8月のある日、突然スタンフォード大学から「クーガーが手がけているAIプロジェクトのバーチャルヒューマンエージェントについて講義してくれない?」という連絡が。
このAIプロジェクトについては、2018年に入ってからニューヨーク、サンフランシスコ、トロント、ベルリン、シンガポール、香港、上海など海外でのイベントでも発表(紹介)され、国内外のメディアでも取り上げられてきました。で、今回スタンフォード大学からも講義オファーが。
スタンフォード大学から注目された、クーガーが作るバーチャルヒューマンエージェントってどんなもの?
一言で言えば「AIのキャラクター」
ただのAIキャラクターではありません。大きな特徴は以下の通り。
物体認識による「視覚」や音声認識による「聴覚」を持つことで、現実世界にある物や人に反応したり、会話のやり取りが可能。しかも物体認識の速度はできるだけ速く、音声認識でも「OK Google」や「Hey Siri」のようなウェイクアップワードを必要とせず話しかけられるよう「スムーズにコミュニケーションが取れる」仕組みにしています。
百聞は一見に如かず! 実際に動画を観て頂ければ一発でイメージを掴んで頂けると思うので、ぜひご覧ください。
▶︎動画1
https://www.youtube.com/watch?v=RQeKM2XOmos&t=14s
・カメラで人物を認識したり
・家電と連動したり
・天気やカレンダーの情報と連動した会話ができたり
・モニターとスマホの間を移動したり
・スマホのカメラで物体を認識したり
・人物を見つけると近づいたり
・呼びかけると振り向いたり、こっちに来てくれたり
▶︎動画2
https://www.youtube.com/watch?v=Xtx3oMSg7J4
・一緒に部屋まで移動したり
・スマホを閉じるとスクリーンに等身大で現れたり
・家電と連動して最適な状況を提案してくれたり
▶︎動画3
https://www.youtube.com/watch?v=0Ys3Z2EYxS4
・会議室に2人増えたことを認識したり
・部屋にペットボトルの飲み物が2本以上あることを認識したり
・目の前にいるスタッフに、飲み物を持っていくことを提案したり
感情・記憶を持つということ
視覚や聴覚と併せた(またはそれ以上の)特徴としてバーチャルヒューマンエージェントが持つ要素が「感情や記憶」
これまでに起こった出来事やコミュニケーションの影響を伴うリアルな表情変化や感情表現を兼ね備え、良い意味でバーチャルらしからぬ「人間的」な存在を目指して開発しています。
なぜ作るのか、なぜリアルに作るのか
バーチャルヒューマンエージェントを作る理由は「新しいインターフェース」になるから。
ボタン→コントローラー→キーボード→マウス→タッチパネル→スマートスピーカーというように、インターフェースは着々と進化を遂げてきました。数年先にあるべきインターフェースを本気で考えた結果、人間のような存在=バーチャルヒューマンエージェントだろうという結論に。
感情や記憶を伴うリアルな存在として作る理由は「信頼できる存在」にするため。
スマートスピーカーとも自然なやり取りが可能になってきていますが、顔(表情)が見えない分、どこか無機質な印象が拭いきれません。顔を知らない相手との会話ではいまいち心が開けないのと似たような感覚。
また、もし顔が見えたとしても感情表現が無いロボットのような存在では、同様に心は開けないでしょう。むしろ顔が見えるのに無表情な分「何を考えているかわからない=不気味」といったマイナス印象を与えかねません。
クーガーの手がけるバーチャルヒューマンエージェントは、人間にとって都合よく命令を聞いてくれるだけの存在にはしません。あらゆる状況を認識・判断し、ユーザーにとって最適な提案(提供)をしてくれる存在を目指して開発しています。
提案(提供)されたものをユーザーが違和感なく自然に受け入れるために重要なポイントは「信頼」です。バーチャルヒューマンを信頼しているか。バーチャルヒューマンが信頼できる存在になっているか。そのために、感情表現豊かに、記憶という概念も取り入れてリアル志向で作っています。
※ゲームAIの知見に長けたメンバーやインド人データサイエンティストなどが集まり、行動心理学や情動の仕組みなども研究しながらプロジェクト進行中。ヒトはなぜこういう反応をするのか、こんな状況の時に脳はどんな思考や判断を行うのかなどなど、探究心溢れるディスカッションを重ねながら開発しています。
そんなバーチャルヒューマンエージェントがスタンフォード大学に
現地時間の10月11日。クーガーCEO石井と、ブロックチェーンエンジニアの石黒がスタンフォード大学に登壇し、バーチャルヒューマンエージェントについて講義します。
▶︎スタンフォード大学の紹介ページ
https://asia.stanford.edu/virtual-human-agent-for-smart-city-october-11-2018/
なぜAIエージェントの講義なのにブロックチェーンエンジニアが?と疑問に思った方がいるかもしれませんが、その理由は別の機会に改めて。
クーガーでは、このバーチャルヒューマンエージェントを一緒に作る仲間を募集しています!