みなさんこんにちは!カバー株式会社採用チームです。
今回は「新卒インタビュー企画」です。
カバー株式会社の技術開発を支えるエンジニアの方々をご紹介します。カバー株式会社というとVTuberのプロダクションというイメージを持たれる方が多いと思いますが、事業はVtuber領域にとどまるものではありません。実はテクノロジーを軸に次世代のエンタメを創造している会社なんです。
そこで働くエンジニアのみなさんはどんな仕事をし、新人の方はどんな活躍をしているのでしょうか。
ひとりでも多くのエンジニアの方に興味を持っていただければ嬉しいです!
■ 「エンジニアのカバー」実現に向け、新設されたCTO室
——今回はCTO室からおふたりのエンジニアの方に来ていただきました。最初に自己紹介をお願いします。
Aさん:2023年4月に新卒で入社し、現在CTO室に所属しています。
Kさん:2019年5月にインターンで入社し、2021年に新卒入社して正社員となりました。現在はCTO室所属でマネージャーを務めています。
——CTO室の説明をお願いしていいでしょうか。
Kさん:2023年10月に新設された部署、エンジニアチームの課題を横断的に見る部署になります。組織としてはまだ進化中なのですが、大きく分けて3つの役割があります。
1つは、長い視点で新しい技術の開発や検証を行い、成果を配信アプリやメタバースなどの開発チームに還元していくことです。日々の開発はどうしても目先の運用やアップデートに集中せざるを得ないので、なかなか長期的な目線での技術開発ができません。CTO室では、技術的に難しいけれど導入してきたい技術などをいち早く検証し、その成果を現場と共有しています。
もう1つは、各チームのエンジニアの交流を促し、スキルアップや目標共有、情報交換を活発にしてエンジニア同士のコミュニケーションを盛り上げていくことです。チームが異なるとなかなか接点ができないのですが、部門を超えた交流機会を増やし、社内外への発信力を強化したいと考えています。
最後に、これらの活動を進めるうえで、チームを超えたプロジェクトのマネジメントを行ったり、開発リソースとして参加したりなど、柔軟に動いてエンジニアたちを支える役目を担っています。
——Aさん、Kさんがどんな仕事をしているのか教えてください。
Aさん:入社後は、所属タレントさんたちが日常のYouTube配信で使う「ホロライブアプリ」の開発に携わっていました。また入社して半年ほど「AIこより」システムの開発も担当していました。昨年10月にCTO室に部署が変わり、引き続き「ホロライブアプリ」の開発を進めるかたわら、最近はメタバース事業にも関わっています。
Kさん:私も入社当初から「ホロライブアプリ」の開発運用に関わっていて、インターンのときからいくつか新機能の実装なども担当していました。新卒として正社員入社してからは、「ホロライブアプリ」の開発チームリーダーとして開発を主導し、大きな改修なども行いつつ、さまざまな機能実装や運用上の課題開発に取り組んできました。
去年の10月にCTO室のマネージャーとして配置転換し、「ホロライブアプリ」の運用からは一旦離れ、メタバース関連のプロジェクトの進行のほか、エンジニア組織の課題解決に取り組んでいます。取り組みとしては、情報共有の活性化に向けたLT(Lightning Talk)会の開催や社外に向けてのミートアップイベントの企画・実施、社内向けでは技術ブログの実施やアドベントカレンダーの実施などを行っています。
■ 新卒社員が「AIこより」の開発を1人で担当
——これまで特に印象に残っている業務、チャレンジングな取り組みだったものはありますか?
Aさん:「ホロライブアプリ」はUnityで開発しているのですが、それまでUnityを本格的に使ってアプリを開発したことはありませんでした。また入社時点で、実務レベルで使用できるプログラミング言語はPythonのみで、Unityでの開発に用いるC#は経験がありませんでした。入社後にこの2つを本格的に学んだことが大きなチャレンジでした
もう1つはAIこよりシステムの開発です。所属タレントの博衣(はくい)こよりさんから「自分のキャラクターを模倣したAIを作りたい」というご要望をいただき開発したのですが、システム設計や実装は1人で担当しました。もちろん開発の計画や設計の見通しなどは、メンターの先輩社員やKさんにも相談させていただきました。フロントはUnityで開発し、バックエンド側はAWS上に構築したのですが、実は学生時代に別の会社でインターンをやっていた時、AWSを触った経験があったので、その経験が活きたと思います。
開発の経緯や詳しいシステムの概要については以前投稿したnoteにも記載しているので、そちらも併せてご覧ください。
——すごいですね。反響はいかがでした?
