株式会社Malme2024年4月30日 09:21
「構造計算技術者」と聞いて、どのような仕事をイメージされるでしょうか?
「よくわからないけど、なんだかとても難しそう」
「ビルとか建てるときに何か計算する?」
「そもそもいったい何だそれは?」
など、いろいろ聞こえてきそうです。
かく言う筆者も「電卓使って難しい数式と戦っているのかな~」と考えていました。
今回は構造計算技術者として株式会社malmeに勤務されている笹澤さんにインタビューをしてきました。
・構造計算技術者とはいったいどんな仕事なのか
・ぶっちゃけどれぐらい稼げるのか
など、突っ込んだところまで聞いていこうと思います!
笹澤さんってどんな人?
笹澤さんには以前もインタビューにご協力いただき、記事にしていますので是非ご覧ください。
一言で表すと構造計算のスペシャリストです。
業界のことや構造計算技術者ならではの視点から、SNSでの発信活動もしています。
X(旧Twitter):@sasaco_corp
note:https://note.com/sasaco_corp/
tiktok:https://www.tiktok.com/@sasaco_corp
実は構造計算技術者がいないと、我々の生活が成り立たなかった!
構造計算技術者というのは、道路の橋やトンネルといった公共の建造物を作る際、それが安全かどうかを計算・検証する職種です。
例えば新幹線の線路の下の柱。
実は様々な形の柱がありますが、それらはすべて構造計算技術者が計算・検証してから作られたものなのです。
- その形で安全なのか
- 地震が来ても大丈夫なのか
- 実際に新幹線が走った場合はどれぐらいの荷重がかかり、変形するのか
- どのような材質を使用する必要があるのか
- 何本設置する必要があるのか
- 地下何mまで設置する必要があるのか
など、専用ソフトを用いてあらゆる角度からシミュレーションし、力学的に安全であることを証明していくのです。
1つのセクションで約400ページのドキュメントが必要となり、20セクションあれば約2000ページものドキュメントが必要となるのです。
私たちが橋を安全に渡ったり、安心して新幹線を利用したりできるのは、構造計算技術者の途方もない働きがあってこそなのです。
構造計算技術者は儲かるのか?!
ではそんな途方もない仕事をしている構造計算技術者は、いったいどれぐらい儲けていらっしゃるのでしょうか?!
結論からお伝えすると、めちゃくちゃ稼いでいる人の年収は
なんと
3,000万以上Σ(゚Д゚)
あくまでこれは一例ですが、都会で独立して、たくさん仕事を受注するとこれだけの報酬がもらえるようです。
ただ、これだけ稼ごうとすると、仕事量が膨大すぎて何年も続けることはできないそう。
一般的なキャリアとしては会社員として勤めて、通常は400~500からスタート。
ベテランになれば約2倍は見込めるそうです。
転職サイトdodaのデータによると(※)20歳~65歳の平均年収が414万円、20代の平均年収が377万円なので、構造計算技術者はかなり高年収と言えるのではないでしょうか。
ただ、やはりそこは日本の根幹を担う仕事。
一人前になるまで10年必要だったり、構造計算にミスがあれば責任をもって最初からやり直したりすることもあります。
工事全体の工期も決まっているので、納期もシビアです。
そりゃあ構造計算が終わらないと作業に進めないわけですから。
まるで締め切りに追われる漫画家のようなイメージ。
大きな責任と大きなやりがいが伴うからこその高収入と言えるでしょう。
構造計算技術者になるためには?
さて、構造計算技術者に惹かれてきたところで気になるのは「どうやったらなれるのか」ですよね。
大学で建築科や土木科で力学を学んでいた人の方が、ハードルは低いでしょう。
では力学を習っていない人にはなれないのでしょうか?
文系の大学に通っていては可能性はないのでしょうか?
そんなことはありません。
実際に構造計算技術者には、文系大学出身の人もいますし、未経験で転職してきた人もいらっしゃいます。
男性が優位とか、女性が優位とか関係ありません。
緻密で丁寧な仕事を求められる分、女性の方が向いているかもしれません。
能力があればすぐにスターになれる!という業界ではありませんので、一人前になるにはコツコツ経験を積んでいく必要があります。
しかしどこかの建設会社のCMであったように、これは「地図に載る仕事」。
そう考えると社会の根幹を人知れず支えている「構造計算技術者」という仕事は、とても格好良い仕事に思えてなりません。
P.S 笹澤さんは後進の育成には熱心な方で、「ちょっと興味ある。」っていう学生さんからのDMを受付ているそうです。ふらっと連絡してみるのも面白いかも。
※参考:doda Webサイト「年齢・年代別に見る日本の平均年収」より