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会社の組織風土を変えていくには?f4samurai流バリュー(行動指針)の作り方、広め方

f4samuraiという会社でCTO兼CHROをしている松野です。

皆さんの会社に、バリュー(行動指針)はありますか? ある会社、ない会社、あっても「バリューを覚えていない」という方もいらっしゃると思います。逆に、人事部門にいてバリューの浸透に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

f4samuraiでは、現在働く上での指針となるバリューの策定に取り組んでいます。きっかけは「社風やムードが良くない」というマイナスの状態を、どうにかしたかったから。

f4samuraiのバリューをどのように作り、どのように社内に広めようとしているのか、その試行錯誤を率直に書いてみたいと思います。「組織の風土を変えたい」「いい雰囲気の組織で働きたい」と思っていらっしゃる方や、未来のf4samuraiの仲間となる方の、何かの参考になれば嬉しいです。

僕の自己紹介noteはこちら↓


目次

  1. きっかけは「社風やムードが良くない」という課題
  2. バリューを決めることで会社の雰囲気が変わる
  3. 重要なのは「何が大事ではないのか」を決めること
  4. f4samuraiのバリューの根底は"仲間と一緒に困難を乗り越えていく「楽しさ」"
  5. みんなで作ったバリューは6項目に決定
  6. バリューが日常生活に馴染んでいくために
  7. いろいろな角度からバリューを浸透させる取り組みを
  8. 積極採用中

きっかけは「社風やムードが良くない」という課題

はじめに、バリューを作ったきっかけについて書きたいと思います。

2018年ごろ、経営状況は決して苦しかったわけではなかったのですが、メンバーも100名を超え、会社の課題が山積みになり、何をどう進めていいかわからない状況が続いていました。

バリューの観点でいうと、「行動指針8ヶ条」という指針は決めていたものの、浸透しなかったり、忘れられたりしてしまうような感じで。忘年会のクイズ大会の問題として使われてしまうくらい、存在が薄い指針でした(笑)。


そこで、経営陣で合宿に行ったんですよね。COOの田口が「焚き火を見ながら語ろう」と言い出して、僕とCEOの金はピンときてなかったんですが、他に打開策もなかったので行くことにしました。古民家を改装した宿で、みんなが思っている課題を付箋で貼りだしたりして。

「経営陣の力不足」とかいろいろな課題が出てきて、それをグループ分けすると7つくらいありました。

その中で僕が気になったのは「社風やムードが良くない」という課題でした。そこは何とかしたいと思いましたね。前のnoteにも書いたように、関わってくれる人に楽しく働いてほしい、という思いが僕にはあります。仕事は人生の1/3を占める大きな要素ですし、これは僕が率先して変えていかなければ、と思いました。

バリューを決めることで会社の雰囲気が変わる

会社の規模が小さかったころは、僕ら経営陣とメンバーの距離が近くて、話す機会も多かったし、よくコミュニケーションがとれていたと思います。

でも、メンバー数が増えていくにつれて、コミュニケーションも薄まっていったり、中途採用で入ってくるメンバーの考え方も入社のタイミングによってバラバラで、意見がぶつかることも増えていきました。
会社全体がちょっとギクシャクしていたので、まずはこの問題を何とかしたいと思っていました。

それとほぼ同じ時期に、僕の友人からコーチの方を紹介してもらい、経営陣のコーチングという形で入っていただきました。
最初は会社の課題整理からサポートしていただきましたが、バリュー(行動指針)を決めていくことで会社の風土や雰囲気を変えていけるんじゃないかとアドバイスをもらい、バリューを定めることにしました。バリューを定めることで、メンバーの行動に対する認識がそろい、実際に行動した結果から社風が作られていく、というのが理由です。

もともとあった「行動指針8ヶ条」は、メンバー全員の想いを入れ込もうとした結果、経営陣の想いが薄まってしまったのが反省点でした。そのエッセンスは残しつつ、もう少し経営陣の想いを言葉に込めようと、改めて「バリュー」として考えることにしたのです。

重要なのは「何が大事ではないのか」を決めること

バリューを作っていく過程では、「何が大事か」だけでなく「何が大事ではないのか」のキーワードを出すところから始めました。大事にしたくない部分を考えることで、よりバリューの理解が深まっていくとアドバイスいただいたからです。

その後、会社のメンバーに「議論に参加しませんか?」と呼びかけをしました。経営陣が決めたバリューを押しつけるのではなく、メンバーと一緒に作り上げたバリューの方が、納得感があると思ったからです。結果、30名くらいのメンバーが集まってくれました。2019年8月ごろのことです。


キーワードへの想いを経営陣からメンバーに話し、メンバーから感想を聞いたり質問を受けたりして、みんなで理解を深めていきました。大事なキーワードを残したり、追加した方がいいキーワードを出してもらったりもしました。

例えば、会社の競争力についても考えた方がいい、業界においてどういう立ち位置にあるべき、などいろいろなアイディアをもらって、ちょっとずつブラッシュアップしていきましたね。

f4samuraiのバリューの根底は"仲間と一緒に困難を乗り越えていく「楽しさ」"

