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地元が、地域が生まれ変わる手触り感。移動も待ち時間も心地よくなる、御守りのようなソリューションを作りたい。

Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash

MaaS Tech Japan(以下、MTJ)は、地域の公共交通を使いやすくし、移動の心理的ハードルを下げる為のMaaSソリューション開発の強化に向けてUI/UXデザイナーの募集を開始しました。そこで今回は創業当初から参画しているUI/UXデザイナーの住谷茂恵美に、MTJが取り組むMaaSソリューションについて、概要と今後の展望を聞きました。

株式会社MaaS Tech Japan UI/UXデザイナー 住谷茂恵美



――現在のMTJでのお仕事やミッションについておしえてください。

MTJでは現在、人と乗り物を繋ぐ入口としてMaaSを活用するソリューションの設計・デザインをしております。使っていただく方には、どんな場所に住んでいても、思い立ったらすぐに動けて、アクティブな日々を過ごせるように、公共交通の時刻表に生活が縛られないようにしてあげたいと常に思っています。また移動の最適化だけでなく、MTJのサービスによって、この時間にしか乗り物が来ないとしても、それまで何ができるのか、待ち時間も楽しめるような、情報提供やレコメンド機能の検討なども行っております。

――これまでのご経歴をおしえてください。

これまでUIを軸としたデザインを25年続けています。ゲーム業界から大手メーカ、デザインファームを経て不動産テックの起業も経験しました。携帯電話、車のコクピット、不動産。一見多分野に思えますが、全て人の手を通して世界が広がる入り口で、そこを包括する不動産情報のイメージです。現在は医療分野にも力を入れていて、近いうちにやってくる医療×MaaSの準備をしています。

前職で公共交通のプロジェクトに関わるきっかけがあり、MTJが創業したばかりの頃、代表の日高から事業構想や想いを伺い、まだ国内にない概念をインストールするという、まさに0→1に圧倒され、生活をより良くしたいという思いに共感しました。実際に今、私は長野と東京の二拠点生活を小学生の頃からしているのですが、長い期間で両方を暮らしを見ていると、地方の方は歩いて出掛けたり、公共交通があっても利用しないなと感じます。ここにMaaSが浸透し、もっと楽しく集まれるような集落に変わってきたら、地方暮らしがとても楽しいものに変わるんじゃないかな、という期待も込めてぜひご一緒できたらと思いました。

プライベートでは長野県と東京の2拠点生活の中で棚田の田植えもしています

――MTJに参画されてからどんな変化を感じていますか?

参画してから特に驚いたことがあって、たまたまですが今私が住んでいる街もMTJとの提携が決まり、そこから私の生活圏がどんどん変わってきているんです。ナイトバスが走ることになったり、特別便が出たり、軽井沢から直通電車が走ったり、生活に嬉しいことばかり起こっています。

住んでいる街の改革に実際に携わり、MTJに関わることは私のライフワークなんだなと思いました。手応えをとても感じています。

軽井沢〜戸倉駅直通の電車を走らせる取り組みで、長野に訪れた方が公共交通で温泉に足を運んでくださる様に動き始めています
戸倉上山田温泉のナイトライフエコノミーを向上するプロジェクトが実現したときも嬉しい瞬間でした

――移動体験の変化をまさにユーザーとしても実感されているのですね。MTJのデザイナーとして、MaaSソリューションのデザイン以外にも携わっていることはありますか?

実はソリューションの開発にあたって、上段から思考するための交通事業者同士のワークショップの企画実施など幅広く携わっています。新規事業や未来のサービスを枠を超えて考えるために、「こうなったらいいな」を全部出しきるワークを、交通系の事業者の方々と合同で開催しています。例えば「AIが搭載されたらMaaSはどう進化するのか」「移動のタイムラインがもしトラブル続きだったら、どうMTJで助けられるのか?」など面白い議題がたくさんあります。

――上流から一緒に思考の枠を広げ、ともにコンセプトメイキングしていくことが重要かつ醍醐味なのでしょうか?

そうですね。MTJのMaaSソリューションはあくまで出口かつユーザーさんとの入り口なので、すべてをつなげる仕事がUI/UXデザイナーの役目だと思います。

――具体的にどんなやりがいを感じますか?

