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2013年に創業したCricoは今年で12年目を迎えます。
ゲームのアート(イラスト・アニメ―ション等)制作から始まった事業は、その後ゲーム開発事業や次世代エンターテイメント開発(AR・VR/メタバース等)、人材ソリューション事業へと広がってきました。取引先数も600社を超え、2025年現在さらに大きく飛躍する拡大フェーズを迎えています。
今回の記事では、事業の多角化と規模拡大をつづけるCricoの現在地について、その転換期ならではの面白さや、フェーズが変わっても創業以来貫いてきた『クリエイターを支える』という原点の想いについて、市川代表にお話を伺いました。
事業の多角化が進む中でも変わらない「クリエイターを支える」という想い
― 改めて、創業からこれまでのCricoの変遷について教えてください。
もともと私自身は、クリエイターとしてキャリアをスタートして、ポケモン関連のゲーム開発などに携わってきました。好きなことを仕事にできて日々充実していましたが、30歳の頃、特に強味がなく中途半端なスキルがいくつかある器用貧乏なクリエイターになっていました。その原因は、自分が「どうしてもこれを作りたい」「こういうクリエイターになりたい」というビジョンが乏しいことであると気づいたんです。
周りには強いビジョンを持った素晴らしいクリエイターがたくさんいましたが、私は自分の作りたいものより、そうしたクリエイターたち自身と、彼らがつくるものの方に興味がありました。
ですから、自然とクリエイターを支える側に回ったほうが自分の力を活かせるんじゃないかと考えるようになりました。今思えばそれが、起業を決意するにいたったきっかけです。
Cricoは今から約12年前、私が自宅の一室で立ち上げた会社です。最初はイラスト制作からスタートして、当時伸び始めていたスマホゲーム市場の流れに合わせて、アニメーションや3DCG、動画など提供できるサービスを徐々に広げていきました。技術トレンドやクライアントのニーズに合わせて、必要とされるものを柔軟に提供していく、というスタンスを大切にしてきました。
その後、ゲーム開発や次世代エンターテイメント(XR、メタバース等)開発、人材事業などにも展開し、現在は「ゲーム開発」「アート制作」「次世代エンターテイメント開発」「人材ソリューション」の4本柱で事業を展開しています。
Cricoの多岐にわたる支援領域
― 事業を多角化してきた背景にはどのような意図があったのでしょうか?
多角化の背景には3つの理由があります。
1.ゲームをつくるために必要だから。
ゲーム開発ができる会社にしたいと創業当初から考えていました。ゲームは総合芸術的な側面があり、価値のあるゲームをつくり続けるために、さまざまな個性と技術をもったチームが必要です。そのために事業として少しずつできることを増やしていきました。
2.市場の変化に柔軟に対応するため。
ゲーム業界の流れは非常に速く、技術トレンドもユーザーの嗜好も数年でガラリと変わります。強力な自社IPや特許があれば別ですが、私たちのような制作会社が一つの分野だけに集中していると、いずれ行き詰まるリスクが少なくありません。そうした市場環境で成長を続けるためには、一つのことを伸ばすよりも、小さな事業の柱を複数増やしていく方が得策なのです。
3.クリエイターに多様な機会を提供するため。
現在、社員は約40人で、パートナー登録をしているクリエイターは2200人以上です。それぞれがユニークな個性とスキルを持った方々で、表現したいことや習得したいスキルもさまざまです。事業を多角化することで、そうした一人ひとりによりマッチした機会を提供できる可能性が高まります。
例えばスマホの進化によってゲームのノウハウを横展開できる領域が広がり、AR・VR、メタバース、NFT、VTuber、動画といった幅広い領域で機会を提供できるようになりました。また、新規事業の立ち上げによって新しいポストも生まれるため、若手の方にも昇進のチャンスが広がります。
多角化というと攻めの戦略に聞こえるかもしれませんが、私にとっては「守りながら挑戦を続けられるようにするための土台づくり」でもあります。現在の4本柱の事業も相互に連携してシナジーを生み出せる段階まで成長しました。そのおかげで、次の挑戦としてさらなる事業拡大に踏み出せる手応えを感じています。
会社もメンバーも「やってみたい」にチャレンジできるのが今のフェーズ
- ここまで事業についてお話しいただきましたが、Cricoの組織としての特色についても教えてください。
まず一つ大きい特徴は、リモートワークを基本にした働き方をしているという点です。プランナーや営業、管理チームなど成果が形として見えづらくコミュニケーションが重視される職種については、基本的には週に2回出社してもらっています。それ以外の職種は在宅勤務が基本です。
こうした環境なので、一人で仕事を進めることに抵抗がなく、自走できる人が向いていると思います。もちろん、新入社員には自走できるようになるまでしっかりとサポートします。誰かに言われて動くのではなく、自分で課題を見つけて行動できる人、そして好奇心が強い人がCricoには合っているでしょう。
逆に、指示を待つタイプの人にはあまり合わないかもしれません。Cricoはまだ若く、規模も大きくない会社です。その分、組織として柔軟性があります。自分から動ける人の方がフィットしやすいですし、そういう人にとっては自由度が高く、やりがいも感じやすい環境だと思います。
- 「自由度が高い」「好奇心が強い人が向いている」という点について、もう少し詳しく教えていただけますか?