Aさん:反響は大きかったです。技術的には大したことはやっていないのですが、こよりさんがとても上手に見せ方を工夫してくれました。私も配信を見ていて、改めてタレントさんの人気や影響力のすごさを実感しました。
——ありがとうございます。Kさんはいかがですか?
Kさん:入社後に「ホロライブアプリ」を大改修を行なったことが一番印象に残っています。すでに一通り動くものができていたのですが、今後も機能追加が予定されていたため「一度屋台骨から全部作り直そう」ということで、設計から開発まで私が全部担いました。
感慨深かったのは、3Dのバーチャル空間でタレントさんの3Dモデルが動いて配信できるホロルームを実装したこと。バーチャル空間を使った新しい表現を目指したもので、その後も機能を追加し、最終的には複数人のキャラクターがリアルタイムコラボレーションができるようになりました。あれは感慨深かったですね。
また、業務でゼロからアプリを設計できる貴重な体験でもありました。実際に運用しているアプリなので、事前に想定していた仮説なども検証できますし、自分が考えたアイディアのどこが良くてどこが間違っていたのかを実証できるので、自身にとっても大きな経験、知識が付いたと思います。
■ 技術でエンタメを支えたい、インタラクティブシステムをやりたい——カバーへの入社を決めた理由
——ここからは、おふたりの学生時代のお話や就職活動について伺いたいと思います。Aさん、Kさんは学生時代にどんなことを学んでいたのですか?
Aさん:大学時代は神経科学や制御工学を学んでいました。そこからニューロンの数理モデルとしてのパーセプトロンやニューラルネットワークへと興味が湧き、卒業論文では深層学習に関連した内容を扱いました。また大学院ではコンピュータビジョン系の研究室に進み、画像処理を行う深層学習モデルを扱った研究をしていました。
Kさん:私は高専で機械工学を学んだ後、大学では機械情報工学科に編入しました。そこで自分でプログラミングする頻度が増えて、ゲームやアプリを作るようになったんです。研究室ではセンサーの研究や、VR・ヒューマンコンピュータインタラクションの研究を行いました。
——就職活動で軸にしていたことを教えてください。
Aさん:私はもともとエンタメ業界を希望していました。自分が勉強してきた技術を活用して派手で楽しめるものを作りたい、支えたいと思っていました。
——カバー株式会社のことはご存じでしたか?
Aさん:VTuberをよく見ていたので、カバーのことも知っていました。でも自分が就活していた当時はプロダクション事業が目立っていて技術系の雰囲気を感じず、あまり強い入社意思はありませんでした。
ところが2月に開催された就活イベントで、取締役CTOの福田一行さんと直接お話しできる機会があったんです。その時、実はカバーは内製でいろいろなものを開発しているというお話や今後の展望などを聞かせていただき、面白そうだなと感じました。新卒採用も本格化し始めたころで「第一弾の新卒社員として入社したら面白いな」とも思ったんです。これが決め手となりました。
入社を決めたことを家族に話すと、親世代にとってはよくわからない分野なので少し心配はされましたが、反対はされませんでした。いまは生涯1つの企業に勤め上げるかどうかもわからない時代ですし、「別にいいじゃない」という感じでした。
——ありがとうございます。ではKさんですが、Kさんはそもそもなぜインターンで当社に来たのですか?
