こんにちは、株式会社AIGMA代表の内田泰雅です。
私たちAIGMAは、Duolingo English Test(以下DET)の対策を専門にする、EdTechスタートアップです。Duolingo公式パートナーとして、独自の「AIGMAメソッド」で受験者の方々をサポートしています。
来週、5月13日から15日まで、東京ビッグサイトで開催されるEDIX東京(教育総合展)に、私たちは初めて出展します。スタートアッププラン、4㎡の小さなブース。ブースも会場の端っこです。
それでも、私が3日間ずっとブースに立ち続けると決めたのには、明確な理由があります。
この記事は、その理由について、現場の先生方に正直にお話ししたくて書きました。
目次
プロフィール
正直、EDIXに出るかどうか、めちゃくちゃ迷いました
既存テストの「当たり前」を、一度立ち止まって見てほしい
「DETがいいのは知ってる。でも、教え方が分からない」
既存の英語教育の延長線上では、もう限界が来ている
EDIXのブースで、私が直接お話ししたい理由
私たちは「日本の英語教育の選択肢を増やしたい」だけです
編集後記
プロフィール
- 名前:内田 泰雅
- 役職:株式会社AIGMA 代表取締役
- 経歴:千葉県出身。23歳新卒でAIGMAを創業し、Duolingo English Test対策に特化したコーチング事業を展開。2026年5月には、シードラウンドにてベンチャーキャピタルからの資金調達を実施予定。自身も高校時代に英語の偏差値20台から立て直した経験を持ち、「正しい方法論があれば誰でも英語は伸びる」という確信のもと、独自の「AIGMAメソッド」を開発・提供している。
正直、EDIXに出るかどうか、めちゃくちゃ迷いました
最初にお伝えしておくと、私たちのような小さなスタートアップにとって、EDIX出展は決して安い投資ではありません。ブース費だけでなく、3日間の人件費、装飾、ノベルティ、当日のオペレーション。全部合わせれば、決して小さくない額が動きます。
それでも出ると決めたのは、ここ1年、私の中でずっと消えなかった、ある違和感があったからでした。
Duolingo English Testって、本当によくできたテストなんですよ。
4技能をバランスよく測れて、自宅のPCから受けられる。受験料は70ドル(約1万円)。私たちのような公式パートナー経由で受験すれば、結果はなんと24時間以内に返ってきます。世界では既にハーバード大学やスタンフォード大学を含む6000校以上の教育機関が公式に認定していて、留学を目指す学生にとっては、もはや当たり前の選択肢になりつつある。
なのに、日本の教育現場では、ほとんど活用されていない。
「なんで?」って、ずっと思っていました。
既存テストの「当たり前」を、一度立ち止まって見てほしい
少し踏み込んだ話をします。
私は、既存の英語テストを否定したいわけではありません。英検も、TOEICも、TOEFLも、IELTSも、それぞれ歴史と意義のあるテストです。
ただ、「生徒のために」という一点で考えた時、いくつかどうしても引っかかることがあるんです。
たとえば、地方の高校生が留学のためにTOEFL iBTを受けようとした時のことを想像してみてください。受験料は195ドル、円換算で約3万円です。会場も限られていて、地方の生徒は土日に何時間もかけて移動する。試験当日は4時間以上拘束される。一発勝負のプレッシャーの中、慣れないキーボードでエッセイを書く。
IELTSも、安いところで25,380円から。会場受験が原則です。
英検は本会場で1万円台、4技能を測れますが、年に3回しか実施されない。
その3万円、その2万5千円は、生徒の家庭にとって決して小さい金額じゃない。受験するためのコスト――お金、時間、移動、心理的プレッシャー――が、英語力を測るというシンプルな目的に対して、明らかに重すぎる。
「英語の力を測る」というシンプルな目的のために、子どもと家庭にこれだけのコストを強いる構造が、本当にこのままでいいんでしょうか。
DETなら、自宅のPCから1時間で受験できる。受験料は70ドル、約1万円。私たちのような公式パートナー経由なら、結果は24時間以内に返ってくる。そして何より、4技能を一つのテストできちんと測れる。
これって、生徒のためのテストとして、かなり理にかなっていると思いませんか。
「DETがいいのは知ってる。でも、教え方が分からない」
ただ、私が現場の先生方とお話しする中で、ある時から気づいたことがあります。
先生方は、決して新しい英語教育に無関心なわけじゃない。むしろ、誰よりも危機感を持っている。
ある高校の英語の先生が、こう言ってくださいました。
「4技能の重要性は、もう何年も前から言われています。私たちもそれは分かっている。でも、じゃあ実際、どのテストを使って、どう指導すればいいのか。そこがすごく曖昧なまま、現場は走らされているんです」
別の進学校の先生は、もっとストレートでした。
