2022年秋ごろから、Twitterスペースを活用した情報発信を行ってきました。
Twitterスペースとは、音声を使ったリアルタイムの会話ができるTwitterの機能です。
毎回、さまざまなバックグラウンド、得意領域をもつ社員をスピーカーに、カジュアルな対話をオープンな形で公開しています。
今回は、Twitterスペース「そもそもワーク」活動背景、これまで取り上げてきた対話の一部を簡単にレポートします。
オープンな対話の場の設定
コンセントでは、求職者が応募を検討している段階で、事前にコンセントで働く社員と直接話をする機会(カジュアル面談)を設けています。お持ちの専門性や経験を、コンセントという環境でどのようにひろげていけるか、一緒に働くことで生まれる価値や可能性は何かを模索するために、お互いに情報交換する場です。
面談の希望を多くいただくようになり、さまざまな方との対話の中で、コンセントが実践するサービスデザインの理解の難しさや、面談希望者からの質問に答えるデザイナー一人ひとりの考え方の多様さに、改めて気づかされました。
そこで、1対1の面談ではなく、コンセントやデザイナーの仕事・働き方についてオープンに語る機会をつくろうとスタートしたのが、このTwitterスペースの試みです。
サービスデザインの仕事を掘り下げる「そもそもワーク」
シリーズ全6回の共通テーマは、「サービスデザイナー」の仕事。
コンセントのサービスデザイナー 小山田・園木と議論を重ね、Twitterスペースでの対話の方針を考えました。
サービスデザインに取り組む中で高頻度に「そもそも……」という言葉を使う機会が多いことと、サービスデザインの仕事は不定形で説明がしにくいので、根っこで考えていることを伝えたい、という2つの意味で「そもそもワーク」と名付けました。
「サービスデザイン」は、 企業や行政に導入が推進されており、次第に耳にする機会が増えてきています。しかし「サービスデザイナー」という職種はまだまだ耳慣れない職業だと思います。
サービスデザインという考え方は包括的な視点で物事を捉えていく、という特徴があるため、活動のスコープが広くなる傾向がありますし、エージェンシーであれば特定の事業ドメインに限らず支援をさせていただく機会も多くますます捉えどころがなくなります。
サービスデザインの仕事に興味を持っていただく機会もよくあるのですが、一言で説明することがとても難しい!ことをよく感じます。このコンテンツで少しでも理解が深まれば幸いです。
“Twitterスペースでサービスデザイナーの働き方を紹介しています | 小山田那由他” より引用
これまでの対話をご紹介
初回は小山田と浅野によるプロトタイプとして開催。2回目以降から、毎回異なるスピーカーを迎えて対話してきました。
テーマのラインナップ
- vol.1 サービスデザイナーの働き方
- vol.2 サービスデザイナーとキャリアのつくり方
- vol.3 デザインと学び
- vol.4 デザインとジョブチェンジ
- vol.5 デザインと考える・つくる
- vol.6 デザインとビジョン
全6回実施した中で特に、サービスデザイナーのキャリアや働き方の話が中心となった回を3つピックアップして、内容を少しだけご紹介します。
vol.1 サービスデザイナーの働き方
Speaker / 小山田那由他
コンセントでサービスデザイナーとして働くことについて、小山田のこれまでのキャリアや現在の仕事、具体的なプロジェクトの例に触れながら話をしていきました。エディトリアルデザインの領域でキャリアをスタートした小山田は、自身の活動領域を広げ、現在はサービスデザイナーとして、民間や行政、業界や業種もさまざまなクライアントとのプロジェクトをリードしています。
サービスデザインのプロジェクトで共通するのは、ユーザーをはじめとする「人」を中心にして問題や課題を紐解き、解決の方向性を定めていくこと。サービスデザインの考え方やアプローチ、また、デザインエージェンシーという立場でデザインを実行する面白さについてもお話ししました。
[vol.1音声アーカイブ] https://twitter.com/i/spaces/1yoKMWyvOQeJQ?s=20
vol.2 サービスデザイナーとキャリアのつくり方
Guest Speaker / 大川友里恵
