事業規模や業務内容の違いはあれど、新卒で入社した求人広告の営業会社から数えてキュービックで4社目。さまざまな場所でマーケターとしての経験を積んできた小林洋平さんに、キュービックだからこそ実現できたこと、これから実現したいことを伺いました。
小林洋平
2007年、求人広告の営業会社からキャリアをスタート。新規開拓営業担当を2年ほど経験したのち、広告代理店に転職。トレーディングデスクを7年務め、約1年半の間フリーランスのマーケターとしての活動を経て2016年7月よりキュービックへ入社。現在はメディア事業本部で広告責任者を務める。
キャリアのスタートは求人広告の営業会社での新規開拓営業
——マーケターとしてのスキルを身につけ、キャリアを積んでいった先に何があるのか。小林さんにはそのあたりのお話を伺いたいと思っています。小林さんはキュービックに入社されるまで様々なご経験を積まれていますよね。
小林:はい。最初は中途採用系の求人広告の営業会社に入り、新規開拓営業を徹底してやっていました。たとえば、1日に100本以上電話をかけて「求人広告の提案をさせてください」といったようなことも。ここで2年間くらい経験を積んでいたのですが、リーマンショックの影響で会社が潰れてしまって。
次にどうしようかなと思った時に、リスティング広告など、いわゆるデジタルマーケティングに触れる機会がありました。それまでやってきたアナログのマーケティングと違い、デジタルマーケティングでは入口から出口まで全てデータが取れますよね。デジタルのほうが、定量的に判断するためのデータを集めやすい。設計を工夫すればある程度可視化できますから、検証にも役立ちます。このあたりが性に合っていると思いました。
相性の良さを感じ、アナログの世界からデジタルマーケティング領域へ
——それがデジタルマーケティング領域に進むきっかけになったのですね。
小林:そうですね。転職した広告代理店ではそれこそ「リスティング広告とは」という基礎のところから始めて、デジタルマーケティング領域全般に携わることができました。
最初の会社で営業を経験していることもあり、そのうちフロント役も任されるようになったんです。自らクライアントさんのところに行って「どういうことにお困りなんですか?」とお話を伺って。「ターゲットとするユーザーに対してはこのような広告の出し方がいいのではないですか?」とプランニングをして、実行していく。この会社には7年間ほど在籍しましたが、この繰り返しを通じて自分自身でマーケターをやっていく力がついたと思います。
——なるほど。そして3社目、でしょうか。
小林:はい、厳密に言うと、独立してフリーランスのマーケターになり、企業に所属した、という形ですね。ここでは1年半くらいです。フリーランスとして働くのは初めてでしたが、自身の裁量で意志決定できるのはいい経験になりました。ですが、その一方で、業務の内容が「自分がいまできること」の切り売りになっているような気がして……。もっと高いスキルを培う、より大きな仕事をやっていく、自分のキャリアを広げていく。そうしたことを目指すなら、会社組織に戻るのが自分には適しているんじゃないかと思いました。
そうして転職活動を始めたのですが、「広告代理店」のカテゴリーの中にキュービックが入っていて。それがキュービックとの出会いです。他社と比べると、キュービックだけが自社集客を担っていて、自身の裁量で事業自体を大きくできる可能性を感じました。
また、オフィス見学の際に、ホワイトボードを使って活発に議論を交わしている様子、社外の人であってもすれ違う人に挨拶する様子などを見て、雰囲気の良さを感じました。こういう会社なら、まとまりをもって同じ方向を向いて仕事ができそうだな、と。
クライアントの希望を満たすための「How」の段階から任せてもらえる
——実際にキュービックで働き始めてからは、いかがでしょう。キュービックに転職する際のきっかけの一つに「より大きな仕事をしたい」という気持ちがありましたよね。
小林:単純に事業規模で考えても、大きな仕事ができているなと感じます。フリーランス時代は1件につき予算は数百万円でしたが、現在は1億円を超える案件もありますので。予算が大きいと、マーケターとして立てられるプランニングの幅も広がりますし、新しい媒体、新しい広告手法に挑戦できる予算的なゆとりがありますよね。たとえば、予算が少なくて検索広告だけしかできない案件がある一方、予算が潤沢にあって検索広告にディスプレイ広告や動画広告、SNS広告などを絡めたプランニングが検討できる案件もあります。
——広告運用の業務において、広告代理店での仕事とキュービックでの仕事では、具体的にどのような違いがあるのでしょう?
