
学びに終わりがないところですね。会社も業界もどんどん変わっていくので、変化に対応し続けることが求められる世界だと感じています。苦しい分、自分は成長しているはずだと思っていて、実際に1年前の自分と比べて、知識もできることも増えている実感があります。特にフルタイムで関わるようになってからは、アクセスできる情報も増え、さらに広く深く知識と経験を積むことができる環境になりました。
新しく加わるメンバーの国籍やバックグラウンドも多様になってきていて、そうした変化も個人的に面白く感じています。
―最後に、これから一緒に働く人に向けて、どんな人と働きたいか教えてください。
これまでのやり方や考え方に固執せず、新しいものが出てきたらまず試してみようと思える人と働きたいですね。Final Aimは変化のスピードが速く、会社も業界も日々アップデートされていきます。そのスピードを前向きに楽しめる人であれば、それだけ得られる学びも多く、成長のスピードも速いはずです。そうした変化を面白がれる人と、一緒に会社をつくっていきたいと思っています。