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ゼルダの伝説が教えてくれた「諦めない心」:株式会社CUBE、金森社長の創業ストーリー

「さまざまな壁を乗り越えてきたから、今、私はここで笑顔で働けています。ゼルダの伝説が、私を勇気づけて、ここまで導いてくれました」

そう穏やかな表情で語るのは、株式会社CUBE(以下、CUBE)の代表取締役、金森 清美(かなもり きよみ)さんです。

今でこそ、多くのお問合せをいただける大阪のホームページ制作会社として、第一線で活躍を続けるCUBEですが、ここに至るまでには、さまざまな困難があったと話してくれました。

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[執筆・校正]株式会社ストーリーテラーズ 栗田 加奈子 
[取材]   株式会社ストーリーテラーズ 本部 友香 
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立ちはだかる困難は「攻略対象」:金森社長の原点と挑戦

「『頑張れば何とかなる』ということを、私はゲームから学びました。

会社員時代、とにかく上司が厳しくて、理不尽な行為を受けることが多くありました。泣きながら家に帰る夜もありました。それでも諦めずに頑張り続けることができたのは、ゼルダの伝説をプレイしたおかげです」

ゼルダの伝説では、数々の試練や謎解きを乗り越えながら、お姫様を救出するというゴールに向かってプレイヤーは進み続けます。そのゲームが持つ「挑戦」と「乗り越える楽しみ」が、現実の困難に立ち向かう力を与えてくれたと話す金森さん。

何度もくじけそうになった。

心無い言葉を浴びせられることもあった。

そのたびに、自分を鼓舞し、頑張ってきた。

「今、こうして穏やかな環境で優しい仲間に囲まれながら仕事ができているのは、その経験があるからだと思います」と、金森さんは語ります。

金森さんは、一体どのような想いで株式会社CUBEを立ち上げ、どのような困難を乗り越えてこられたのか…会社員時代のエピソードを交えて、その経験を振り返っていただきました。

変わる勇気、生まれ変わる力:金森社長の転機と決断

「起業前の時代は『ブラック企業』という言葉も馴染みがないくらい、ブラックが当然のようなもので、残業や終電はもちろん、休日出勤も当たり前でした。私は終電を気にするのが嫌で、原付で通勤していました(笑)」

当時のことを振り返りながら、懐かしそうに、そしてどこか楽しそうに話す金森さん。

金森さんは、厳しい環境の中でもスキルを伸ばそうと必死になって働きましたが、未経験で入社をしたため分からないことも多く、先輩に色々教わろうとしました。

それでも、「君は何もできないな」と毎日のように言われ、質問をしても「うるさい。あっち行け、俺の手を止めるな」と突き放されてばかりだったと言います。

「そのため、情報を得るために本屋さんに行って、お金がないので専門書を立ち読みさせてもらっていました。インターネットに情報がほとんど載っていない時代だったので、自分なりに工夫して情報を得ていました」と、金森さんは当時を振り返ります。

しかし、なかなか思った通りにはいきませんでした。

金森さんは、どれだけ頑張っても、必死に勉強しても、会社で役に立つ人材にはなれませんでした。心無い言葉を投げてくる先輩や上司、頑張ってもうまくいかない自分への不甲斐なさ、そんな悩みを抱える毎日に、次第に金森さんの心は疲弊し、気力もなくなっていきました。

そして、金森さんは立ち止まります。

「私のこころは、あのとき、一度死にました」

「自分は一度死んだのだ」と語る金森さんは、自己のプライドを捨て、すべてをリセットした後で、会社の常識に従い、全員の役に立つ存在になることを決意しました。

その決意を胸に、朝から晩まで積極的に行動を起こし続けました。事務作業を含むあらゆる仕事を引き受け、どんな雑用でも全力で取り組むことを決めたのです。

その結果、「君の頑張りには脱帽する」と言ってもらえるようになり、徐々に周囲の人からの扱いも変わっていきました。変わらず厳しく当たってくる人もいましたが、金森さんのスタンスが変わっていたため、もう前のように傷つくことはありませんでした。

