ゼロスペック株式会社は、IoTやAIなどのテクノロジーを活用し、今まで見えていなかった様々な状態をデータにより可視化・数値化して現状分析を可能にすることで、社会課題を解決するサービスを展開する、札幌発のスタートアップです。
「イケてる環境」に安心を求めるのではなく、貪欲に「勝てる機会」を求めたい──
そんな想いで転職を決めたのが、事業本部の責任者としてチームをリードする石塚さん。外資コンサルで10年のキャリアを経て、なぜ札幌を選んだのか。その背景を伺いました。
プロフィール
石塚 永稔(いしづか のりとし)
事業本部責任者。慶應義塾大学経済学部卒。マンチェスター大学大学院開発学修士課程修了。10年間、デロイトトーマツコンサルティング(同)にて大手製造業クライアント向けの新規事業やDXなどに関連するプロジェクトを数多くリード。その後、東京のIoT×SaaS領域のベンチャー企業で営業責任者を経験し、2024年にゼロスペックに参画。趣味はトライアスロンとサウナ。
Q1. これまでのキャリアについて教えてください。
大学では経済学を専攻していましたが、当時は一言でいうと、“ビジネスが嫌い”でした。 栃木の田舎から大学進学を機に東京に出てきて、今思うとあまりに無知で、ただ弱かっただけだなとも思いますが、過度な競争主義、根本にある持つ者と持たざる者の差、先進国と途上国の格差などなど、この社会全然フェアじゃないし、なんだか気味が悪い、でも強力な原理原則に動かされているなと。そういったことを考えていて、その嫌いでよくわからない流れにただ乗っかることもできず、もやもやしながら半ば社会不適合者になった気分で、“資本主義”の仕組みを勉強していくうちに、「ビジネスで勝つことを通じてしか、社会は変えられない」と強く思うようになりました。
新卒での就職活動は正直うまくいかず、海外への放浪や留学など回り道をして社会人になったのは26歳のときです。最初のキャリアは外資系コンサルのデロイトで、自動車、航空宇宙・防衛、石油プラント・建設、電動工具、官公庁といったさまざまな業界、そして、新規事業、M&A、DX、調達・物流、基幹システム導入、組織・人材戦略、SDGs、海外事業など様々なテーマのプロジェクトを経験しました。当時は「成果を出して初めて存在価値を認めてもらえる」という世界。嫌いだった資本主義の真ん中で、10年ほど、ひたすら成果にこだわって走り続けていました。
Q2. デロイトでの経験を経て、なぜベンチャー企業に転職されたのですか?
デロイトで働いて5、6年くらいたったくらいでしょうか、こういうと何ですが、ある程度成果を出すコツみたいなものを掴めた気がして、まず自分もこの資本主義の世界で多少まともに「生きてはいける」という安心感をようやく感じられるようになれました。一方、だんだん自分のやっていることに本当に「価値」があるのか、「社会に何か良いインパクトを出せているのか」、疑問に思うことが増えていきました。今思っても、小難しいことをいつも考えていたなと思いますし、誰にでもはできないことをやっていた自負はあります。待遇もよかったですし。ただ、結局思い至った考えは、価値に向き合うなら、“自分でやるしかない”と。
コンサルは「“正解のように見えること”を提案する仕事」ですが、どんなにロジカルに戦略や計画を立てても、最後は「やる」と決めて実行した人が価値をつくる。机上でどんなに綺麗な戦略を考えても、やってみると想像もしないことが普通にたくさん起こるし、全然うまくいかない。「正解を考える」のではなく、「正解をつくる」仕事をしようと思ったんです。それで、東京のIoT×SaaSのベンチャー企業に営業責任者として転職しました。自分で意思決定し、責任をもってやり切り、ビジネスとして成果にし、何か社会にちゃんとした価値を届けたい。そう思って、転職を決めました。
Q3. ゼロスペックに入社された経緯を教えてください。
コンサル卒業後1社目の東京のベンチャー企業では、社長の強力なリーダーシップのもと、外資コンサル、外銀、外資IT企業、国内大手メーカー、メガベンチャー等から来た優秀なメンバーとともに、皆で上場(IPO)に向け切磋琢磨しました。本当に優秀な人が多く、会社の仕組みもよく作られていて、振り返ると学びがとても多かったです。今でも困ったときに話を聞いてもらい、貴重なアドバイスをもらうメンバーも少なくないです。
