皆さん、おはこんばんにちは。
E-kan株式会社 エンジニアの尾上です。
FF14の記事を書くには相応の熱量と気力が必要で、日々なかなかそこまではエネルギー残量が…と思ってお茶を濁していたら、最近弊社で掲載した中途社員募集のインタビューに登場させていただくことになり、その自己紹介で「自社運営のnoteでは『FINAL FANTASY XIV』への愛と魅力を発信中。」とバッチリ書いていただいてしまったため、急に日和ってそろそろ書かねばと今キーボードを叩いていますこんにちは。
というわけで遠かりし前回はストーリーの素晴らしさについてお話ししましたが、今回はBGMについてお話ししたいと思います。
◆驚愕の曲数
実は、2017年にFF14は「ビデオゲームで最も多くのオリジナルサウンドトラックを持つタイトル」のギネス世界記録に認定されています。
その曲数は2016年1月1日時点で、なんと384曲。
ちなみに同社から過去に発売された「FINAL FANTASY XV」は約90曲だそうです。90曲というのも相当多いような気がしますが、それでもFF14の384曲というのはその比ではありません。
もちろん、1度発売してしまえば新しい展開は基本的にない、一般的な売り切りのタイトルとは違い、MMORPGであるFF14はこの時点で3年の運営期間を経ており、その間、拡張パッケージ(通常タイトル1本超に相当)を2回発売してはいますが、とはいえそれだけの数を世に送り出してきたのは事実であり「3年間ペースを落としていない」というのは恐ろしいことです(その労力的に)。
今はそこからさらに2回の拡張を重ねています。また様々なアレンジアルバムも発売されていたりするので、現在の曲数はどれほどになっているのでしょうか…500とか600とか?そんな曲数を有するゲームは、後にも先にも無いのではないでしょうか。
◆ゲーム体験に寄り添い、高める
この曲数から言えることは「使い回しが少ない」ということです。
FF14は、都度のストーリーや世界(拡張パッケージ)ごとに、軸となるテーマ曲を中心に音付けがされています。そうすることで「その時のストーリー、その世界の新しい冒険」を実感することができるとともに、場所・人・出来事に曲がうまく分けられて紐づけされて、結果的にそれぞれの印象をより深いものにしつつ際立たせることに成功しています。
不思議と似たような曲がない(アレンジはあれども)のも驚くべきことで、それは作り手の稀有な才能と引き出しの多さによる産物であるのは間違いないでしょうが、それだけではなく、単純にこれを実現する労力は尋常なものではないはずです。
それを運営開始から現在に至るまで支えて続けているのは、サウンドディレクターを務める祖堅正慶氏をはじめとするサウンドチームの「ゲームサウンドはゲーム体験に寄り添い、高めるものでなくてはならない」という強い思いです。何かでメディアの前に登場して仕事について語られる時は、祖堅氏は必ずこの言葉を口にします(同時にいつもクソミソ忙しいとか滅茶苦茶だとかも仰りますが…笑)。その状況その場面を唯一の瞬間にする。プレイヤーに楽しんでもらうために。その思いで身を削りながら作曲を続けている祖堅氏をはじめサウンドチームの方々の力があってこそ、FF14が素晴らしいゲームであり続けているのは間違いありません。
◆MMORPGならではの曲とのかかわり
FF14はMMORPGなので、数ヵ月ごとに新しいストーリーが配信され少しずつ進展していきますが、都度のストーリーをプレイし終えた後も、同時実装されている他の膨大なコンテンツや、デイリー・ウィークリータスクがあり、そのボリュームはなかなか遊び尽くせるものではありません。今では運営開始から9年が経ち、その間に積み重ねられたボリュームは、仮に数ヵ月遊び続けたとて、やり切れるものではないでしょう。そのため、基本的にプレイヤーは、日々(濃淡ありつつ)少しずつ自分のペースで遊ぶ(まとめて一気にではなく)ようになるのですが、そこには常にゲーム体験を盛り上げてくれるBGMがあるわけです。それを数日と言わず数ヵ月(または数年)継続的に聴き続けていると、その曲たちが、その時の楽しかったり苦労したりした思いとともに強く刻まれるんですよね。曲を聴くと、その時の場面や感情がありありと思い出されるのです。
これは通常の、ともすれば数日でやり切ったら終わってしまう売り切りタイトルでは絶対に起こり得ないシチュエーションで、それらのタイトルの曲にも素晴らしいものはたくさんありますが、比較するとやはりどうしても思いの乗り方が違うのです。継続的に長期間遊び続けるMMORPGならではの曲とのかかわりだと思う次第です。ここでも前述の多くの曲を用意しているということは活きていると思いますね。
ちなみにFF14ではゲーム外でも、オフィシャルバンド「THE PRIMALS」によるロックライブや、オーケストラコンサートを開催する等、ゲーム外でも積極的に音楽イベントを展開していますが、同じFF14プレイヤーが集い、同じ場で生演奏を聴くのは(語彙が乏しくて恐縮ですが)とんでもなく高揚します。現在進行中のゲーム体験をその場にいる全員で共有しているようで、他では得られない感動があります。これもまた運営が継続しているMMORPGならではの楽しみでしょうか。
といったところで、今回はこのへんで終わります。
曲のことなら大して語りようがないと思いましたが、そうでもありませんでしたね。それどころか語ろうと思えばまだまだ…。FF14恐ろしい。
また気力を貯めて語りたいと思います。次の機会でお会いしましょう。