”交通の統合であるMaaS”への挑戦。データと現場を横断し、地域公共交通の仕組みを再設計するプロフェッショナルへ。
100年先の理想的な移動社会の基盤を構築をすることをビジョンとするMaaS Tech Japan(以下、MTJ)は、地域の公共交通を使いやすくし、交通最適化を行なうのMaaS(※1)ソリューション開発の強化に向けて幅広い職種を募集しております。そこで今回は、プロダクト事業部で活躍する冨増 直樹さんと江口 隼人さんに、現在の取り組みややりがい、そしてどんな方と共に歩んでいきたいか、語っていただきました。(※1:Mobility as a Serviceの略)
――現在のMTJでのミッションや具体的な業務について教えてください。
冨増さん:私は、地域公共交通の計画づくりを支援する「L-MAP」(※1)というプロダクトの開発を軸に部門長として従事しています。ただ、いわゆるシステム開発だけではなくて、実際の現場に深く入り込みながら、課題の整理から国交省への申請、プロダクトとコンサルティングの提供までを一気通貫で見ています。現在は主に群馬県内の町やみなかみ町の職員の方々と直接やり取りしながら進めています。交通分野のプロジェクトは、時期によって求められる専門性や工数が大きく変わるので、部門長として人のアサイン調整も重要な役割です。プロジェクトごとに体制は変わりますが、コアメンバーと業務委託、システム開発側で複数人チームの編成が多く、4か月程度のものから1年規模まで、複数のプロジェクトが同時に走っています。
※1) 「L-MAP」
MaaS Tech Japanが提供する、地域公共交通政策の検討・計画策定を支援するデータ活用型プラットフォームです。人流データや交通関連データを統合・可視化することで、交通需要の把握や課題整理を効率化し、根拠に基づく政策立案を可能にします。また、ツール提供にとどまらず、国の制度や補助事業を踏まえたコンサルティングを組み合わせることで、計画策定から実行・検証まで一貫した支援を行い、持続可能な地域公共交通の実現に寄与します。
江口さん:私はプロジェクトマネージャーとして、現在大きく分けて2つのプロジェクトに関わっています。1つ目は提案を作成・応募し、国土交通省に補助事業として採択いただいたモビリティ人材育成事業です。福岡県庁との連携のもとで実施しており、オンラインの勉強会には約20の自治体・企業から30名を超える方々に参加いただきました。また、現地でのワークショップでは、少人数に絞り、実践型のワークショップを企画・提供しています。実課題をもとに問題の発掘から解決に寄与するデータを活用した仕組みの設計を官民横断のメンバーで行っていただいています。企画作成・提案・応募から数えると約1年に及ぶプロジェクトです。
もう1つは、淡路島の洲本市で行っているSSM(※2)の開発実証です。単に運行実証を行うだけでなく、どうすれば本質的な課題解決につながるか、価値を出せるかを常に意識して関わっています。そのほか、公共交通の連携促進(※3)にむけての営業的な活動にも携わっています。プロダクト・サービスと外部パートナーのサービスを組み合わせた構想を考え、モビリティ関連企業への提案と、外部パートナーと協力して企画提案を行いました。
※2)SSM(Smart Slow Mobility)
低速・小型の車両等を活用し、地域内や短距離移動を対象とした次世代モビリティの概念を指します。高齢者や観光客を含む多様な利用者の移動利便性向上や、持続可能な地域交通の実現を目的としています。
※3)公共交通の連携促進
地域交通に関するサービス・データ・技術・事業者を横断的に組み合わせ、最適な形で提供・調整する役割を担う主体を指す概念。個別の交通事業を行うのではなく、自治体や交通事業者、民間企業と連携しながら、課題に応じた仕組みづくりや事業設計、実装を支援することを目的とし、地域交通の持続性と効率性を高めるための“ハブ”となる存在です。
――仕事のやりがいや、達成感を感じるのはどんなときですか?
