こんにちは。デザイン開発部デザイナーの勢井です。
フェンリルでは、毎年自社で制作したノベルティを、クライアントやお世話になっている方々へお送りしています。

〈過去のノベルティ制作のストーリーはこちら〉

今回制作したノベルティは「備え梅」。
いつものノベルティよりちょっと特別なプレミアムノベルティです。
制作の裏側について、詳しくご紹介いたします。

「備え梅」とは

箱の中に入っているのは株式会社バンブーカットの「備え梅」4個。「備災」をコンセプトにした梅干しです。開発されたきっかけは、災害時に歯磨きや食事が困難になり、唾液が出なくなって体調不良になる人がいたことでした。梅干しは幻の梅と呼ばれる「杉田梅」で、梅干し職人の方がお一人で日本古来の製法を用いて作っています。

グッドデザイン賞を受賞した人気のプロダクトで、他社からの引き合いが多く、コラボを求められる声も絶えない備え梅。今回、フェンリルのクリエイティブに対する思いに共感いただき、ノベルティとしての提供をご快諾いただきました。
いつもと変わらない生活を送り、笑顔で時間を過ごせるように。フェンリルが、お客様のことを大切に思う気持ちを込めて「おいしい非常食」をノベルティとして制作しました。

パッケージの設計

パッケージはデザインセンターでアイデアを募集し、フェンリルで一から設計しました。

集まったアイデアをブラッシュアップしながら、パッケージデザインについて下記の要点をまとめました。

• 「備え梅」のコンセプトを受け継ぐデザインであること
• 非常食ながらも生活になじむデザイン
• お客様に感謝の気持ちやワクワク感を伝えられるデザイン

これらを踏まえ図面の作成に取りかかりました。
アイデアを図面に起こし、プリントアウト。プリントアウトしたものをさまざまな用紙に重ね、カッティングし組み立てます。

実際に組み上げるとたくさんの課題が目に見えてきます。
ひたすら試作を繰り返し、見つけた課題を図面に反映させる作業を繰り返しました。

結果、パッケージの色はグレーや白を基調とし、戸棚や本棚に置いていても違和感のないシンプルなパッケージに仕上がりました。
塩分やクエン酸が豊富な梅を、登山やトレッキングなどのアウトドアでも持ち運べるよう、鞄の中に納まるサイズに。期限内においしく食べていただくために、パッケージの見やすい位置に賞味期限を記載しました。
また、ノベルティを受け取ったお客様にワクワクを感じてもらいたいという願いを込めて、箱を開けた時に、中身が飛び出してくるような設計にしています。

私は元々パッケージデザインを得意とする印刷会社に勤めていて、何十種類ものパッケージを設計してきましたが、今回の箱はかなり特殊な作りでした。

お客様の幸せに思いを込めて

中身の梅は緑・黄色・赤の3色の巻紙をまとっています。この3色は、お客様との関係も成熟していってほしい、という思いを込め、熟れていく過程の梅の色になぞらえています。
3色の備え梅を、3年にわたってお客様にお渡しします。1年を無事に過ごせたら次の梅をお渡しし、1年を幸せに過ごす喜びを分かち合いたいと思います。

制作を終えて

フェンリルからお客様への思いがこもったノベルティができたと思います。
お渡ししたお客様から、中身の梅のおいしさはもちろん、パッケージのデザインも「フェンリルらしい」とご好評をいただくことができました。
想定していた数量を上回る量のリクエストをいただき、現在追加で制作しています。

備え梅はフェンリルのコーポレートサイト内「デザインストーリー」でもご紹介しています。
ぜひご覧ください。
https://www.fenrir-inc.com/jp/about/sonae_ume/