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「小学生の頃から、勉強を教えるのが得意でした。だから、それを仕事にするしかないな、と」
dcn株式会社でプロジェクトマネージャーを務める三鬼 浩祐さんは、自身の原点をこう語ります。名古屋大学在学中から教育系YouTuberとして活動し、フリーランス講師を経てdcnの創業期に参画。現在はオンラインスクール「公務員バディ」の事業戦略からプロダクト開発までを統括しています。
しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。一度は大きな壁にぶつかり、会社を離れた経験も。なぜ三鬼さんは一度dcnを離れ、再び戻ってきたのか。挫折と再挑戦の末に見えてきた、三鬼さんの仕事への想いとdcnのリアルな魅力に迫ります。
「自分の人生をコントロールしたい」教員志望の理系学生が、YouTuberになった日
ーー三鬼さんは理学部ご出身でありながら、在学中から教育系YouTuberとして活動されていたというユニークなご経歴の持ち主です。そもそも「教育」の世界、特にオンラインでの指導に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?
もともと小学生の頃から勉強が得意で、友達に教えるのが日常でした。その中で「自分は教えるのが得意だ」と自覚していて、高校生の頃には自然と教員を目指すようになりました。
ただ、大学で教職課程を履修する中で、教員の仕事の厳しさや「割の悪さ」を実感したんです。想像以上に大学も忙しく、「このまま教員になったら、自分の人生の時間をコントロールできなくなるんじゃないか」という不安が生まれました。もっと自分の時間を作って、いろんなことをやれる人生にしたい。そう考えたのがキャリアを見直す最初のきっかけでした。
ーー塾講師など他の選択肢もある中で、なぜYouTuberという道を選んだのですか?
塾講師も考えましたが、ただ勉強を教えるだけ、という点に魅力を感じませんでした。それに、当時(2019年頃)はちょうど教育系のYouTuberがほとんどいなくて。「この領域なら、まだポジションを取れる」と考え、挑戦してみることにしたんです。
ーーそこからdcnへジョインされた経緯を教えてください。
代表の友口さんから、TwitterのDMで「講師を探している」と連絡が来たのが始まりです。当時、僕も友口さんもキングコング西野さんのオンラインサロンに入っていて、そこで僕を見つけてくれたそうなんです。
ちょうどコロナ禍で、案件をもらっていた企業が教育事業から撤退して仕事がなくなったタイミングだったので、まさに渡りに船でした。話を聞いてみたら、しっかりした事業内容だったので「とりあえずやってみよう」と。最初はリモートで、名古屋の大学に通いながら業務委託として関わり始めました。
公務員試験業界の常識を覆す、”本当に役立つ”学びとは
ーー現在はPMとしてオンラインスクール「公務員バディ」の統括をされています。事業にかける想いや、サービス設計のこだわりを教えてください。
僕がこの業界に来て感じたのは、大学受験の業界に比べて、公務員試験の業界は講師間の競争が少なく、教え方やテキストがまだまだ発展途上だということです。
昨年、一度dcnを休職していた時期に、大手予備校の講師採用試験を受けたことがあるんです。その際に渡されたテキストの解説が、僕から見たら改善の余地ばかりで…。結局、テキストの内容を全て変えて、オリジナルの内容で模擬授業をして合格しました(笑)。
ーー具体的に、どのような点を改善できると感じたのでしょうか?
多くの参考書は、答えを知っている側が書いた「きれいすぎる模範解答」なんです。でも、受験生が本番で本当に知りたいのは、その綺麗な解法ではなく、「初見の問題にどう立ち向かうか」というリアルな思考の流れのはずなので、受験生の視点が決定的に欠けていると感じました。
だからこそ僕は、常に「何も知らない小学生に教える」つもりで、本番で使える思考プロセスそのものを伝えることを徹底しています。一人では参考書を使いこなせない人にこそ、僕らの価値を届けたいんです。
PMとしての挫折と再起。一度離れたからこそ見えた、dcnの本当の価値
ーー事業の立ち上げから関わる中で、直面した最大の困難や壁は何でしたか?
2年前の冬が、一番きつかったですね。大学を卒業して福岡に引っ越し、本格的に事業に関わり始めた頃です。それまではフリーランスとして「自分ができること」だけをやってきましたが、dcnでは事業を前に進めるための全く違う能力が必要でした。初めて「自分って、本当にできないな」と痛感することが続き、自信を失っていきました。
ちょうどそのタイミングで、代表の友口さんがインドネシアでの新規事業に注力することになり、僕が日本の事業を任される形になったのですが、プレッシャーと孤独で…。結局、体調を崩してしまい、一度休職して実家に戻ることにしました。
ーーそこから復帰に至るまでには、どのような心境の変化があったのでしょうか?
1〜2ヶ月休んで回復してくると、元々働くのは好きだったので「何かしたい」と思うようになりました。そこから1年ほど、カフェやライブハウスでフリーターとして働いたんです。そこで初めて、スタートアップではない「大手の整っている会社」の社員の方々と深く関わりました。
正直、それまでは大手で働く人たちはすごいんだろうな、と思っていたんです。でも、実際に一緒に働いてみると、意外と普通の人が多いな、と。それと同時に、何もないところから事業を創り出す友口さんの凄さを改めて尊敬するようになりました。
フリーター生活にも飽きてきて、「やっぱり自分でもっと面白いことを仕掛けたい」という気持ちが再燃してきた頃に、再び友口さんから声がかかりました。僕が離れていた間も会社は成長していて、組織としても整ってきていたタイミングだったので、「戻っていいなら、戻りたい」と素直に思えました。
「決まっていないから面白い」dcnで活躍できる人物像
ーー社員の視点から見て、dcnはどのようなカルチャーの会社だと感じますか?
「自由な文化」ですね。教育事業だから教育しかやらない、という決まりはありません。「面白い」と思えることなら、事業領域を問わず何でも挑戦できる。各々が「こうすればもっと良くなる」と考えて、主体的に動けるのがdcnらしさだと思います。
ーー代表の友口さんとは、普段どのようにコミュニケーションを取っていますか?
今は毎日一緒にいるので、ガチガチの会議というよりは、ふとした会話から事業のアイディアが生まれることが多いです。基本的には友口さんから「これ、どう思う?」とアイディアが振られて、僕が「それなら、こういうこともできそうですね!」と具体化していく。そのキャッチボールから新しい事業が生まれていく感じですね。
ーーどのような方がdcnで活躍し、仕事を楽しめると思いますか?
この「決まっていないからこそ面白い」というカルチャーに共感できる人だと思います。未知な部分に可能性を感じて、自分のスキルや専門性を発揮して、自分で仕事や事業を創っていきたいという情熱がある方なら、間違いなく楽しめると思います。
公務員試験の”当たり前”を変え、業界全体を次のステージへ
ーー今後、ご自身が統括するオンライン教育事業をどのように成長させていきたいですか?
定性的には「公務員試験を受ける人なら誰もが知っている」という状態を作りたいです。僕らのサービスが広まることで、業界全体のサービス品質が向上し、結果的に受験生のためになる。そんな影響を与えたいですね。
定量的には、まずは合計で500名の受講生を目指し、将来的には何万人もの方が利用する学習アプリなども展開していきたいです。
ーー三鬼さんご自身の、今後の夢や目標を教えてください。
今は教育の分野にいますが、僕の強みである「理解し、伝える力」は分野を問わないのかなと思います。根底には「人の人生に関わりたい」という想いがあるので、教育以外の分野でも、人と深く関わる仕事に挑戦していきたいです。好奇心が旺盛なので、いつかは海外で仕事をするのも一つの夢ですね。