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【社長インタビュー】異業界出身の社長が舵をとるゲーム会社の在り方や求める人材とは


Photo Spot : WeWork Shibuya Scramble Square

技術では解決できないゲームのスペシャリストたちが抱える悩みや問題を解決・最適化するのが私の役割ーー
東証プライム市場企業・ギークス株式会社のグループ会社であり、「アソビ創造集団。」をミッションに掲げスマートフォン向けゲームアプリの企画・開発・運営を行う、G2 Studios株式会社 代表取締役社長 桜井敦氏にお話を伺いました。

業界を生き抜くスピード感を保つには、圧倒的な当事者意識が必要

――非常に変化の多いゲーム業界において、生き残るためにどのような取り組みをされていますか?


スマートフォンゲーム業界は、業界自体が短いスパンでどんどん変化していきます。日々新しい作品が創出されますが、その度に変化や進化が起こり得ます。技術やトレンドが変わって行く中で、「ならば次はどういうものを作っていくか」と常に工夫し、挑戦していく必要があるのです。そのため、ユーザーが求めていることにアンテナを張り、我々自身が変わっていくことが求められる業界だと思っています。会社の仕組みであったり考え方だったり、そういった変わることに対しての「スピード感」が大切だと思います。


我々のギークスグループには「10の心得」というものがあり、その中に「Speed!Speed!Speed!」や「変化を楽しむ」という言葉があります。まさにこれが大事かなと思います。変化することが嫌だとか、スピード感がないとか、そういった時点でもはやこの業界で生き延びるのは非常に難しくなっていきます。今後そういったグループ理念を基に「変化に強い」そんな組織でありたいと思います。

スピードを保つことに必要なのは、やはりリーダーシップやオーナーシップの部分です。指示を待っているようでは乗り遅れてしまいますので、常に圧倒的な当事者意識を持つべきだと思っています。メンバーには、「自分はこれをしたいから」という個人に紐づく狭い視点ではなく、「会社にとってこういう方向性があって、将来的にこうした方が良いよね?」というように、自分がオーナーだったり経営者だったらどうするべきか、率先して自発的な考えを持ってほしいと思います。むしろそうでないとこの先、どんなに大きな組織だったとしても衰退していくでしょう。一人ひとりがきちんとオーナーシップを意識し、考え行動し、その中で自分はどうありたいのか、どうすることがベストなのかということを考えてほしいと思っています。


――社会にどうやって貢献していきたいですか?


現代において、私たちは小さい頃からゲームというものが身近にあります。全くゲームに触れたことがないという子どもは少数派でしょう。ボードゲームだってゲームですし、トランプもそう。何かしら人と対戦や駆け引きをして勝った・負けた、嬉しい・悔しいという体験をしているはずです。

これは人間の根幹だと思っていまして、心の豊かさを醸成するものだと思っています。ゲーム開発をしている我々は、次世代の子ども達に夢や楽しみ、熱中できるものを提供している立場なので、やはり我々自身がワクワクするようなもの、心から「これマジで面白い!」と感じられるものを作り出していくことが非常に大事だと思います。昨今のように大変な時期でも、「ちょっと現実から離れたいな」「ちょっと熱中したいな」「少し仕事の合間で遊びたいな」というような時にゲームをプレイしてほしいですし、それが人々の安らぎや心の豊さに繋がっていけば社会への貢献ということになるのだと思います。我々の開発したゲームで誰かの人生をハッピーにすることができているのであれば、我々もハッピーですね。

一人ひとり考え方は違う――それが今回の研修における最大の気付き

――人材育成に関してですが、なぜ今回の研修でカルチャリアを選んだのですか?


今回はお互いを知るという基礎的なところから、「リーダーシップとは何なのか」「組織の中で自分はどうありたいのか」、という部分に焦点を当てた研修をしたいと考えていて、カルチャリアの奥山社長にご相談させてもらったところ、提供いただける研修内容が非常にピンポイントだったというのが理由です。あまり凝り固まった教材ではなく、活きた研修がとても欲しかったのですが、カルチャリアさんの研修素材がマッチしていたため、使わせていただきました。


インプットのみの一方通行な研修パッケージも多くありますが、そういうタイプの研修は、研修を受ける本人が求めていない情報は頭に入ってこないと思います。カルチャリアさんの研修は脳みそに汗をかいて、アウトプットすることがとても多い研修でした。研修後に社内でアンケートをとりましたが、インプットしたものをアウトプット(発言)する、そういったところがよかったという声が非常に多く上がっていました。アウトプットを意識すると、当然本人の中でのインプットの重要性が上がりますから、よく身に着くのだと思います。


――研修後に何か変化は現れましたか?


実のところ、同じ会社で働いていても、「AさんとBさんは本当はお互いどう思っているか」などと話す機会は意外と少なく、仕事上の会話だけで終わってしまうことも多くあります。コミュニケーションを活発化させていくには、積極的に相手を知ることが大切ですよね。研修の中でもありました、「リンゴに対して思うことは一人ひとり違う」ということも学びの1つだったようです。「この人はそういうことを考えているのか」「そういう目線で見ているのか」ということを知った方が、後々に違和感や「私ちょっとずれてない?」といった認識齟齬に気づきやすくなり、無駄が無くなるというところが、今回の研修における最大の気づきだったのかなと思います。


