多種多様な個性やカルチャーが交差するFIKAで、日々生まれる「予期せぬ出会い」にスポットを当てるインタビュー連載。今回は、UNPLAN Fukuokaでツアーやイベントの企画・プロデュースを担う田中創史さんにお話を伺いました。
大学を休学して挑戦したベトナムでのインターン、フィリピン・セブ島での語学学校勤務、そして帰国後の宮崎への移住。20代を旅するように駆け抜けてきた田中さんが、30代を迎え、次のステージとして選んだのがFIKAでした。
「20代が自分自身の価値観を広げる時間だったとすれば、30代はその経験を誰かのためにかたちにしていく時間にしたい」と語る田中さんは今、自分が移動するのではなく、世界中から多様な人々が集まる場をつくることで、ゲストの記憶に深く残る特別な体験を届けようとしています。
溢れる好奇心を原動力に、福岡の地で唯一無二の「場づくり」に熱中する田中さんに、これまでの歩みと仕事に懸ける想い、そしてこれから目指す未来について伺いました。
「20代は広げる、30代はかたちにする」──旅するように生きてきた先で見つけた居場所
ー田中さんはFIKAに入社する以前、どのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?
田中:前職では宮崎県の自然体験型レジャー施設でマネージャー的な業務を担当していましたが、それ以前はいろいろな場所を転々としていました(笑)。
僕は今31歳なのですが、振り返ってみると、自分の行動にはずっと一貫した軸があったように思います。それは「知らない場所へ行くこと」「新しい環境に飛び込むこと」、そして「自分とは違う価値観を持つ人と出会うこと」です。
大学に入るまでの約10年間は野球一筋でしたが、大学入学後は夢中になれるものが見つからず、「将来どんな仕事をしたいんだろう」と悩む日々が続きました。そんなとき、夏休みに3週間ほどカナダを訪れる機会があり、この経験をきっかけに「自分の知らない場所や価値観に触れられる仕事がしたい」と考えるようになったんです。
ただ、当時はそれが具体的にどんな仕事なのかわからなかったので、まずは自分の興味を確かめようと大学を1年半休学し、ベトナムで海外インターンに挑戦しました。現地企業で働きながら、異なる価値観を持つ人たちと過ごす毎日は本当に刺激的でした。
帰国後に大学を卒業し、「まずは日本で働いてみよう」と新卒で就職しましたが、実際に働いてみると、日本の働き方や都会での暮らしがどうも自分には合わないと感じてしまったんですね。そこでやっぱり海外で働こうと思って、フィリピンのセブ島にある語学学校へ転職を決めました。そこでの約1年半は、新しい国で多様な価値観を持つ人たちと働く、本当に充実した日々でした。
ところが、そのタイミングで新型コロナウイルスが流行し、仕事の先行きが見えなくなって。このタイミングでまた新しい環境で次の挑戦をしてみたいと思うようになりました。帰国後は地元の福岡に戻ることも考えましたが、「せっかくなら、まだ暮らしたことのない場所へ行こう」と思い立ち、宮崎へ移住して自然体験型レジャー施設で働くことに決めたんです。
ー話を伺っていると、一つの場所にとどまるより、いろいろな場所へ行きたいタイプにも見えます。なぜFIKAへ転職しようと考えたのでしょうか?
田中:もちろん今でも旅は好きなのですが、3年前に結婚したこともあり、自分一人が世界中を転々とする生き方は少し違うかなと感じるようになったんです。20代が「自分自身の価値観を広げる時間」だったとすれば、30代は「その経験を誰かのために形にしていく時間」にしたいと考えるようになりました。
そんなときに出会ったのがFIKAです。単なるホステルではなく、人と人との出会いを大切にし、そのきっかけを生み出している会社だと知り、「ここなら自分がやりたいことを実践できる」と感じました。
さまざまな価値観を持つ人たちが自然と集まり、お互いの違いを知り、新しい出会いが生まれるような場をつくれたらな、と。そうすれば、自分が移動しなくても、新しい価値観が向こうから集まってきますから。
「自分が欲しかった場所を、自分の手で」──原体験から生まれた、場づくりへの想い
ー田中さんが「場づくり」に強く惹かれるのは何か理由があるのでしょうか?
田中:僕の地元は福岡県の海苔漁が盛んな地域なんですが、人との距離が近く、コミュニティの結びつきが強いという魅力がある一方で、少し違う価値観を持っていると生きづらさを感じることもありました。僕自身、子どもの頃は「早く地元を出たい」と思っていた時期があります。
でも、海外で暮らし、日本では当たり前なことが当たり前じゃない場面をたくさん経験したことで、自分が知っていることがすべてでないと気づいたんです。世の中には本当にいろんな考え方や見方がある。それを知ってからは、自分の価値観もどんどんアップデートしていきたいと思うようになりました。
それと同時に、子どもの頃や学生時代に、さまざまな価値観を持つ人と自然に出会える環境があったら、もっと世界が広がっていたんじゃないかなと思うんです。
ー田中さん自身が「こんな場所があったらよかったのに」と思う場所を、自分でつくろうとしている感覚なんですね。
田中:そうですね。だからこそ、同世代や、それより若い世代に向けて、新しい出会いや経験のきっかけを届けたいなって。
実は宮崎に住んでいた頃、仕事とは別に友人たちと音楽フェスを企画したことがありました。宮崎のような地方では、都会では当たり前に触れられる音楽やアートに出会う機会も限られています。それなら、自分たちでそうした機会をつくってしまおう、と。
結果的には150人ほどが集まるイベントになりましたが、あの経験を通じて「誰かを待つのではなく、自分たちで場をつくることができる」という実感を得られたことが、一番大きな収穫だったと考えています。
「旅の思い出は、場所よりも人に残る」──旅した日々が教えてくれたこと
ーFIKAに入社してから取り組んだ仕事で印象に残っているものはありますか?
