Enstemには、実は最初“合同会社”だった時代があります。
Googleを辞めたあと、ありがたいことに広告の運用代行の依頼をいただいたりして、
一人で屋号をつくって、少しずつ知人に声をかけ、業務委託でチームを回すような形からスタートしました。
でも正直、心の中にはずっと**「なにか事業をやりたい」**という想いがありました。
とはいえ、じゃあ何をやるのか?何が自分たちらしいのか?
その答えがなかなか見つからず、少しモヤモヤした日々が続いていました。
そんな中で、今の事業のきっかけになる**“2つの奇跡”が、同じ日に起きた**んです。
ひとつ目の奇跡は、
渋谷で開かれていた、とあるセミナーイベント。
普段あまり行かない場所で、慣れないスーツを着て歩いていたのですが、
「このビルだな」と思って入ったのが実は“間違ったビル”。
ですがその偶然が、まさかのご縁につながります。
間違ったはずのそのビルで偶然知り合った方を通して、
Chatwork創業メンバーの加藤さんとつながり、
その後「代表世話人」経由で、今の事業における中核のキーマンたちとの出会いへと発展していきました。
まさに、間違って入ったビルが、正しい未来を連れてきた瞬間。
そして、ふたつ目の奇跡。
間違ったビルをあとにし、正しいビルに入りなおした僕を待っていたのは、
ロビーに貼られた1枚のポスター。
そこには、今のEnstemの取締役・勅使瓦の顔写真と名前。
「これ、お前じゃん」と思わず声が出た。
そしてその直後、彼からもらった最初のミッションが、
**「お前がやりたいことを考えろ」**だった。
それからというもの、あれこれ模索しながら、
「IoTとAIの技術を活かして、人に寄り添うことができる何かを」と考えるようになりました。
「目に見えないものを可視化する」
「人のパフォーマンスや安全をデータで支える」
そんな軸が生まれ、今の事業の原型になったのです。
同時に、法人格も合同会社から株式会社へと切り替えました。
「これはもう本気でやっていこう」と、自然とチームの空気も変わっていきました。
ふり返ると、偶然のような出会いがすべて線になって今があります。
名前をつけて、合同会社をつくって、仲間を募って、たまたま入ったビルで人とつながって、
その日のもう一つの偶然が未来の共同創業者を連れてきてくれた。
そしてそこからは、「何をやるか」よりも**「誰とやるか」**の軸が強くなっていきました。
事業の種が見えたのも、チームが動き出したのも、すべて人との出会いとタイミングの重なりの中にありました。
だからこそ、Enstemという社名に込めた**「ご縁の幹(en-stem)」**という言葉には、
ただの語呂合わせ以上の意味があると、今あらためて思います。