「やりたくねーし」が口癖だった子が、誰かの居場所を語り出すまで リアル教室長 ひとみん
こんにちは!NIJIN 採用担当の佐藤です。
今回は、越谷校の教室長として、子どもたちの新しい学びの形を作り上げている“ひとみん”さんにお話を伺いました。彼女は、自らの息子の不登校という、親として最も苦しく、切実な経験を原動力にNIJINに参画を決めたそうです。
かつて、学校からの電話が鳴るだけで吐いてしまうほど追い詰められていた息子さんを前に、彼女が出した答えは「既存の場所に合わせる」ことではなく、「理想の場所を自分で作る」こと。その決意が、今や越谷の地で多くの子どもたちの個性を爆発させています。
この記事を読むことで、教育に携わる上で本当に大切な「スキル」とは何か、そして私たちNIJINが考える「不登校という経験(才能)」がいかに社会を変える強い武器になるのかを感じていただけるはずです。
プロフィール
- 名前: ひとみん
- 役職: NIJINアカデミー リアル教室長(越谷校)
- 経歴:
- 大学時代にフリースクールの世界に触れる。
- 不動産業界を経て、出産を機に教育の道へ。
- 保育士として10年間、発達支援の現場で一人ひとりに寄り添う経験を積む。
- 息子の不登校をきっかけに「安心できる居場所」の必要性を痛感し、NIJIN アカデミーに参画。
「学校の電話が鳴るだけで吐いてしまう」息子を前に、母が決意したこと
― ひとみんさん、今日はよろしくお願いします!越谷校の盛り上がり、いつも拝見しています。ひとみんさんがNIJINに参画されたきっかけは、息子さんの不登校だったんですよね。
よろしくお願いします!そうなんです。息子が小学校3年生の時、担任の先生との関係がうまくいかなくなってしまって。学校からの電話が鳴るだけで、息子が吐いてしまうほど追い詰められていたんです。
― それは、お母さんとしても本当に身を切られるような思いだったはずです。
その姿を見たとき、「ここまで無理をして学校に行く必要があるのだろうか」と強く感じました。でも、いざ学校以外の選択肢を探してみると、安心して過ごせる場所が本当にどこにもないことに気づいたんです。
― 「ないなら、自分で作るしかない」と。そこでNIJINと出会ったわけですね。
はい。タツロー校長が掲げる「“不登校”という言葉をこの世からなくしたい」という想いを知ったとき、「まさに私がやりたかったことだ!」と直感しました。息子が、そして息子と同じように苦しんでいる子が、安心して笑える場所を自分で作ろうと決めたんです。
「やりたくねーし」が口癖だった子の心に、新しい風が吹いた瞬間
― 実際に越谷校を運営してみて、どんな場所だと感じていますか?
一言で言うなら、「やりたい!」が自然と連鎖する場所ですね。地域からパルクールの先生やアートの達人など、いろんな“面白い大人”が遊びに来てくれるんです。大人が教え込むのではなく、大人の「好き」に子どもが勝手に巻き込まれていく。そんな光景が日常茶飯事です。
― 素敵ですね!子どもたちの変化で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
「ぶっきらぼう」がトレードマークのような子がいたんです。何を聞いても「やりたくねーし」が口癖で、新しい子が来ると少しちょっかいを出してしまうような。でも、ある日その子がふと、こう言ってくれたんです。
「ねえ。ひとみんさ、ここを越谷の子のたまり場にすればいいじゃん。みんなが来れるようにすればいいんじゃない?」って。
―自分のことだけで精一杯だった子が、外の世界の誰かのことを考え始めたんですね。
そうなんです!「ああ、この子の心に新しい風が吹いたんだな」と、本当に嬉しくて。 自分たちの居場所を、自分たちで広げていこうとする。そのエネルギーを目の当たりにした瞬間でした。
学園祭で見せた、孤立していた二人の「凄まじい才能」
― 学園祭でのパン屋さんの出店も、話題になっていましたよね!
あのドラマは凄かったです(笑)。当初、全然乗り気じゃない二人のお子さんがいたんです。普段は集団の中で少し孤立しがちで、周りから「うるさいな」と思われてしまうこともあった二人でした。でも、彼らがCM作りやロゴ制作を始めたら、凄まじい才能を発揮したんです。
― 本番では、その二人が大活躍だったとか。
誰よりも声を出し、パンを売り歩きました。結果、二人が売上トップになったんです。 報酬も「何をしたか」で差をつけたのですが、二人が一番多くもらったことに、周りのみんなも「あいつら、やる時はやるんだよな」と心から納得していました。
― 一人の行動が、周囲の「見る目」を完全に変えたんですね。
そうなんです。それを見た他の消極的だった子も自ら売り歩き始めたり、売れなかった翌日に「今日は悔しかった」と報告に来てくれる子がいたり……。子どもたちがリアルな関わり合いの中で世界を広げていく姿に、私自身が一番教えられました。
教員免許よりも大切なのは「見守る」勇気と「子どもを想う」気持ち
― ひとみんさんは「あえて介入しない」ことを大切にされているそうですが、それって勇気がいりませんか?
そうですね(笑)。子ども同士で揉めても、すぐには介入しません。そうすると、不思議と他の子が仲裁に入ったり、解決策を考えたりと動き出すんです。ここは「私の教室」ではなく、子どもたちが自分たちでつくっていく教室ですから。
― 「教える」のではなく、環境を整える「プロデューサー」のような役割ですね。
実は私、教員免許を持っていないんです。でも、私たちの仕事で大切なのは免許の有無ではありません。「教員免許より大切なのは、これまでの経験や、子どもを想う気持ち」だと、現場に立って確信しています。子どもが“誰かの役に立ちたいと思う瞬間”をどう作るか。それこそが私たちの役割なんです。
「学校に行けない=不幸」という価値観を、この手で塗り替えたい
― 最後に、ひとみんさんがNIJINで今後挑戦したいことを教えてください。
「学校に行けない=不幸」という価値観を社会からなくしていくことです。今の日本では「学校に行くのが当たり前」ですが、NIJINの子どもたちは学校に行っていなくても、こんなに可能性に満ち溢れ、楽しんでいる。その姿をもっと社会に届けていきたいです。
― かつてのひとみんさんのように、今まさに悩んでいる親御さんへメッセージをお願いします。
「出口が見えない」と感じているお母さん、お父さん。その経験は、そのまま誰かの力になります。 私たちのチームには、メタバースとリアルが手を取り合い、一人ひとりを支える仕組みがあります。
「子どもたちの未来に、もう一度希望を届けたい」。その想いがあれば、誰でも一歩を踏み出せます。ぜひ、一緒に新しい教育の形を作っていきましょう!
編集後記
「教員免許がないからこそ、子どもと同じ目線でいられる」と笑うひとみんさん。彼女が作る越谷校には、大人も子どもも関係なく、一人の人間として尊重し合う温かな空気が流れています。彼女のような「熱い想いを持った当事者」こそが、これからの教育を変えていくのだと強く感じたインタビューでした。(佐藤)