田中:福岡では「博多祇園山笠」という有名なお祭りが夏に開催されるのですが、ゲストを案内する企画を担当したのが印象に残っています。
事前募集に応募してくれた10人ほどのゲストと一緒に足を運んだのですが、「ホテルに泊まるだけではできない体験ができた」とすごく喜んでもらえて。自分がやりたかったことを形にできたと実感できた瞬間で、大きなやりがいを感じました。
ー企画を考えるうえで大切にしていることはありますか?
田中:こちらが一方的に何かを提供するというより、その場で参加者同士のつながりが自然と生まれることを大切にしています。たとえば、長浜エリアの屋台を巡るツアーを毎週水曜日に開催しているのですが、屋台の歴史を紹介するだけでなく、一緒に食事を楽しみながら自然と会話が広がるような雰囲気を意識しています。
ーそうした出会いを大切にするようになったのは、ご自身の経験も影響しているのでしょうか?
そうですね。僕自身、バックパッカーとしていろいろな国を旅してきましたが、今でも鮮明に覚えているのは、観光地そのものよりも、旅先で出会った人たちとの会話や一緒に過ごした時間なんです。
そうした経験があったからこそ、自分も誰かにとって、旅の思い出として残るような出会いを生み出したいと思うようになりました。UNPLAN Fukuokaで偶然の出会いが積み重なり、その土地や旅がより特別な思い出になってくれたら嬉しいですよね。
ーでは、FIKAで働く中で自分自身が変化したと感じることはありますか?
まだ入社して1年半くらいなので、客観的に大きく変わったと言えるかはわからないですが、毎日いろんなゲストと出会う環境で働いてみて、自分はこういう仕事が好きなんだなとあらためて実感しました。自分がこれからやっていきたいことや、大切にしたい価値観が、以前よりもはっきりした感覚があります。毎日すごく楽しく働けていますね。
ーそうすると、この1年半はこれまで以上に仕事に熱中できている感覚がありますか?
自分がやりたかった「場づくり」を仕事として実践できているので、かなり熱中していると思います。
入社前に想像していた以上にゲストとの距離も近いですし、福岡はインバウンドも増えていて、世界中からいろんな人が訪れます。そうした方々と日常的にコミュニケーションを取れることはすごく楽しいです。
「一人ひとりの記憶に深く残る体験を生み出したい」──FIKAをリードする企画のプロフェッショナルを目指して
ー今後のキャリアについては、どのように考えていますか?
田中:これまでマネジメントのような役割も経験してきましたが、自分は人を管理する立場よりも、プレイヤーとして現場で動くほうが向いていると感じています。
自分でツアーを企画し、ガイドをして、ゲストに楽しんでもらう。そうした仕事のほうが、自分らしく力を発揮できるんです。
だから今後は、イベントやツアーの企画・プロデュースを自分の強みにして、その分野をリードできる存在になりたいです。FIKAだからこそできる体験を生み出せる、企画のプロフェッショナルを目指しています。
ーこれから挑戦したいこともありますか?
田中:入社した当初は「偶然の出会いが生まれる場をつくりたい」という漠然としたイメージしか持てていなかったのですが、今は一人ひとりの記憶に深く残る体験を届けたいと考えるようになりました。
僕自身、海外で暮らした経験があるからこそ、日本を訪れる人には、観光だけではない、もっと深い日本の魅力に触れてもらえたらと思っています。
そのためにも、宿泊だけではなく、地域を深く知ってもらえるような新しいツアーや体験プログラムづくりなどを充実させていきたいですね。そうした経験を通じて、自分自身も成長しながら、ゲストに「ここへ来ると何か面白いことがある」と感じてもらえるような場所をつくっていきたいと思っています。その積み重ねが、自分が目指している「偶然の出会いが生まれる場づくり」につながっていくと思うので。
ー最後に、FIKAにはどんな方が合うと思いますか?
田中:僕のように、知らないことをもっと知りたいと思える人や、好奇心を持って新しい環境に飛び込める人には、とても良い環境だと思います。
FIKAには前向きなメンバーが多いので、一緒に働く中で自然と刺激を受けられます。海外出身のスタッフも多く、日々のコミュニケーションや仕事を通して、多様な価値観に触れられるのも魅力の一つです。
さまざまな経験を積みながら、自分自身をアップデートしていきたい人には、すごく合っている会社だと思います。
(文:村上広大/編集:藤村侑加)
\オープンポジション募集中!/
「自分の経験が活かせるかも」「ちょっと話を聞いてみたい」など、
少しでも興味を持ってくださった方は、下記リンクよりお気軽にお問い合わせください!