Kさん:私の場合、もともとインタラクティブシステムやVRに興味があったんです。ただゲームには興味がなかったので、就活の時はメディアアートやVRラボを持っている企業を回っていました。
インターンを決めたのは修士1年生の5月でしたが、アルバイトを一旦辞めていた時で、次のバイト先を探していたんです。カバーの2期生がちょうど出たくらいの時期です。インタラクティブシステムに興味があったのでVTuberにも興味があり、「どこかでインターンを募集していないかな」と見ていたところ、カバーが募集していることを知って応募しました。当時、社員数は20名くらいだったと思います。
——そのまま新卒で入社された理由は?
Kさん:ほかの内定もあり、最後の最後まで迷ったのですが、その時ホロライブがかなり盛り上がって会社の状況が面白くなっているところだったんです。インターンでやっていたアプリ開発も楽しかったし、自分がやりたいと思っていたこととかなり近かったので、好きなことを仕事にできるチャンスと考え、思い切って入社しました。
——インターンから社員になったことでの変化はありましたか?
Kさん:フルタイムになったのでコミットできる強度が上がったのですが、組織的にも権限も業務内容もそれほど大きな変化はありませんでした。うちの会社は、良くも悪くもインターンと社員の区別はあまりないですし、コロナ禍でリモートワークが多かったので、その点でも大きくは変わりませんでした。
■ プロダクションだけではない、「技術力のカバー」の魅力を伝えたい
——今後の目標をそれぞれ教えてください。
Aさん:入社して1年足らずで既に様々な業務を任せていただいていますが、正直まだまだ技術も経験も足りていないところが多くあると感じています。自分のできることを増やし、それがカバーのできることになればいいなと思うので、まずは勉強できる機会を積極的に掴みつつ日々の業務をこなし、自分のできることをどんどん広げていきたいと思っています。
Kさん:さきほどAさんもちょっと話していましたが、「カバーはVTuberのプロダクション」というのが多くの方の認識だと思います。でも、実はカバーは技術でいろんなことを実現してきた会社でもあるということを社外の方に知っていただき、カバーのエンジニアや技術力のプレゼンスをさらに上げていきたいと考えています。
ただ、それにはいくつか課題があります。1つは社内の交流が進まず、エンジニアの社員自身が「カバーはエンジニアの会社だ」とあまり感じていないこと。その意識を変えていくために、社内のエンジニア同士のつながりを活性化したいと思っています。なので新卒の方はもちろん、この記事を読んで当社に興味を抱いたエンジニアの方からもどんどん応募していただければ嬉しいです。
プロジェクト面では、今後加速するメタバース事業で頑張りたいと考えています。私はアバターを中心に見ることになると思うのですが、バーチャル空間でのアバターコミュニケーションは学生時代の研究分野とつながりますし、アバターを通していままでなかった新しく楽しいコミュニケーションサービスを実現したいですね。
——最後に就活中の方、カバーに興味がある学生さんに向けてメッセージをお願いします。
Aさん:自分の新卒の同期を見ていると、自分が興味を持ったこと、好きなことに対して積極的に行動してきた人が多いと感じています。就活のために何か特別なことをした方がいいというわけではありませんが、いろんなことに興味を持って行動するのはいいことだと思います。
私自身、何でも経験することは大切だと考えています。経験は腐らないと思うし、必ず何かの役に立つので、自分から行動し、たくさん経験しておくことがいいと思いますね。
Kさん:私も、うちの会社で活躍している人は「自走力」がある人が多いなと感じています。自走力とは「自分でどんどん進んでいける人」という意味で、この言葉どおり、いろいろな提案や発言ができる人に来ていただきたいです。ありがたいことに会社も大きくなり、そうした発言や提案を受け止める体制もできています。人材育成カリキュラムは先行する他の大企業には追い付いていない部分もありますが、Aさんのようにすぐに現場で活躍してもらったり、大きな仕事を任せられたりとすることは多いので、自分のやりたいことをすぐに始めたいという方には向いているでしょう。
あとは、好きなことを持っていること。技術やジャンル問わずに好きなことがある人はそこから活躍できますし、好きなことを仕事に活かしていけます。「自分が好きなことをこうやって活かしたい」というイメージを持っている方は、もしかすると当社でそれが叶えられるかもしれません。
——ありがとうございました。
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