冨増さん:正直に言うと、「達成した」と言い切れる段階にはまだ来ていないと思っています。 MTJはスタートアップですが、目指しているところはかなり大きいです。これまで私個人としてはデータ活用を主戦場にしてきましたが、個々のプロジェクトで成果は出てきている一方、最終的なミッションは全国規模での変化を生み出すことです。単なるツール提供ではなく、業務そのものや仕組みが変わるところまで踏み込んだコンサルティングをしたい。MTJが考えるベストプラクティスを全国に広げ、実際に成果を出していく。そのためには、尖ったプロダクトを作り続けることが不可欠で、挑戦できる環境がここにはあると感じています。
一方で、交通課題に切り込む難しさも実感しています。今の交通のあり方に危機感があるからこそ、新しい体制や考え方、業務の進め方を提案したい。でも、それを「どう実行できる形で届けるか」は本当に悩みます。プロダクトが最先端すぎても使えないし、現状に寄せすぎても意味がない。そのバランスは常に試行錯誤です。
江口さん:私はもともと「構想のみに留まらず、実行にも関与し、実現まで携わりたい」という思いがありました。その意味で、構想から実装まで関われている現在の環境には、大きなやりがいを感じています。社会課題を探り、その解像度を高めながら、事業として成立する形で解決に寄与するプロダクトやサービスを形にし、社会に実装・展開していく。本当に試行錯誤の連続ですが、強い意義を持って取り組んでいます。
ーー仕組みを変えるうえで、ステークホルダーの理解をいただく難しさもあったのでしょうか?
冨増さん:ありました。たとえば、九州MaaSが実現したように、これまで競合だったタクシーやバス、鉄道といった交通事業者様同士が手を取り合うまでには、相当なプロセスがありました。データ統合自体は技術で解決できても、各事業者の理解を得るのは別の話。競争領域と協調領域を整理し、「どのデータなら共有できるのか」を選べる仕様にし、データポリシーに反しないことを丁寧に説明する。そうした積み重ねがあって初めて前に進める仕事だと思っています。
江口さん:冨増さんが言う通り、関係者が非常に多く、立場や専門分野も多岐にわたるため、合意形成や関係構築の難しさは常にあります。だからこそ、本質的な課題を見極め、ブレずに解決へと導くために、自ら考え、動き、試行錯誤を重ねられる人に向いている仕事だと思います。この領域で価値を発揮するためには、主体性とリーダーシップが不可欠です。
――働くうえで、大切にしていることはありますか?
冨増さん:部門長として意識しているのは、人を「助けすぎない」ことです。担当する分野については、その人が一人でプロジェクトを語れるレベルまで成長してほしいと思っています。現場に立たないと見えない情報は本当に多いので、あえて現場で揉まれる経験をしてもらう。 ただし、放任ではありません。スケジュール感やデッドライン、リスクはきちんと把握したうえでサポートしています。それぞれのプロジェクトに与えられた使命を大切にし、「何をゴールにしているのか」を常に意識する。無駄なことをせず、最短距離で挑む。その姿勢はプロジェクトリーダーとして特に心がけています。
江口さん:「何をゴールとするのか」を明確にすることは、私自身も以前から大切にしてきました。ゴールの達成のために、必要な要素を分解し、不足があれば社内外を問わず適切な専門性を巻き込み、最適な体制を構築することを重視しています。MaaS・交通分野は制度・技術・データ・現場運用が複雑に絡み合う領域です。一人で完結することには限界があります。だからこそ、ゴール達成するために必要であれば社内外の専門家の協力を得て、全体として価値を最大化することを、現在は特に大切にしています。福岡モビリティ人材育成事業でも、学識者や交通コンサルタントと協働し、データ活用に基づく再現性のある課題解決プロセスを体系化しました。
――最後に、これからMTJを検討する方へメッセージをお願いします。
冨増さん:交通分野で「これをやりたい」という明確な思いがある方には、ぜひ挑戦してほしいですね。 一方で、誰かに教えてもらう前提の受動的なスタンスだと、ミスマッチになる可能性は高いと思います。まずは自分自身に実現したい社会や取り組みたい課題があり、技術やスキルはあるけれど、それを試す環境がないと感じている方。「ここは自分の強みだけど、ここはまだ足りない」など自己理解が進んでいる方には、MTJはチームで補完しあいながら成果を創出できる場所だと思います。
江口さん:MaaS・交通は一朝一夕で成果が出る領域ではありません。だからこそ、自身の専門性を持ちつつ、強い意志をもって周辺領域にも主体的にキャッチアップし続けられる人にとっては、大きく挑戦できる環境があります。ぜひ一緒に、この領域にチャレンジしていただければ嬉しいです。
――冨増さん、江口さんありがとうございました。
今回の対談からは、現場に根ざしながらも社会全体の変化を見据える視点と、実装までやり切ろうとする強い想いが感じられました。
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