バリューの議論をしていく中で、僕がどうしても入れたかった要素の一つに「楽しさ」があります。

「楽しさ」にもいろいろと方向性があると思いますが、「困難を越えていく楽しさ」や、「仲間と一緒に越えていく楽しさ」が僕が思う「楽しさ」なんですね。

「ただの楽(らく)」や「ほんわかしている」みたいな感じの「楽しさ」ではなく、「先に進んでいく、乗り越えていく楽しさ」があるといいなと思っていました。


(2年前の懇親会の写真です)

経営陣でキーワードを出していったときに、象徴的だったのが「死ぬほど働き、死ぬほど遊ぶ」というキーワードでした。それだけ聞いたらドキッとするようなキーワードですが、僕の中では「人生がめちゃくちゃ充実している人」という楽しさの要素が強かったように思います。

みんなで作ったバリューは6項目に決定


みんなで何度も議論を重ね、最終的にバリューは6項目にまとまりました。

1. おもしろさ
2. やさしさ・包容力
3. チャレンジ
4. 組織貢献
5. 当事者意識・責任感
6. ルール遵守

「おもしろさ」は、ユーモア的なおもしろさではなく、「一緒に働いてるとおもしろいな」という感じ。この人と仕事をすると、切れ味あって物事がスパスパ決まるなとか、自分の能力が引き上げられるなとか、一緒に働いていて楽しいなと思える人を指しています。

「やさしさ・包容力」は、相手がより活躍するためにはどうしたらいいか、相手のことを考えて接することができるか、と定義しました。相手の成長を考えたときに、人によっては甘やかすのではなく叱ることも必要です。相互に助け合って、お互いを「活かす」ために行動できる人、ということです。

「チャレンジ」は、自分の個の能力をどう伸ばしていきたいか、そのために日々努力しているか、先を見据えて行動できているか、という要素を含んでいます。もっといえばその人が成長した結果、会社の競争力向上に繋がっているかという視点も入っていきますね。

「組織貢献」は、会社の雰囲気を良くしていくためにバリューに入れました。挨拶しているか、会議で前向きに参加しているかということから始まり、社内のイベントを企画したりサポートしてくれるか、会社を盛り上げようとしてくれるかという意味での貢献を指しています。

「当事者意識・責任感」は、正しく責任範囲を認識できているかになります。チームでプロジェクトを進めるときに説明責任を果たせているか、誰も気づいていなかったタスクを拾えるかなど、チームがどう上手くいくかを考えて行動できるか、という部分が評価軸になっています。

「ルール遵守」は、みんなが気持ちよく会社で過ごせるよう、同じ空間と同じ時間を共有する仲間として、ルールを遵守できているかという意味です。


さらに、バリューを日常的に意識して行動していくために、人事制度にも組み込んでいきました。2020年4月から新しい人事制度を始めて、ようやく1年が経ったところです。

バリューが日常生活に馴染んでいくために

バリューを作ったことによる社内の変化も出てきました。

最初は「会社の価値観が押し付けられるんじゃないか」「6項目を全部クリアしないと評価されないんじゃないか」という不安な声もありましたね。

決まったバリューに対して、すんなりと受け入れられる人は少ないし、バリューを決めただけで終わりではないと実感しました。どう活かしてもらうのか、日常生活に馴染んでいくためには何をしなきゃいけないのか、考えていきました。

人事評価制度に落とし込むときも、自分の主観ではなく他人が客観的に評価できるような文章にしたり、誤解がない表現を意識しました。

また、バリューを具体的に活かしていくためのチーム、通称「バリュー体現チーム」も発足しました。バリューを体現しながら、会社の業務以外の課題を解決していくチームで、15名ほどいます。

例えば、リモート勤務が続いていることで、メンバーの様子がわからなくなり、健康状態も把握するのが難しいという課題がありました。そこで、月1回のアンケートで、メンタルヘルスをチェックする仕組みを入れました。

また、コミュニケーション頻度が減り、気軽に雑談や相談できる機会がなくなってしまったという課題に対しては、バーチャルオフィスツール「oVice(オヴィス)」を導入しました。


その他にも、CEO金の声をメンバーに伝えるために、Zoomでラジオ放送を月2回のペースでやっています。金が新入社員だったころから創業期までの話をしたり、メンバーをゲストに呼んだり。金のキャラクターや、考えていることが伝わるような内容となっています。ラジオ放送は、もともと手を上げてくれたメンバーがいて、バリュー体現チームがサポートする形で進めています。

いろいろな角度からバリューを浸透させる取り組みを

今回は、「f4samuraiのバリューを作り広めるまで」を書いていきました。

メンバーに浸透させる点では、まだまだ課題があります。例えばどんな行動をすれば良いのかまだイメージがわかない、という意見があります。バリューを体現しているメンバーを紹介していくようなことも今後やっていきたいです。

3月末に年度の締めとして、オンラインでの懇親会を開催したのですが、その中でバリュー大賞という表彰式をやってみました。バリューに沿った行動をしていた人を、コメント付きで推薦してもらい、その中から大賞を決めたのです。お祭り感のあるコンテンツとして、気軽にバリューのことを考えてもらいたいと企画した感じです。


(oViceをつかったオンライン懇親会ではクイズ大会もやりました)

今後も、いろいろな角度からバリューを浸透させていくような取り組みをチャレンジしていきたいです!

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