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ユーザー同士がつながる場をつくり、新たな価値を生む!「コミュニティを盛り上げる仕事」の魅力とは

サイボウズに「コミュニティ・マーケティング」という仕事があるのをご存じでしょうか。製品やサービスのファンが集まるコミュニティを支援し、その盛り上がりを後押ししていく仕事です。

サイボウズ製品においても、kintone ユーザー向けのオンラインコミュニティ「キンコミ」をはじめ、さまざまなコミュニティが生まれています。その活動を推進するため2021年に設立されたのが「ファンコミュニティ推進部」。メンバーの小林利枝さんと高橋諒さんは「前例のない仕事だからこそワクワクする」「サイボウズだけでは作れない価値に出会える」と話します。

コミュニティ・マーケティングの仕事内容とは? この仕事に向いている人とは? 2人に聞きました。

【話を聞いた人】

◆小林 利枝(こばやし・としえ)さん

2015年にサイボウズへ新卒入社し、ダイレクトマーケティング部に所属。2019年、さらなる自己成長のために一度退職し、語学留学や他社での勤務を経験する。2021年2月に「育自分休暇制度」(※1)を活用してサイボウズへ復帰。

◆高橋 諒(たかはし・りょう)さん

前職はメディア業界。編集者やウェブディレクターを務め、ビジネス・経済メディアのメディアコミュニティ運営に携わる。企業やブランドを軸に、ユーザー同士がつながるコミュニティ・マーケティングに関心が高まり、2021年6月にサイボウズキャリア入社。

(※1)サイボウズを退職する人に「またチームに戻れる」という安心感を持ってチャレンジしてもらうため、希望者は最長6年間までサイボウズへの復帰を可能とする制度



「コミュニティ活動の盛り上がり」を推進する仕事

——はじめにファンコミュニティ推進部の活動内容を教えてください。

小林:サイボウズでは現在、ユーザー企業の方々とともにさまざまなコミュニティマーケティング活動を展開しています。一例をご紹介しますね。

・「キンコミ」(kintoneユーザー向けのオンラインコミュニティ) 
kintone のユーザー同士で悩みや課題、喜びを共有するための場。ヘルプページやサポート窓口で解決できる機能の質問以外の、100社100通りの答えがある kintone の活用アイデアが共有されている。企業の情報システム部門や総務部門の方が多数参加しており、プラグイン関連など、サイボウズ公式の発信にはない情報も得られる。
キンコミ:https://kincom.cybozu.co.jp/

・「アトツギカイギ」
事業承継者であるサイボウズユーザーを中心に、学びと仲間を得るコミュニティ。日本全国の多様な業種の経営者が、事業承継者の目線から、サイボウズ製品の活用方法などの情報交換をする場。
アトツギカイギ:https://page.cybozu.co.jp/-/atotsugi

・「ユーザーイベント」
年2回開催。夏は1日をかけて様々なセッションに参加できるユーザイベント「Cybozu User festival」を開催。秋には「Cybozu Days」でユーザー同士の交流を目的に「ファンミーティング」を開催している。
ユーザーイベント:https://page.cybozu.co.jp/-/userfes


小林:私たちは、こうしたコミュニティ活動の盛り上がりを推進していくこと(=コミュニティ・マーケティング)をミッションとしています。

——具体的に、2人はどんな役割を担っているのでしょうか。

小林:たとえば私は「キンコミ」での月1回のイベント企画や、イベント告知のための記事執筆、オリジナルグッズの製作など、さまざまな仕事を担当しています。

高橋:私はWebサイトの分析も担当しています。キンコミは外部プラットフォームを活用していて、ユーザー数や投稿数などをこまかく見て、それぞれの施策がどのように結果につながっているかを検証していますね。私たちの活動は結果が数字に現れにくいのですが、それでも、社内外に説得力のある活動報告ができるようになるべく取れる数字は取ろうという意識で分析しています。

小林:こうした仕事は担当を明確に分けているわけではなく、イベントごと業務を入れ替えるなどして、各メンバーがさまざまな仕事に携われるようにしています。



「教え合う文化」のなかでサイボウズ製品の活用方法が広がる

——なぜサイボウズはコミュニティ・マーケティングを重視しているのでしょうか。

高橋:サイボウズ製品は、以前からコミュニティ活動に支えられてきました。kintone の最初のファンの方たちにはエンジニアが多く、開発にフォーカスした「kintone エバンジェリスト」や「kintone Café」などのコミュニティが生まれていきました。サイボウズでも当初は、社内のエンジニアが外部のコミュニティ活動を後援していたのですよ。

小林:最初はエンジニアだけが関わるコミュニティでしたが、2015年ころからは情報システム部門や総務部門など、企業のユーザー部門の方々にも多数ご参加いただくようになりました。そこでサイボウズのカスタマー本部が後援活動を担うようになり、2019年9月に「ファンコミュニティ後援部」が、2021年1月には現在の「ファンコミュニティ推進部」が設立されました。それからは私たちが関わるプロジェクトも一気に増えていきましたね。

——「後援」から「推進」へと舵を切ったのですね。なぜサイボウズ製品のコミュニティには多くのユーザー企業が集まるのでしょう?

