普通は「自治体」主導。でもうちは「企業」主導型
前回、うちの募集が地域おこし協力隊の枠組みを使ってるって話を書いた。
今回はその続き。実はうちのやり方、全国的にはけっこう珍しい型なんです。
多いのは、役場が雇う型
地域おこし協力隊はそもそも自治体の制度。だから普通は、役場が中心になって動く。
一番多いのが、会計年度任用職員っていう形。
役場の職員として雇われて、役場から仕事が振られる。
健康保険も厚生年金も役場経由。次に多いのが業務委託契約で、こっちは個人事業主として自治体と契約するパターン。
どっちにしても、隊員の窓口は役場になる。
で、一番少ないのが、地域の企業が直接雇うっていう型。うちはこれです。
雇うのはレンチナス。仕事を出すのもレンチナス。
毎日一緒に働くのもレンチナスの人間。
「思ってた活動ができない」ってやつ
この違い、思ってるより大きいんですよ。
よく聞くのが、隊員が「思ってた活動ができない」って言うやつ。
制度の設計が自治体に任されてる部分が大きいから、受け入れ方に地域差がかなり出る。役場に配属されると、公務員っぽい動き方を求められることもある。
会議に出て、書類を作って、地域行事を手伝って、気づいたら任期が終わってる。
そういうケース、実際にあるらしい。
レンチナスもそれを否定したいわけではなく、役場側も悪意なんてこれっぽっちもないんはず。
役場には役場の仕事の作法があって、そこに人がひとり入れば、その作法で動くことになるだけ。あと、役場の担当者も数年で異動する。
せっかく関係ができた頃に窓口が変わる、っていうのもよく聞く話。
全くもって普通の話。
ただ、移住してきた人が期待してたものとは、たぶん違う。そういう違い。
会社が雇うと、何が変わるか
企業が直接雇う型だと、この構造がまるっきり変わる。
仕事の中身を決めるのが役場じゃなくて会社になるから、事業の必要から仕事が生まれる。いちごの栽培をどう組み立てるか、廃菌床をどう使うか、売り先をどう作るか。
全部うちの事業の話。
だから、やることが曖昧になりようがない。
会社にとって必要だから頼んでる、っていう関係がはっきりしてる。
判断も早い。
やってみて違ったら、その場で切り替えられる。
予算の組み替えに議会を通す必要もない。
この身軽さは、まだ形の決まってない事業をやる上ではかなり効くと思う。
そのかわり、逃げ場もない
役場が間に入ってれば、うまくいかなかったときに調整してもらえる余地がある。
企業型は当事者同士だから、合わなければそれがそのまま出る。
会社側の準備が悪ければ、来た人は普通に困る。教える人がいない、任せる仕事の切り分けができてない、そういう不備は全部こっちに跳ね返ってくる。
ここは正直、こっちの責任が重い型だなと思ってます。
それでもこの型にしてるのは、椎茸もいちごも、役場の会議室では動かないから。
菌床の様子を見て、数字を見て、その場で判断する。
そういう仕事を任せたいのに、窓口が別の場所にあると話が遠くなる。
あと、任期が終わったあとのこともある。
3年働いて、そのまま会社に残る道を作りたいなら、最初から会社が雇ってるほうが早い。
役場から会社に移るっていう段差がない分、任期の終わりが区切りにならずに済む。
ただ、この型の会社がまだ少ないってことは、参考にできる先例も少ないってこと。
どこまで任せるか、どう育てるか、決まった型があるわけじゃない。
うちも手探りでやってます。
次は、なんでこの枠組みを選んだのか、もうちょっと込み入った事情の話を書こうと思います。