組織としてまだ固まりきっていない分、自ら動くことでチャンスを広げられる高い自由度があると思います。既存の役職に当てはまるだけではなく、自分の動き方次第で新しい役割を生み出せる環境です。
事業領域も複数あり、それぞれの中で扱うジャンルや案件の種類も非常に幅広いです。例えば、イラスト一つとってもSD系からリアル系までありますし、ゲームではハイパーカジュアルゲームから、作り込みが求められるコンシューマゲームまで手掛けています。
さらに受託に留まらず、少しずつではありますが自社オリジナルコンテンツの企画にも着手し始めています。だからこそ、「これまでやってこなかったことにチャレンジしたい」と思っている人にとっては、さまざまな経験ができる場だと思います。
特に今のフェーズは、新しいことにもチャレンジしていける素地ができてきた拡大・変化のタイミングです。若手の方にとっては、自分のスキルの幅を広げたり、得意を見つけたりするいい機会になると思いますし、中堅以上の方にとっては、会社がこれから成長していく過程の中で、自分の役割やチームをつくっていくという挑戦ができます。
好奇心が強くて、「未知のもの・ことに面白がって前向きにとりくめる」っていう気持ちがある人にとっては、Cricoはすごく相性がいい会社だと思いますね。
「今だからこそやれること」にチャレンジできる会社であり続ける
- 今後のCricoの事業展望について、そしてCricoをどんな企業にしていきたいかを教えてください。
まず、事業面では現在展開している「アート制作」「ゲーム開発」「次世代エンターテインメント開発」「人材ソリューション」の4本柱を、さらに太く強くしていきたいと考えています。
それぞれの事業は独立して成長していますが、最近では少しずつ事業間の横のつながり、つまりシナジーも生まれてきています。例えば、人材事業でお付き合いのある企業とゲーム開発のプロジェクトが始まったり、イラスト制作の取引先からゲーム制作の相談をいただいたりと、事業同士が連携して広がっていく動きが出てきています。
今後はそういった事業間の連携をさらに加速させ、新しい価値を生み出せる組織にしていきたいと考えています。そうすることで、コンテンツとクリエイターを軸にこれまでにない形で幅広い開発支援ができる存在になっていけると考えています。
なぜなら、複数のスキルを掛け合わせることで「希少性」と「代替困難性」が生まれ、市場価値が高まると考えているからです。組み合わせ次第で独自性が際立ち、差別化された体制を築くことができます。
そして、どんなに事業が成長して規模が大きくなっても、起業家精神を持って常にチャレンジできる組織であり続けたいと考えています。
また、変化の激しい時代を前向きに生きていくためには、「やりたいこと・やるべきこと・できること」をできるだけ大きく、そしてたくさん持つことが大切だと考えています。会社も私自身も同じですが、社員のみなさんがこの3つを増やし、育てていけるようにお互いにサポートし合えるコミュニティでありたいと思います。