小林:最も規模の大きいキンコミでいえば、kintone という製品自体が、単体で活用するだけではない価値を秘めています。さまざまな他社製品とつなげてプラグインで拡張するなど、導入企業には100社100通りの活用方法があり、ユーザー同士で情報共有してこそ価値が広がる製品だと言えるのです。また、キンコミには優しい世界が広がっていて、自社で解決できたことを他社へ積極的に共有してくれるユーザーが多いことも、コミュニティが拡大している要因だと考えています。

高橋:kintone は当初、「アウトプットファースト」の文化を持つエンジニアの方々が互いに教え合い、コミュニティを盛り上げてくれました。そうした教え合う文化が他のユーザーの方々にも広まっていったのだと思います。サイボウズが運営するコミュニティをきっかけにして、ユーザー同士がより専門性の高いテーマのコミュニティを作ることもあります。

——サイボウズには、製品の活用を後押しするカスタマーサクセス部門もあります。こうした企業としての支援と比較して、コミュニティにはどんな意義があると思いますか?

高橋:カスタマーサクセスは個別にクライアントの課題解決に寄り添う、とても重要な役割を担っています。ただ、製品導入や社内浸透の過程で起こった失敗談や成功体験など当事者だからこそ共感できる話題もあると思うんです。そういったサイボウズからはお伝えしにくい情報を、コミュニティの場で共有いただきたいと考えています。また、すべてのユーザーにサイボウズが個別サポートを行うことは難しいため、ユーザー同士が情報共有し、支え合う仕組みづくりを推進しています。



常に仕事の目的を共有して、チームで動く

——コミュニティ・マーケティングは、世の中全体で見てもまだ珍しい職種だと思います。この仕事の難しさとは?

小林:たしかに、コミュニティ・マーケティングの参考にできる他社事例はまだまだ少ないですよね。自分たちで考え、試してみて、次につなげていく。それを楽しまなければいけないのが大変な部分かもしれません。

高橋:私は以前、社長の青野さん(サイボウズ代表取締役社長:青野慶久)と、「ファンとは?」という会話をしたことがあります。そこで例として上がっていたのはジャニーズや宝塚でした。「ファン同士が一緒に楽しみながらカルチャーを醸成していく仕組みを作れたらいいね」と。キンコミなどは少しずつそうした場になりつつあると思いますが、とはいえ盛り上がっている場所に途中から入っていくのは大変な部分もあります。だからコミュニティへ新しく加わる際のハードルを下げていくのも私たちの仕事。このように目的感を明確にして、そのための手段を考えることを繰り返しているんです。

小林:常に「何のために」という目的から考えているので、価値のない仕事は発生しないんですよね。

——前提のない仕事に取り組むことへの怖さはありませんか?

高橋:それはありません。どんな仕事を始めるときにも必ず「誰に」「何を」の目的感を共有していて、仮にうまくいかなくても、誰も責めないという心理的安全性があるんです。むしろ新しいことに取り組めるワクワクのほうが大きいですね。

小林:共感します。加えて言えば、私たちは基本的に1人で何かを進めることはありません。企画段階からチームで動いていくため、1人で責任を背負い込んでいる感覚がないんですよね。それも日々のワクワクにつながっていると思います。


サイボウズメンバーだけでは作れない価値を実現できる

——コミュニティ・マーケティングの面白さや奥深さについても教えてください。

小林:最近、高橋さんと一緒に「はじめてのキンコミツアー」を企画したんです。キンコミの楽しみ方や活用方法などの基本を説明するウェビナーです。そこに参加した方が、その後の雑談会にも積極的に参加し、「こんなにいろいろ教えてくれる人がいるんだ、自分も還元したい」といって、その日のうちに自身のTwitterアカウントも開設していました。こんなふうにユーザー同士を結びつけ、新たな展開が始まる場面に立ち会えるのは、コミュニティ・マーケティングならではの面白さだと感じます。

高橋:ユーザーのモチベーションの上昇を間近で見られることも、この仕事の醍醐味だと思います。たとえばキンコミのオンラインイベントに参加してくださった方がサイボウズDaysのセッションにも登壇し、その後はTwitterなどでの発信が急増して、どんどん新たなユーザを巻き込んで活動してくださっています。私たちサイボウズメンバーだけでは作れない価値を実現してくださっているんですよね。

——こうした場面をさらに増やしていくため、今後はどんな人にファンコミュニティ推進部に加わってほしいですか?

高橋:私はこの仕事を通じて、「伝える武器を持っていること」の重要性を感じています。私自身は今、イベント企画や記事執筆を強みにしていますが、それ以外のアウトプット手段を持っている人が来てくれるとうれしいですね。コミュニティ施策にも、どんどん新しい色を出していけると思います。

小林:私自身はファシリテーションが苦手なので、オンラインイベントなどの場回しをうまくできる人がいてくれたらうれしいです。あくまでもユーザー同士の交流の場なので、サイボウズのメンバーが目立ちすぎないようにしつつ、うまく場をつないでいく。そんなスキルが必要なんですよね。だから、これまでは直接的にコミュニティ運営に関わったことがない方、たとえば営業出身の方でも活躍していただけるかもしれません。

高橋:ファンコミュニティ推進部の活動はさらに幅広くなっていくと思いますし、私たちは常に理想や目的に向かって新しい手段を試していきたいと考えています。サイボウズのコミュニティについて、一緒に新しい可能性を考えていただける方をお待ちしております!


企画:サイボウズキャリア採用チーム / 撮影:佐野 嘉紀 / 取材・執筆:多田伸介

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