街の日常が活性化し、住民の方にとっての楽しみが増え、ご縁が繋がる瞬間にやりがいを感じます。

例えばとある県のMaaSプロジェクトでは、交通データという数値を扱う案件で数字や効率化などを求められ冷たいイメージに取られますが、実際にはパン屋さんの無い地区に住んでる方々にとって「焼き立てのパンが路線バスに乗ってやってくる!」という、QOLが上がるうれしい出来事につながります。

公共交通には必ず利用される「お客様」がいるので、無機質なデータからにぎわいにつなげる為の仕掛けを考えるのもMTJの一面です。

他にも、ご高齢のご主人様が体調を崩されてしまい、車を売り運転免許も返納。
車のない生活を余儀なくされるなかでも、ご病気の旦那様の介護を頑張られておりました。そのような状況でしたが、今回MaaSプロジェクトによってお住まいの街にデマンドバスが走ることとなり、久しぶりにお友達と束の間の温泉に行くことができたとのことで、「お陰様で、思い描く”幸せな町”の生活をまた味わうことができました。これからもこの好きな町に住み続けたいです。」と、弊社に御礼のお手紙を頂戴したこともとても嬉しかったです。

日本が向き合わなくてはいけない都市と地方の問題や、交通の課題に行政と連携し、スピード感もって関わることができるだけでなく、しっかりエンドユーザーから直接お声がいただけて、何かしら笑顔になってくれる方がいることが一番やりがいですね。仮説で終わらせたくないので、実際住んでいる方の生の声が拾えて、フィードバックするには完璧な環境だなと感じます。

――壮大なプロジェクトですが、手触り感もあるのは嬉しいですよね。創業当初と、現在で市場環境の変化は感じますか?

とても感じますね。MaaSの意味を知っている世の中に徐々になってきていることを実感します。大手企業も街作りの際にはMaaS前提で構想されていたり、キーマンからは「必要ですよね、MaaS」とお声がけいただいたり。これはまさに、パイオニアとして、伝道師としてMTJの代表日高が創業当初から熱量を変えずに伝え続けたからこそだとも思います。

――MTJの良いところや強みはどのようなところだとお感じになりますか?

どんなアイデアや意見もポジティブに面白がってくださるメンバーで本当に楽しいです。一度も否定されたと感じたこともないですし、どんどんプロトタイプを作っても、フィードバックが必ず返ってくる。プロセスではしっかりアドバイスいただけるので信頼できますし、プロジェクトの前には必ず背景から丁寧に説明してくださるので安心して取り組めます。

またMaaS関連のアプリやソリューションはこれまで他社からも様々リリースされていますが、MTJが開発するソリューションの特徴としては、観光目的だけでなく住民の方が真に使いたいと思える、生活密着型のサービスを目指しています。いぶし銀のようなサービスだと思っていますね。

――MTJで進めているソリューションのデザインで意識されていることはありますか?

シニアのユーザーにとっても視認性の高いツールであるかは常に意識しています。フォントサイズも、新聞やメディアのWebページで使われている一番大きいサイズのフォントに合わせたり、ユニバーサルデザインを大切にし、識別しやすい色味を採用しています。ただあまりきっちりしすぎるとユーザー体験の楽しさが減ってしまうので、そこをコントロールしながら、出かけるサポートの”御守りのようなツール”を届けたいです。

スマホは画面サイズが小さいため情報量が限られますが、なるべく親指一本で使いこなせると最高ですよね。いくらスマホに慣れていても、乗り換えで焦っているときにこそ、使いやすいか、遷移しやすいデザインになっているかは重要です。今後は急いでいるときでも、会話タイプでサポートができれば、文字入力せずに最適なコースを把握ができますし、待つ時間も安心感に繋がり、移動体験が変わるのではと思います。

――リアルな体験に寄り添った設計ですね。今後はどんなメンバーにMTJへ参画してほしいですか?

何事にも興味を持って取り組める方、知的好奇心の高い方は楽しんで携われると思います。私自身、公共交通に最初から強い興味があったわけではないですが、MTJの想いを知り、そして実際に田舎に帰省し目でみて感じた公共交通の実態を知り、興味を持たざる終えなかったという表現が近いですね。使命感も強く、ものづくりが好きなメンバーと日々よりよい交通の未来を議論し、切磋琢磨できることも魅力です。

――今後MTJで、実現したいことはどのようなことですか?

車がないと生活ができないという概念を変えたいです。ライドシェアやMaaSが浸透し住む地域の公共交通が変われば、根本的に生活の質が変わる。車に頼らずとも、公共交通で足りる、そして心も満たされる環境をいち早く作りたいと思います。

――最後に一言お願いします!

UI/UXデザイナーは決して派手な職種ではないですが、手応えは確実にある仕事です。好きな場所に住み、いくつになってもアクティブに移動ができ、どんな興味も失わせない。そんな生活を届けることができれば、きっと自分たちの老後も楽しくなります。

ぜひ一緒に変えていきましょう!

――住谷さん、ありがとうございました!


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