2019年6月16日(日)SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2019のアワードセレモニーに出席致しました!
SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA(以下、SSFF&ASIA)とは、俳優 別所哲也さんが1999年に創立した米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭です。
また、オフィシャルコンペティションに設置されている3部門(「ジャパン部門」「アジア インターナショナル部門」「インターナショナル部門」)の各優秀賞およびノンフィクション部門 supported by ヤフー株式会社の優秀賞、計4作品が、米国アカデミー賞の短編部門のノミネート候補作品になる、というクリエイターにとってはアカデミー賞への登竜門ともいえる映画祭となっています。
デジタルハリウッドはCGアニメーション部門をサポートさせていただき、今年で9年目となります。今年はデジタルハリウッド(大学)学長 杉山の他に、名探偵コナンなど数多くのヒットアニメを企画制作している諏訪道彦氏(本学で客員教授も務めていただいています!)、女優のとよた真帆氏を審査員に迎え、全世界から集まった作品を審査していただきました。
今年、CGアニメーション部門にノミネートされた作品は12作品。5/30~6/15まで各指定会場で全部門の作品が上映され、私もCGアニメーション部門を鑑賞しました!
CGアニメーション部門では、毎年、デジタルハリウッドの入学式として開催しているDIGITAL FRONTIER GRIND PRIX(前回記事で書いています!)から、CGアニメーション部門 受賞作品が特別上映されることになっており、今年の上映作品は「レディエイト」
今年3月にデジタルハリウッド大学を卒業したばかりの田中さん、深山さんによる作品です。
文明の進歩は天災を引き起こす、という教えの集落で育った少年を描いており、メッセージ性の強い作品です。なかなか一言では説明できないストーリーですが、誕生日の日 午前3時に目が覚め唐突に思いついたストーリーなのだとか。観る度に印象が変わったり、新たな気付きがある作品で、ぜひ何度も観ていただきたい作品です。
さらに、ノミネート作品として選出された「ブルーマー」もデジタルハリウッド東京本校(社会人向けスクール)卒業生 中村さんの作品です。
2分弱と短い時間の中にも起承転結があり、主人公のロボットが試行錯誤する様子がとても可愛らしく、ラストのシーンはハッピーな気持ちになりました。人間のようには表情が変わらないロボットもCGアニメーションで表現された途端、感情や意思を持った生き物に変化するのが私はとっても好きです。
「レディエイト」と「ブルーマー」どちらも、海や試験管の中の液体など、「水」が揺らめくシーンがあるのですが、こんなにもリアルに、そして綺麗に表現ができるのだなあ、と感動しました。
そして、SSFF&ASIA 2019 CGアニメーション部門 受賞作品は「観覧車」というスペインからのエントリー作品。
観覧車の絵を描いたり作ることが好きな少年が、彼の人生を一変させる奇妙な生き物と出会う、というあらすじ。ダークファンタジーっぽさがあり、ちょっとハラハラドキドキする場面もあるのですが、最後は感動的で美しい描写となっています。
スペイン出身のカルロス監督は、どこにいても誰とでも共同制作ができる「Artella」というソフトを開発し、全世界のクリエイターと共に8年の歳月をかけて作品を完成させたとのこと。
それぞれ遠方にいながら一つの作品を完成させることができるなんて、とても驚きました。
観覧車だけでなく、いくつかの上映作品についても、遠隔で共同制作をしたという話がありました。ものづくりの世界においても、過不足のないレベルでオンラインコミュニケーションが可能になっているのですね。
また、CGアニメーションによる表現の幅広さにも感動しました。
実写と見間違えるような美しい描写もあれば、動物や子供のかわいらしさやファンシーな世界観を表現したものもあります。特に動物や子供の丸っこい、と言いますか、柔らかい、と言いますか、そういうかわいさってアニメーションだからこそ際立つなと感じました。
もちろん本物もかわいいですけど、例えば動物や小さな子供に思い通りに喋ってもらったり表情をつけたりすることって実写ではできないですよね。でもCGアニメーションだとできて、感情が伝わる。そんな良さにも気づくことができました。
個人的には、バッドエンドや暗い映画も好きなのですが、CGアニメーションに関しては明るくて現実にはない世界観を持った作品が好き、というのも新たな発見です。
映画は好きでもショートフィルムは親しみがなく、今回が初鑑賞といっても過言ではありませんが、短いからこそガツンと伝わるメッセージがあったり、「あれってこういう意味かな」「この作品で言いたかったことは…」と受け手の考える余白がたっぷり詰まっているのも魅力的だと感じました。それに、どんな短さであっても起承転結を取り入れたストーリー展開になっていて、短いからこそ構成を考えるのも大変だろうなと思います。
デジタルハリウッドとしてはCGアニメーション部門をサポートさせていただいていますが、ぜひ学生・受講生のみなさんには他部門にもエントリーをしていただきたいですね。
映画やCGアニメーション作品が好きな方はもちろん、自分でも何かものづくりをしている方にとっては、こういった空間は刺激になると思います。そしてデジタルハリウッドでは、今回の映画祭のみならず、様々なクリエイティブが生まれる瞬間に立ち会う機会が溢れています。そんな環境で働いてみたいな、と思った方はぜひ一度お会いしましょう!