創業68年の歴史を持ちながら、これまで何度も業界の常識と言われるものを覆してきた大稲自動車。「こどもタクシー」など現在は当たり前になっているサービスを約10年前から業界に先駆けて開始したり、行政・異業種との大規模プロジェクトをいくつも成功させています。
今回は、当社がどのようなことを考え、これまで歩んできたのかをお伝えしていきます!
福岡の地場企業。グループ7社で温かみのあるサービスを
大稲自動車は1950年に創業し、福岡市内でタクシー業を営んできました。決して急激な規模拡大などは目指さず、コツコツと地域の人々の信頼を獲得。小さくても温かみのある会社として、評価をいただけるようになってきました。タクシー業・不動産業を中心に、グループ会社7社で安定経営を続けています。
<関連会社>
・株式会社 福岡ハイヤーサービス(国内外VIP対応)
・稲員興産株式会社(不動産業)
・株式会社マネジメント・アイ(コンサルティング業)
・株式会社大稲物産(商社)
・大稲産業株式会社(不動産管理業)
・株式会社フラッグス(出版業)
50年続いたタクシー業にピリオド
当社に転機が訪れたのは、2001年1月。現会長である稲員英一郎が、12年務めた東京海上日動を退職し、大稲自動車の経営に参画したことでした。
会長の稲員に話を聞くと、なんと「当初は事業売却するつもりだった」とのこと。タクシー業界は時代の流れに逆行している部分も多く、コモディティ化が進み顧客だけでなく働く人材の獲得も難しくなっていることが理由でした。
ただ、「大稲さんが良い」と頼ってくださるお客様も少なからずいらっしゃり、そんな生の声を聞いたことで、「売却ではなく、事業を作り替えよう」と会長の稲員が決断。50年続いたタクシー業からの脱却が始まりました。
では、何を目指すのか…。考えたあげく掲げたのは、「人間業」でした。お客さんに求められることで、自分たちが提供できるものであれば何でもやろう、この言葉にはそんな想いが込められています。極論、タクシー以外の事業をやっても良いと考えているのです。まずは50年タクシー業を営んできたノウハウを活かし、輸送サービス業からスタートするという方針を固めました。
想いだけで革新はできない。キーワードは、徹底したマーケティング
では、どのように事業の立て直しを図ったのか。取り組みについて、具体的にお伝えしていきます。
▼世の中のニーズを正しく把握し、キーワード戦略を立案
まずは、どのような潜在ニーズがあるのか把握・整理することからスタートしました。ポイントは、仮設ではなく、実際のデータを基にニーズを正しくキャッチすること。あらゆる統計データに目を通し、日本の現状や課題、求められていることを謙虚に学びました。それを踏まえて2002年、「子育て応援」「女性目線」「国内外VIP」というグループ会社のキーワード戦略を立てたのです。
▼グループ全体のコンサルティングを担う「マネジメント・アイ」を設立
同じく2002年に、著名なアドバイザーと共にマネジメント・アイを設立。企業活動を可視化するBIツールには極めて専門性の高い分析ツールを導入するなど、グループ全体の本格的なマーケティング・コンサルティングを開始しました。
▼マーケティングにアイデアをかけ合わせ、新たな商品・サービスを次々に考案
キーワード戦略に沿って、リスク分散をしつつ自分たちの身の丈でやれることをサービスや商品としていくつも考え出しました。
▼厳しい品質管理をクリアした1~2割だけが、日の目を見る
中小企業だからと言って、「良さそうだからやってみよう!」と全てのサービス・商品が世に出るわけではありません。社内の品質チェック、組合の承認を得られたものだけがカタチになります。
主にチェックされるのは、「人に優しいか」ということ。お客さんに求められているのか、自社が価値提供できるものか、働いている人がやりがいや誇りを持てるかなどをクリアする必要があります。この約18年間での通過率は10~20%という関門となっています。
なぜ数々のイノベーションを起こせたのか
このような質問をいただくことも多いのですが、私たちは単純に「悲鳴が聞こえてくることを率先してやっただけ」なのです。「自分たちが何をやりたいか」ではなく、世の中のニーズを起点に考えるという徹底したマーケティング思考、そしてフレームワークに沿った戦略立案、マーケティングツールへの惜しみない投資。このようなマーケティングを軸にした事業構想こそが当社のコアコンピタンスであり、数々の革新を起こせた要因だと考えています。
会長の稲員いわく、「人がやらないこと、嫌がっていることをやっただけ。意識して、しっかりお客さんを見れば何をやるべきかは自ずと分かってくる。その必要とされていることに対して行動を起こすという、極めて当たり前のことをやっているだけ」とのこと。
