会社のビジョン・事業内容について
Q.1 創業から現在に至るまでのストーリーを教えてください。
株式会社今中地所は当初ETHICAL MANAGEMENT&DESIGNという屋号で創業しました。屋号は今まで多層的で昭和体質な建設業界の構造の中で理不尽な想いをすることも多くあり、自分の事業は公平公正な経営とものづくりを目指そうとつけた名前でした。
当時勤めていた会社を退職したのが2020年2月20日。過労や持病の悪化でハードワークを続けることが現実的でなくなり建築資材商社の営業だった私が会社を辞める決意をした当時はまだ建築業界は好景気で人手不足でした。毎日誰か職人さん段取りできない?と聞かれる市況で私自身も資材だけ売るのではなくプランからお客様と一緒に案件を進め工事含めまるごと受注する営業スタイルだったため、自分一人を養うくらいなら工事の段取りと管理をするだけでなんとか食べていけるはず…退路のない自分にそう言い聞かせていましたが、そんな希望的観測と相反して退職手続きを進める最中に武漢からの新型コロナウイルスがダイアモンドプリンス号で感染が広がっていました。そしてあっという間に緊急事態宣言に入り、社会の様相が180度変わってしまいました。
起業当初の私の全財産はたった18万円。もちろん生活費も含めた自己資金だったので1か月後にも底を尽きるのは目に見えています。慌てて政策金融公庫に駆け込みました。創業融資をスムーズに通すには説得力のある事業計画書と融資申し込み額の1/10の手元資金が必要でした。1週間徹夜で事業計画書を書き、手元資金を集めるためそれを持って投資のお願いに知人を回りました。(融資では自己資金とみなされないため)大変ですね、頑張ってください。という言葉が大半でしたがそれでもマシな方で、知り合って間もない人からは建築業で投資?そんなん聞いたことないけど?詐欺でしょってうちの税理士が言うてるんだけど!とまで言われる始末。もう悲しいやら情けないやら…。そんな時、なんか面白そうだからお金出すよ!と裕福でもないはずなのに誰よりも気前良く50万円投資してくれたのが今社員として働いてくれる職人のFさんです。その50万円となけなしの自己資金を足した68万円を元手に1か月後に600万円の創業融資が無事決済されました。
そして創業した初月から数年間にわたり、リフォーム営業戦略のアドバイザーとして顧問契約を結んでくださったお客様や創業1年目で累計1000万円以上ご発注くださったお客様、お施主様をご紹介下さった方々のおかげで何とか波乱の創業1年目を乗り切ることが出来ました。私が必死に走り回る様子を空から神々の遊びとしてエンタメ鑑賞されているのではないかと思うほどにピンチの多い人生でしたが、いつももうダメかもしれないと思った時に手を差し伸べてくれる人たちの助けがあってなんとか生きてこれたので人のご縁に感謝でいっぱいで、優しさのバトンを繋いでいくことが自分の恩返しだとも思っています。
コロナ禍の景気低迷から抜けるまでの数年間は新規の顧客を取るにも建築業界では不良債権が一番の命取りなので与信管理に慎重にならざるを得ず、2020-2023年までは既存のお客様を中心に売上高2000万~3500万円くらいの横ばい状態で伸び悩んではいましたが、顧問業や新築非住宅案件のプロジェクトマネジメント業務など起業してから初めての挑戦を重ねる中で少しずつ経験値が積みあがっていきました。案件スパンの長い業界なので最初の3年は種蒔きの期間になるということは営業マン時代でも体感していたのでじっと耐えながら目の前の一つ一つの案件に誠実に取り組み、経営や資金繰りの知見を積むことに集中しました。
そして2024年、積み上げてきた信頼からご紹介の輪が広がり、ようやく売上高1億2700万、私と社員2名という組織としてのスタートラインに立つことができ、法人化し新たな仲間を増やしていくフェーズに入りました。
創業以前のお話は小冊子が書けそうなくらい長くなるので入社してからランチの席で聞いてみてください。
- Q.2 事業内容と、その事業が社会に与える影響について、社長はどのように考えていますか?