サービスデザイナーの大川を交えて対話。大川は、大手IT企業のコンサルタントとしてキャリアをスタートし、海外のデザインスクールへの留学を経てコンセントに入社しました。以前からジェンダーの領域に興味を持っていて、女性の課題解決にフォーカスしたサービスデザイナーを目指しています。特定の型がなく、包括的な視点で物事を捉えて問題解決を目指していくサービスデザイナーは、キャリアとしてのロールモデルがわかりづらい側面もあります。大川のように、学び、探索しながら、自身の目指す姿、興味のある領域や課題に取り組んでいく姿勢も、サービスデザイナーに求められるスタンスのひとつかもしれません。
[vol.2音声アーカイブ] https://twitter.com/i/spaces/1ypJddaDAMqJW?s=20
vol.4 デザインとジョブチェンジ
Guest Speaker / 池村竜也
サービスデザイナーの池村を交えて対話。池村は、大学卒業後中国に渡り、中国と日本の両方に軸足を置きながら、4社目でコンセントに入社しました。ゲームのローカライズに関わる仕事から、ECサイトの海外向けデジタルマーケティング、中国における法人・新規事業の立ち上げ、クライアント向けのプロモーションやマーケティング支援など、さまざまな業務に従事。池村は、キャリアの初期に振り切った経験をしたり、幅広い価値観や考え方に触れたりしたことが、サービスデザイナーとしてさまざまなユーザーやクライアントに向き合う際の、柔軟さや想像力、相手を理解しようとする姿勢につながっていると語りました。
[vol.4音声アーカイブ] https://twitter.com/i/spaces/1gqxvyAgOBlJB?s=20
6回を終えて、Twitterスペースでの取り組みの面白さ・今後に向けて
デザインという仕事、ひいてはコンセントのデザインは、幅が広く、それに携わる社員もいろいろな個性を持っています。そのため、ひとつのテーマや質問に対して固定的な答えを返すのが難しく、外から見ると把握しづらい側面もあります。
それらを、どんな方面に転がるかわからない、参加したメンバーによるその場限りの対話で、デザインの仕事について深掘り、広げていくことの面白さがこの取り組みにはありました。普段の業務とは切り離された環境で、音声だけで伝えなければならない条件下だからこそのリアルな対話があったと感じています。
また、開始当時は比較的新しいサービスであったTwitterスペースを使いながら、とりあえずやってみる、試しながら考えることによって得られた気づきも多くありました。
当初は採用広報を意識して開始した取り組みでしたが、リスナーの反応や社内での議論や内省を通して、採用でもセールスでもなく、純粋にコンセント社員の考え方や一人ひとりの働き方を紐解いて外にひらいていく価値を、改めて意識するようになりました。
トライアル企画のシリーズとしては、第6回をもって一度区切りを迎えますが、これらの気づきを活かして今後の活動をひろげていきます。
全回の録音アーカイブは、小山田のnoteにて公開しております。
よろしければぜひ聞いてみてください。
「そもそもワーク」 運営メンバー
小山田 那由他|Strategic Design group サービスデザイナー
ヒトとモノやコトをつなぐコミュニケーションを設計する人。デザイナーとしての経歴を生かし、デザイン思考、HCD(Human Centered Design)をベースに、企業・行政のサービス開発・改善支援、デザイン組織化支援を行う。東京造形大学視覚伝達専攻卒。武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所客員研究員。HCD-Net 社会基盤SIG主査。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。公共分野でのサービスデザインアプローチを研究・実践するコンセント「PUBLIC DESIGN LAB.」責任編集。
園木 美貴子|Strategic Design group サービスデザイナー
筑波大学大学院 芸術研究科修士課程 デザイン専攻修了。企業や教育機関の広報プロジェクトを中心に、アートディレクターとしてさまざまなコミュニケーションツールのデザインに携わる。現在は企業のサービス開発・改善支援、デザイン組織化支援プロジェクトにも従事。コンテンツデザインのスキルを活かして、利用体験の設計やプロトタイピング、プロダクトのデザインなどを行っている。
浅野 未空|Human Culture group 人事担当
2021年5月よりコンセントで人事を担当。これまで、金融、ベンチャー企業支援、コンサルティングの業界でクライアントの課題解決支援に従事。現在は自社の採用・育成戦略、組織制度設計などを担う。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。