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デジタルグリッドが目指す新しい電力システムのあり方 ~北海道地震でのブラックアウトを例に~

 先日の北海道地震では、道内全域が停電する「ブラックアウト」が発生しました。これは1951年の北海道電力設立以来初めての異常事態でした。なぜ発生したのでしょう?

 電気系統は、常に需要と供給を同じ量に保つように運用されています。これは「同時同量」と呼ばれ、系統運用において最も基本的な考え方です。これによって東日本は50Hz、西日本では60Hzの電気の周波数が保たれ、安定的に電気を供給することができます。仮にこのバランスが乱れると、一定に保っていた電気の周波数が乱れ、発電機が故障したり家電などが壊れる原因になってしまうのです。

 さて、今回の北海道地震では、道内の総需要310万kWのうち約半分を占める165万kWの火力発電所が止まってしまいました。こうなると、残りの発電機が発電しなければならない電力の量が激増し、負担が大きくなります。系統を流れる電気の周波数は低下し、発電機の壊れるリスクが大きくなります。こうして壊れることを防ぐために、発電機は自動的に停止します。ある発電機が停止すると、他の発電機にかかる負担がさらに大きくなり、また別の発電機が停止します。

 このように次々と発電機が停止することで、連鎖に歯止めがきかなくなり今回のブラックアウトは発生したのです。

 地域間連系線を強化すれば解決できるとの声もありますが、これは連系したエリアを含めたさらに大きな停電を起こしかねず、抜本的な解決策とは言えません。このような、電気系統特有の性質に合わせた解決策として「デジタルグリッド」は考案されました。

 既存の電力システムとデジタルグリッドの違いを簡単に例えると、「卵」と「いくら」のようなものです。「卵」である既存のシステムでは、一箇所の発電所にダメージがあるとそれが全域に渡って広がって停電が大規模になってしまいますが、「いくら」であるデジタルグリッドでは、一箇所がだめになってもその影響がその範囲に限定され、他の場所は影響を受けません。

 この実現を可能にしているのは「非同期連系」と呼ばれる技術です。ある地域の送電網内を流れる交流をインバータを使って直流に変換し、さらに別の交流をつくって他の地域に流すことで、他地域の交流の情報を消した自立可能なセルを形成することができるのです。これによってこのインバータを内蔵した機器は「デジタルグリッドルーター」と呼ばれ、デジタルグリッド構想を実現する上での肝になります。現在このデジタルグリッドルーターの開発を東京大学・日立製作所などと連携して進めています。

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