我々のフィールドであるゲーム開発は、「こうあったら面白いよね」というカタチのないアイデアを最終的にスマートフォンのアプリケーションとしてカタチにしていきますが、実はその過程でコミュニケーションのズレが非常に起こりやすいのです。例えば「RPG」と言われたら、人それぞれ好きなRPGゲームを想像しますよね。「僕の中ではこれ」「私の中ではこれ」、まさにリンゴゲームみたいな話です。ずっと認識がズレたまま会話して、気付いたら思っていた形と違う方向に進行していることがよくあります。正直、実務になると研修で言ったことは大体忘れてしまいますが、今回は研修後の印象として「カルチャリアさんの研修でこういうことあった」という会話が増えていますね。研修で教わったことを実践しているなというのが言葉の端々から分かるメンバーもいて、そういう意味ではすごくいい効果があったと思います。

ゲーム業界で自分ができる得意なことは、組織作り

Photo Spot : WeWork Shibuya Scramble Square

――今までのキャリアを教えていただけますか。


元々私は人材紹介、人材派遣などのゲームとは違う業界で営業やコンサルタント畑を歩んできました。20代の時に自分の中でちょっとしたターニングポイントがあったのですが、一度しかない人生なので自分でトライしてみたい気持ちがとても強かったものの、なかなか行動に移せないような、ちょっと中途半端な人間だったのです。


今ギークスグループに入社して10年の節目を迎えましたが、もともとはITフリーランスと企業様のマッチングを行うIT人材事業に携わっていました。2018年、ゲーム部門を独立してG2 Studiosを設立する際にギークスグループの代表の曽根原から「桜井、社長をやってみないか」と言われまして。そんな話をいただいた時に、忘れかけていたけれど若かりし頃に抱いた自分の想いが叶うチャンスがあるじゃないかと感じ、今の仕事をお引き受けしました。


――ゲームとは無縁のところから、この業界に来られたのですね


私がIT人材事業を担当していた頃も、既にゲーム事業は小さな規模で活動していました。当時と比べると今は10倍近い規模になりましたが、今思うと、組織が抱える課題の解決が私のミッションだったのかなと感じますね。ゲームのスペシャリストたちがゲーム以外の課題を抱えていたり、なんでこの組織は拡大していかないのだろうといった悩みにぶち当たっていたのではないかなと思っています。


結局のところ組織の課題は「人」です。ゲーム開発のスペシャリストが集まっているので、ゲームを作る部分の課題は解決できますが、組織が抱えている課題に関してはどうにもこうにもならないものもあるんですよね。そこは私の得意分野であるチームビルディングや方向性の設定であったり、フラットに意見を言える空間を作るという所を活かして、組織の課題を解決することが私自身の役割なのかなと思います。
みんなそれぞれ得意分野がありますよね。例えば、この人にお願いすれば説明不要でとてもカッコいい3Dアニメーションをつけてくるとか、障害が発生した際の絶対的守護神とか。メンバーの得意不得意を見極めて最適化するのも私のミッションだと思っていて、これは今後も意識してやり続けていこうと思っています。

得意不得意があっていい。それを許容できる会社でありたい

――G2 Studiosが求める人材像を教えてください


少し大げさな話かも知れませんが、もはや会社から何かを与えてもらえるという時代ではありません。「組織の考え方や目指していることが、自分の想いと近いかどうか」ももちろん大事ですが、オーナーになる意識で「自分がこの会社をどうしていきたいのか?」をきちんと考えてほしいなと思います。
世の中、完璧な人はいません。自分の中で得意不得意があっていい。「得意を少しずつ増やしていこうぜ!」ぐらいの気持ちでいいと思うのです。相手を知って、「この人はここが得意でここが不得意だよね」とどちらも認め合えるような会社でありたいと思っています。


結局24時間という公平に与えられた時間の中で、自分はどう過ごすかですよね。お互いの考えを理解し合っていて、そこを補完し合えればいいと思います。その中で一人ひとりが自分の努力や成長の割合を少しずつ増やしていけるかが重要です。同じことをずっとしていたら、当然ですがせいぜい現状維持ができるかどうかで、それぞれのやりたいことは実現できないと思いますし、会社も成長できません。「今日よりも明日は少しチャレンジしてみよう」、そういう気持ちを持ってちょっとずつでも意識を広げていける人がたくさんいたほうがいいですよね。それを理解して働ける方や、そういう会社っていいなと思って共感していただけるような方に入ってきていただけるととても嬉しいですね。


――面接で会ってみたい方はどんな方ですか?


面接は、私が求職者の方から面接されている場だと思っています。「会社の代表はどんな人なのだろう」「どういう考えを持っている人なのだろう」と見られている立場です。そのため、私はいつもありのままの姿で話します。ありのままの自然体でいる私が解放している空気感を感じ取って、自分の言葉で話されている方、そういう意識を持っている方とは会いたいなと思っています。


面接で、お互いの全てが分かるわけがありません。体裁を取り繕うことなくありのままの姿を見せあうことで、お互いに合うか合わないかだけでも、我々も判断し求職者の方にもご判断いただければいいかなと思っています。このくらい気楽な気持ちでお話したいです。それこそ「私はパーフェクトじゃないです」という人こそ信用できて面白いと感じることが多いです。さらに「ここは得意ではないけれど、こっちに関しては絶対負けません」など、堂々と発言してもらえると活躍してくれそうだなと感じますね。


――G2 Studiosに興味を持っている方に、メッセージはありますか?


コロナ禍で、弊社は一部リモートワークを導入しましたので、働き方の選択肢が広がり、状況に合わせながら生産性高く働ける環境に変化しました。一方で、対面でメンバーと会う頻度は減り、お互い感じていることを汲み取るのが難しくなったと思います。例えばこういう記事も、ポジティブなことばかり発信しがちですが、実際は課題も多いものです。課題がない会社なんてありません。G2 Studiosはどういう課題を抱えているのか、皆さん気になると思います。どういう大きな課題があって、それに対してどう思うか、私はこういう分野が得意だから解決できるなど、そういうところに共鳴していただける方に是非お会いしたいです。

株式会社カルチャリア

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