株式会社今中地所はクリエイティブデベロッパーを目指しています。当社のお施主様はユニークでエネルギーに溢れた方が多く、お施主様の生き方や価値観に私たちや取引先の仲間たちがインスピレーションを貰い、それが私たちの現場やプランに反映されています。そしてその成果がまた次のクリエイティブなお施主様との出会いに繋がっていく…その相互循環をどんどん大きな輪に育てていき、いつかその循環が文化となることを事業の目的としています。
現在の事業の軸は4つあり、1つ目は老朽化して競争力が落ちた高齢者福祉施設を「最期の住処」としてふさわしい場に生まれ変わらせるWellness事業部。
そして今推進している2つ目の事業が、その場にいれば心が解放され、生きててよかった。本当の私はいまこの瞬間にある。そんな実感が得られるような「大人の秘密基地」を生み出すセカンドハウス事業。
この2本が大きな柱で、その他自分たちの生み出したものに責任を持ち出会いを大切に末永くお付き合いする為、過去案件のメンテナンスを行う事業、ご紹介によって私たちの理念や成果に共感頂いたお施主様の想いをくみ取る空間作りをお手伝いする事業があります。お施主様は法人顧客7割、個人のお客様3割程度です。
これらの事業は私が声高にこんな事業がありますよと叫んで育てた事業ではなく、お客様からのご要望に応えて貢献することで育ててきた事業だからこそ、存在意義が大きいものだと考えています。
Q.3 競合他社にはない、当社の強みや独自性は何ですか?
高い感受性でお客様が見ているイメージを共有しそれを一緒にバージョンアップしていくことから生まれる表現力とそれに伴う質の高い顧客との強い関係性です。
これは企業当初は私自身が築いてきたものですが、今は社員たちも取引先やお客様に同じようにイメージを共有できると思っていただいてきていると感じます。
- Q.4 今後、どのような事業展開を考えていますか?
今後は空間作りの事業を伸ばしながら、業種に囚われず、単なるライフスタイルブランドではない「Mode of Being」(人の在り方そのものの様式)を表現するブランドを作っていこうと思っています。
組織・働き方について
- Q.5 どのような社風、組織文化を築いていきたいと考えていますか?
当社の社員は皆苦労人の集まりだと思います。キラキラした自己実現や社会的に広い承認を得るような世界とは縁遠い地道な困難と向き合ってそれぞれ生きてきました。そんなメンバーだからこそ、当社にたどり着いたことで生き方を苦しさ→喜びに転換して歩んでいける推進力を得ることができる。創業6期目ではありますがこの会社がそんな場になってきていると感じますし、これからもそんな組織にしたいと思っています。それは一人ではできないことが叶えられることが組織である意味だからです。
- Q.6 社員にはどのような価値観や行動を期待しますか?
高い自律性と、応用力を期待します。自律的でありながらも1人で解決できないことは社内外のブレーンを持ち寄って解決していきます。それぞれが自分が出来る精一杯を尽くし柔軟に新たな任務、新たな様式、に挑戦する。そんな方を求めています。私たちのクレドを見て共感頂ける方に仲間に加わっていただけると嬉しいです。
- Q.7 社員の成長をどのようにサポートしていますか?
OJTは勿論、小さな会社ですので業務の進行はマメに報連相しながら進めていきます。
また、資格の勉強やインプットに必要なものがあれば積極的に経費を出していき、学びになる旅に対して助成する福利厚生もあります。
- Q.8 社員にはどのようなキャリアパスを描いてほしいですか?
独立するも良し、当社で新事業の社長になるもよし、野心はなくとも目の前の仕事にコツコツと充足感を得ながら仕事で得たことを日々の暮らしに生かすも良し。社員の夢も全員で応援することが当社の文化ですので、良い意味でこの会社をうまく利用して目指す生き方に向かっていっていただければと思います。
仕事は1日の1/3を費やす営みです。それを早く終わらないかなと思いながら生きるか、今日は昨日よりちゃんと前に進んだ。いい仕事をした。と実感を得ながら過ごすのか、当社にいることで後者のように感じてもらえればと思います。
- Q.10 入社を検討している方へ、社長から一言お願いします。
当社はスタートアップ期ですので完全ジョブ型ではありませんし一人一人が自分の出来ること、(もちろん未経験のない業務にも)をなんでもやります。そしてそれが醍醐味でもあります。安定を求めている人にはもしかしたら合わないかもしれません。でも本当の安定って何でしょう。私も穏やかな生き方に憧れていましたが、どんな社会状況でも自分が自分の運命を作れる人間になるのが真の安定だという結論にたどり着いて勇気を出して起業しました。そしてその中で、一人では成し得ないことが無限にあることも知りました。だから自分たちで自分たちの運命を作れるONEPEACEみたいな組織にしていこうと思っています。私の船に乗った皆でまるごと幸せなるぞ!そんな気持ちで経営しています。そしてこの船はもちろん旅客も幸せにし、私たちが通る航路の風景も美しくしていくものです。そんな船に旅客としてではなく一緒に舵を取り帆を上げる乗組員として乗船してみたいなって方、ぜひお待ちしております。