“ 社員エンゲージメント の高さと収益に具体的にどの様な因果関係があるのか?”
この質問をクライアントの皆様からよくいただきます。
たしかに、社員エンゲージメントに関して、顧客満足度調査と同様に、 企業の損益 、社員の生産性 、
最前線で働く社員のパフォーマンス度等を容易に数値化を行い、測定するものとしか捉えていない時期も過去にはありました。
ビジネスを成長させ、素晴らしい商品/サービスをお客様に展開しようと日々もがく中で、
社員が会社にどれだけの“エンゲージメント”を持っているのかに関しては、後回しになりがちでした。
かつ、これまで数多くのグローバル企業と関わってきた中で、グローバル企業での社員エンゲージメントはさらに複雑になることを実感しました。
複数の国が関わり、時差もある、言語も異なる、文化や習慣も違うという環境で事業を行うのですから、
社員エンゲージメントを高めることはより難しくなってきます。
ここ10年ほどで、日本でも”社員最優先主義”に関する記事や、議論が成される機会は確実に増加してきました。
実際、多くの企業のホームページで、その様なスローガンが公開されています。
どれもが、明確な企業理念、会社目標、ビジョンや価値感と共に、企業文化を構築することが軸となってのスローガンです。
ただ少し残念なことは、これらの目標は経営陣や人事部の一部のみで動き出したもののであり、
大多数の社員にはスローガンの真意が響いていないことが多いのです。
企業がグローバル化していく今日、世界でビジネスを展開し、各地に拠点とを置く会社にとって、
社員が日々集中して、信念を持って仕事に臨んでいるかは、極めて重要なポイントとになっているのです。
企業の規模感だけでなく、そこで働く人々と仕事との距離感も問題となっています。
企業成功にとって人材が大切であり、さらに社員エンゲージメントが企業成功の度合いを測るのに適格な物差しとなると考える事ができるなら、
あらためて社員エンゲージメントとは何なのか、その定義は何なのかをじっくりと考えていくべきだと考えています。