小林:あるクライアントさんが1000万円の予算で広告を検討しているとしますよね。多くの代理店がおそらくそうなっていると思うのですが、たとえばリスティング広告に500万円、ディスプレイ広告に300万円、SNS広告に200万円、みたいな形で細かく決められているのが一般的です。ですが、キュービックでは、クライアントさんの希望を満たすための「How」の段階から自分たちに委ねられているイメージ。1000万円の予算をどう振り分けるか、そのプランニングから任されています。
——予算の配分まで決めることができるということですね。
いわゆる広告代理店では、広告運用者として広告パフォーマンスを伸ばすにはどうすればいいか、必要な対応は何なのかを考えることが求められます。良くも悪くも、絞った形での業務ですね。
一方キュービックでは、広告運用者でありながら事業推進者になれる。広告の枠に収まらない形でいろいろなことに携わることができる。ここが大きな魅力なんじゃないかと思いますね。
当初は苦労した立ち上げ事業。2年で売上7000万円まで引き上げた
——「広告運用者でありながら事業推進者になれる」という表現が興味深いです。
小林:キュービックは成果報酬ビジネスでいろんなジャンルのサイトを持っていますよね。私は「総合転職ジャンル」(「キャリアタウン」)の立ち上げ期に関わっているんです。入社が2016年7月ですが、立ち上げは2017年1月です。
——えっ、そうなんですね。いまはもう会社を代表するメディアになっていますよね。
小林:はい、当時は薬剤師に限ったメディア(『HOP!ナビ 薬剤師』)は存在していたものの、転職市場を網羅したメディアはなくて。一般の転職者まで広げれば薬剤師よりもターゲットの母数は圧倒的に増えるので、ここの市場を取れれば会社に対して貢献できるという狙いでした。
最初の立ち上げから半年ほどは単月で200万円の赤字だったようです。2017年7月に体制変更があり、そこで私と数人が投入されたのですが、その2年後には売上7000万円まで引き上げることができたんです。
赤字を黒字にするために徹底的に考えたのが、どの市場だったらキュービックが勝てるのかということ。総合転職メディアではありますが、「転職」という大きなワードではなく、「20代」「40代」と年代ごとに訴求を変えてみようという取り組みをしたんです。たとえば転職時に不安に感じることって、20代の人と40代の人とでは内容が違いますよね。そうした違いを明確にした上で、20代の人にはこういう広告、40代の人にはこういう広告……というふうに回していったんです。すると、この施策がハマり、一気に事業が伸びていきました。
マーケットを細かく切り取って、それぞれのマーケットに対してどういう広告を打つのかを愚直に考えることができている。それも、優秀な人材が集まったチームで。これはキュービックで働けていることの喜びにつながっていると思います。
探究心を持って日々トライアンドエラーに取り組みたい
——広告運用において多くの経験を積んできた小林さんですが、今後のビジョンについても教えていただけますか?
小林:キュービックはユーザーのインサイトをキチッと獲得していくことを大事にしています。その過程でデジタルの力をどう活かせるのか、この点についてもっと研究していきたいと考えています。「マーケターの仕事は市場を作ることである」とよく言われますが、わかりやすく言うなら、「必要な情報を必要な人に届けること」ですよね。これを、デジタルの力で解決できるようになりたい。
私は昔から、何かが流行っていると、「なぜ流行っているのかな?」って気になるタイプで。「なぜ」を解明するために自分も実際に体験してみるんです。興味関心が強く、何事にも追究、探求したいという気持ちが、行動の源泉になっているのかもしれませんね。
現在のトピックで言うなら、大手検索サイトが進めている機械学習が気になるところのひとつ。クライアントの集客を自社のメディアを通じて実現するためには、適切なタイミングで必要とする情報をユーザーへ提供しなければなりません。広告の自動入札はまさにそれを実現する上で、最適な手法です。これを日々、地道にトライアンドエラーしながら改善していく。こうしたことに楽しみを感じてくれる人とは、ぜひ一緒にやっていきたいと思っています。
マーケターの枠から出てしまうかもしれませんが、クライアントの課題に応えるという意味では、ユーザーに本質的な情報を届けるには広告以外の方法も十分に考えられます。SNSやYouTube、雑誌など、相乗効果を考えながらさまざまな方策を提案していきたいですね。キュービックにはメンバーがやりたいと思うことを後押ししてくれる文化もあります。私たちがチャレンジしていくべきことは、まだまだたくさんあると思っています。