マーケティングでニーズを正しく掴み、そのニーズに応えるために愚直に実行し、失敗したら修正する。必ず修正するので失敗で終わることはなく、100%成功するのです。私たちは業界にイノベーションを起こそうと思ったことは一度だってありませんが、これをイノベーションと評価いただいているのかもしれません。
~新業態への歩み~
次に、どのように世の中のニーズを新商品・サービスに反映させてきたのか、時系列でお伝えします。
■2002年~2014年
2002年に改正道路運送法が施行されたことによって、タクシー業界は規制が緩和されました。このタイミングで業務革新に着手し、独自サービスを多数開発してきました。
・「こどもタクシー」保護者様に代わって、お子様を安心・安全に送迎
・「プレママタクシー」出産を控えたママさんのための安心送迎サービス(全社員が専用の研修を受講)
・「クラスA」VIP、インバウンド向けハイクオリティサービス
・「和食タクシー」和の美しさやマナーを楽しく学べる、3つ星料亭やホテルとコラボした新・体験型観光
・「ウエディングタクシー」ウエディングプランナーとコラボした結婚式送迎サービス
その他、レディタク・シンデレラツアー・らーめんタクシー など
■2015年
・ロンドン視察(地位の高い仕事として位置づけられている、英国のタクシーについて現地で学ぶ)
・ブラックキャブ導入(7月1日より営業スタート)
・異業種コンソーシアム始動
■2016年
・インバウンド、VIP対応を専門とする「株式会社福岡ハイヤーサービス」設立
・観光の誘致促進を目指して、旅行事業者などの現地視察ツアー(ファムトリップ)を企画
・オリジナルツアーの企画、実施(行政や地域企業を巻き込みインバウンド対応を強化)
・九州の魅力を発信するグルメ雑誌「FIGS」発刊
■2017年
・ファムトリップの実施(人間国宝や市長も参加。多数のマスコミ取材により話題に)
・地域の歴史や文化にふれながら最上級の飲食店や工芸家を紹介するガイドブック「FLAGS GUIDE」発刊
・リムジンネットワークを全国に拡大
・アプリサービスの開始
■2018年
・春に米国の日系リムジン会社と資本提携を始め、8月に資本提携が完了
・米国で新会社も設立し、9月より本格的に、日本とのインバウンド・アウトバウンド事業開始
・ドライバーのキャリアルートの拡大
人間は不完全だから面白い。「人間業」に込めた想い
私たちが事業をする上で大切にしていること、それは「嘘・言い訳・見栄を捨て去る」こと。
会社が生き残るため、時には都合が悪いことに目をつぶる…私たちはどうしてもそれをしたくなかったのです。お客さんを喜ばせるために事業を営み、社員が誇りを持って働ける会社にする。それだけを考えて妥協せずに戦い、キレイな花を咲かせてきました。利益はその後についてくると信じて…。これこそが大稲自動車が掲げる、「人間業」なのです。
人間は不完全ですし、根拠なく気分で選択が変わります。服装の流行り廃り、昨日はトンカツが食べたいと言っていたのに今日はあっさりしたサラダが食べたいと言う…(笑)。理不尽に思う一方で、「自分もそんなことあるよな~」と共感することもあるのではないでしょうか。「人間そんなもんだ。だから素晴らしい!」というのが会長である稲員の哲学でもあります。
エネルギッシュな経営陣と、老舗ベンチャーの快進撃を推進しません?
日本におけるタクシー業務の偏見。これは例えると、「大学に行くことが絶対」という意見と同じくらい偏ったものではないでしょうか。確かに私たちはタクシーに関する事業を展開していますが、人を目的地まで運ぶという従来のタクシー業をやっているのではありません。自動運転やAIの時代がすぐそこまで来ていますし、これからは機械やAIの長所を最大限活かしながら、人間しかできないことをやっていく時なのです。
当社には創業68年の歴史に勝るベンチャースピリットが根付いており、経営陣の勢いも衰えを知りません。さぁ、一緒に世界をつくりかえませんか?
ここで、キャリアの可能性を世界へ
また、あなたを生涯ずっと当社に縛り付けるつもりはありません。当社の仕事は、普段は出会えないような数の人と接して自分の幅を広げられるだけでなく、語学力を活かしてVIP・国賓対応も経験できます。「語学力を活かしたい」「海外で働きたい」「事業をつくる経験がしたい」など、夢に近づくためのステップにしてもらえればと考えています。(もちろん、生涯勤務を希望の方も大歓迎!)。
少しでも気になった方、まずはフランクにお話しましょう!ご応募お待ちしています。
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