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【社員コラム】小学5年生の怪談

Photo by XIANG GAO on Unsplash

※2022年6月7日の社内報を公開しています。

4年前より、息子が所属するサッカーのコーチ−をしていて小学生と話す機会が多い。

つい先日も試合帰りの車内で、子ども4人と怪談話しをした。

小学5年生の男子たち、怪談は好きだが、彼らの怪談はこわくない。

「夜に不気味な音がなって怖かった…。」

「それで、しばらくしたら…いつのまにか寝ていた…」というオチなんでむしろ可愛いい。

そもそも小5の男子たちに怖いエピソードを筋立てる話術がないので、

声を低くして、怖い口調で始めるくらいで

後の話しは、何を言っているのかわからない。

話している本人も興奮して、自分で訳がわからなくなったりもする。

そんな中、最後に回ってきたのは、長男。

話し上手ではないけれど、息子の怪談エピソードなんて聞いたことないので、

ちょっと期待しつつ、ハンドルを握りながら耳をそばだてる。

長男は怖い口調ではなく、ボソボソした感じで話しはじめた。

「えっと…、こわいというか、ふしぎな体験で、

4年前くらいかな?弟と同じ夢を見た話しなんだけどね…」

同じ夢をみた!?思ったより悪くない引き込みだし、次男も絡んでるんだと少し期待が膨らむ。

夢の内容は

太い眉毛が特徴的な変んな風貌のおじさんと一緒に遊んだという夢で、

朝起きて、弟に話しをしたらどうやら同じ夢をみたということらしい…。

同じ夢を見ることもあるもんだと思ったくらいで特に、今まで誰にも話さなかったそうだ。

めちゃ不思議体験ぢゃんと思って聞いていると、

1人の子どもが急に「その話ってアレじゃん!あの有名なおじさんの夢じゃん!」ってビビり始める。

その反応で、自分も夢に出てくる眉毛の太い中年の話しをネットでみたのを思い出した。

長男は普段ネットを見ないので、夢に出てくる眉毛の中年について知らないはずである。

車をとめてすぐにスマホで検索をして、長男に画像をみせると夢のおじさんだと震えだす。

車内の空気が一気に凍りつき、別の子どもが泣き出す。全身鳥肌が立ちはじめた。

帰宅後、長男が風呂に入っている間に、妻と次男に今日の話しをした。

しかし、眉毛の中年と遊んだ夢について次男は覚えていなかった。

「でもその話は知ってるよ。」と次男は2階の子ども部屋にかけあがる。

そして「世界の怖い話」の本をもってきて、みせてくれた。

そこには、ネットでみた夢のおじさんが載っている。

ちょうど風呂から上がった長男は、こちらを見てニヤニヤ笑う。

小5男子を小馬鹿にしていたんだが、マンマと騙さてしまった…。

大人をあっさり騙しやがって!

親の顔が見てみたい。

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