「自分が全力を尽くしているからこそ、相手の言動も『一緒に頑張っている仲間の言葉』として受け止められるようになりました」と金森さんは語ります。

この経験は、金森さんにとって、自分を見つめなおし、新たなスタートを切るための大きな転換点となりました。

プログラムからデザインへ:新しい挑戦への第一歩

ちょうどその頃、金森さんが一人で案件を担当する機会が巡ってきます。

「お客さまの要望を直接伺い、仕様書を作成し、開発するまでの全工程を一人で完結するチャンスがあり、それがとても楽しかったのを覚えています」

この経験を通じて、金森さんは強く思ったそうです。

「もう、ただのプログラマーには戻れない」と。

金森さんにとって、それほどまでに衝撃的で、充実した経験だったと話してくれました。

「お客さまの困っていることややりたいことを聞き、自分の感性を使ってカタチにすることが、本当に面白かったんです。Web制作は、人の感性に触れ、心を動かす力があると感じました。だから私は、システム開発よりも、デザインを含むWeb制作の道を選びました」

金森さんは、当時をこう振り返ります。

「自分が会社を経営している今でも、会社内での自分の役割がなくなったときに人は辞めていくものだと感じています。私もそのとき、ちょうどそのポイントにいました。当時所属していた部署のシステムプロジェクトが一段落し、空白となるタイミングがあったんです」

そして、金森さんは新しいことに挑戦しようと思い、起業する決意を固めました。

システム開発からWeb制作の道に進んだ金森さんですが、その前はまったく違う業界にいました。それは、病院の医療事務です。

その職場も厳しく、上司が突然椅子を蹴るなどして厳しく当たり、多くの人が辞めていったそうです。しかし、金森さんがこの厳しい状況を乗り越えて仕事を続けることができたのは、ゼルダの伝説の存在があったからだと言います。

「ゲーム内ではお姫様を見つけるための鍵を探すんですけど、それがなかなか見つからなくて…。それでも諦めずに頑張ることで最終的に見つけ出せるという経験が、仕事においても役立ちました。『頑張れば何とかなる』という思いを持ち続けることで、医療事務の業務を3ヶ月でマスターし、周りからも認められるようになりました」

金森さんはこの経験から、嫌なことから逃げずに立ち向かい全力を尽くすことで、次のステップに進めることを学びました。その後、1年間調剤薬局の立ち上げを手伝った後、プログラマーへの転職を果たします。

諦めなければ道は開ける:逆境を力に変えて手に入れた、自分の居場所

「起業してからも順風満帆とはいきませんでした」と笑って話す金森さん。

25歳で初めて人を雇う立場になった時、立場として自分は社長だけど、雇うスタッフは私よりも経験があり、私よりも年上のスタッフばかりで、彼らとのコミュニケーションの正解が分からず困ったそうです。

「『自分ができるから』『自分がこれだけ頑張ってきたから』と、自分自身を投影してもうまくいかないということを、このときに学びました」と金森さんは言います。

それでも、事務所の移転や株式会社への移行など、事業は着々と軌道に乗り、ついには20年続くホームページ制作会社として、たくさんのお客さまとの繋がりを築くところまで会社は成長しました。

「諦めなければ道は開けるということを、私は自身の経験を通して学びました。そして今私は、『CUBEの職場環境は心地良い、働きやすい』と言ってくれる仲間に囲まれています。厳しい環境で働いてきた自分だからこそつくれた、最高の居場所だと思っています」と金森さんは語ります。

他の人なら諦めてしまうような状況で、決して心折れることなく、芯を持って前進し続けてきた金森さん。

株式会社CUBEは、金森さんのリーダーシップのもと、きっとこの先も諦めずに、自分たちのペースで、前へ前へと進み続けていくのでしょう。

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