「DETがいいのは知っています。海外大学進学を考える生徒には案内もしています。でも、僕自身、DETの教え方を体系的に学んだことがない。生徒に『勉強しておいて』としか言えないのが、正直すごく歯がゆいんです」
これを聞いた時、私は自分の課題設定が間違っていたことに気づきました。
私はずっと、「DETの良さをもっと広めなきゃ」と思っていた。でも、本当の課題はそこじゃなかった。現場の先生方は、DETの良さは既にご存知なんです。問題は、どう教えればいいのかを教えてくれる場所がどこにもないこと、そしてそのための教材も指導法もまだ整っていないことでした。
DETは新しいテストです。だから、まだ"教え方の蓄積"がない。先生方の責任ではまったくないんです。むしろ、その蓄積を作って先生方に届ける役割を、誰かが担わなきゃいけない。
それを担うべきなのは、Duolingo公式パートナーとして、日々受験者と向き合っている私たちなんじゃないか。そう思いました。
既存の英語教育の延長線上では、もう限界が来ている
もう一つ、私が強く感じていることがあります。
既存の英語教育の延長線上では、もう本当に「使える英語」は身につかない。
これは、現場の先生方を批判したいわけでは全くありません。むしろ逆です。先生方は、決められたカリキュラムの中で、限られたリソースで、本当に頑張ってくださっている。
でも、構造そのものに無理があるんです。
文法と読解に偏った既存の指導、年に1〜2回しか測定機会がない4技能テスト、ライティングとスピーキングは結局「添削されないまま」で終わる現状。これらの組み合わせの中で、「子どもたちが英語を話せるようになるはず」と期待するのは、正直、無理がある。
私自身、高校時代は英語が本当にできませんでした。模試の偏差値は20台。「自分には英語のセンスがない」と本気で思っていた時期があります。
そんな私を変えてくれたのが、ターゲット1900という1冊の単語帳と、それを「ただ覚える」のではなく「使えるようにインストールする」という、自分なりに編み出した方法論でした。
つまり、英語は「センス」じゃなくて「方法論」なんです。正しい方法で、正しい順番で、十分な量の練習を積めば、誰でも必ず伸びる。私はこれを、自分の身体で証明してきた人間です。
そして今、AIの力を借りれば、この「正しい方法論」を、もっと多くの生徒に、もっと低コストで届けられる時代になった。これがAIGMAメソッドの根っこにある思想です。
EDIXのブースで、私が直接お話ししたい理由
だから、私はEDIXに出ます。
WebサイトやSNSでも情報発信はしています。でも、現場の先生方の本当の困りごとは、画面越しでは絶対に見えてこない。先生方が日々何に悩み、何に時間を奪われ、どんな生徒の顔を思い浮かべながら指導されているのか。それを知らないと、私たちが提供すべきものは作れません。
ブースで「DETって、どういうテストなんですか?」と聞かれたら、まず先生ご自身に、ほんの少しだけ体験していただきたい。「これなら、生徒に勧められる」「これなら、自分でも教えられそうだ」と感じていただける入り口を作りたいんです。
そして、できれば名刺交換のついでに、率直に教えてほしいです。
「うちの学校では、こういう生徒がいて、こういう指導をしているんだけど、DETってどう活用できる?」 「先生自身がDETを教える時に、何が一番不安?」 「教材があったら、どんな教材だったら使ってくれる?」
3日間、ブースに立ち続けるのは、こうした生の声を一つでも多く聞きたいからです。
私たちは「日本の英語教育の選択肢を増やしたい」だけです
最後に、誤解されたくないので、はっきり書いておきます。
私たちは、既存の英語教育を否定して、それを置き換えようとしているわけではありません。
私たちがやりたいのは、ただ一つ。日本の英語教育に、もっとフェアで、もっと現場に優しくて、もっと生徒の力を本当に伸ばせる、新しい選択肢を一つ増やすことです。その選択肢の名前が、たまたま今は「DET」と「AIGMAメソッド」というだけで。
最終的に判断するのは、いつだって現場の先生方です。生徒のことを一番分かっているのは、先生方ですから。
私たちにできるのは、その判断材料を増やすこと。先生方が「これなら使える」と思える教材と指導法を、誠実に作り続けること。
EDIX東京、5月13日から15日。私はずっとブースにいます。
もし会場に足を運ばれる予定があれば、ぜひお立ち寄りください。「記事を読んだよ」と一声かけていただけたら、最高に嬉しいです。
立ち話で構いません。先生方のリアルな困りごとを、聞かせてください。
そこから、私たちは始めたいと思っています。
編集後記
EDIX出展の告知でありながら、内田が日本の英語教育に対して抱いている本気の問題意識をぶつけた一本になりました。「なぜあえて出展するのか」の答えは、シンプルに「現場の先生方と直接話したいから」。スタートアップの誠実さが伝わる記事になっていれば嬉しいです。