この経験を踏まえ、さらに自分らしい価値発揮ができる場を求め、出会ったのがゼロスペックでした。やはり東京が圧倒的にベンチャー企業の数が多いので機会が多いと思いきや、残念ながら自分が求めるような出会いはあまりなかったんですね。だんだんと場所にはこだわらず、良い機会があればどこでもよいと思うようになり、東京以外の場所(札幌、名古屋、京都、九州など)でも面白そうな会社の話をたくさん聞きました。そしてゼロスペックに出会い、札幌にはほぼ縁もゆかりもなかったのですが、話を聞くうちに「この環境で挑戦するのが一番しっくりくる」と思えたんですね。前職でIoT×SaaSの事業に携わっていたこともあり、センサーやデータを活用したゼロスペックのビジネスには強い親近感を持ち、会社や事業を知るにつれて「この会社は勝てる」と思えたことが決め手でした。
悩んだポイントは……お金かな…? いや、あんまりなかったですね(笑)東京でのキャリアに未練もなく、むしろ東京以外の場所の方が与えられる役割や責任といった個人として挑戦できる余白も、事業の成功可能性としての余白(ホワイトスペース)も大きいのではと感じるようになっていきました。根っこは雇われの身ですし、これだけ面白い機会にチャレンジさせてもらえて、別にリスクなんて大したことじゃないと思って、すんなり自分の進路を決めることができました。
Q4. 東京と札幌の間で、働く環境の違いを感じますか?
正直、環境の差はほとんどないと個人的には感じます。ネットでどこでもつながれるし、学ぼうと思えばいくらでも情報にアクセスできる時代というのは大きいですね。ただ一つ違うのは、「情報が自然に入ってくる東京」と違い、札幌では「情報を取りに行く姿勢」がより求められるような気がします。でも、それを“ハンデ”ではなく“余白”だと思っています。ちょっときれいごとに聞こえてしまうかもしれませんが、東京のように「イケてる環境」にいるから自分や会社がイケてる、なんとなく価値が出せる、というのではなく、どこにいても、“自分らしく/自分たちらしく”価値を真摯に追求できるかどうか。そこがやっぱり本質だと思っています。
また、機会を求めるならレッドオーシャンの東京より、ホワイトスペースのまだある東京以外の方が面白いかなと。環境に言い訳せず、ピュアに機会を求め、真摯に自分に向き合いチャレンジする気概をもてるなら、あえて東京から出るのはありだと思います。きっと、誰でもユニークなチャレンジができる機会があると信じています。
あと、北海道という、私にとっては一種の「非日常」のなかで働くことで、「自分の人生を客観的に見られる」感覚もあり、この環境で働く価値のひとつだなと思っています。
Q5. 石塚さんから見て、ゼロスペックはどんな会社ですか?
一言で言えば、「勝てる可能性を秘めた会社」です。どんなに情熱があっても、どんなに優秀なメンバーが集まっても、環境が整っていても、結局事業が勝てなければ意味がない。その点、ゼロスペックは、事業としてのマーケット選定、ビジネスモデルの設計、ベースプロダクトの強さなど、どれをとってもロジカルに伸びる要素がある。
もう一つの特徴は、「挑戦を大切にする会社」であることですね。ゼロスペックの行動指針のひとつに「3C主義※」があるように、一人ひとりの挑戦を後押しする風土です。加えて、感情やコミュニケーションを大事にしながら、一人ひとりの強みを活かそうとする文化がある。それは北海道という土地柄も関係しているのか、EQ(感情知性)を重んじる文化が自然と育まれているように感じます。
※3C主義:チェンジ・チャレンジ・コミュニケーションの3つの頭文字Cを取り、これらを大事にするゼロスペックの行動指針
Q6. 普段の仕事で意識していること、こだわっていることは?
「ゼロスペック」という社名には、“決まった形にとらわれず、0から挑み続ける、変わり続ける”という意味があります。お客様や社内との対話でも、それを常に意識しています。
北海道という新しい環境や、そこを拠点とする会社、メンバーだからというのもそうですし、我々の事業の主要なお客様である石油業界もそうです。これまでの常識や正しいと思っていたことを一度ゼロに戻して、本当に必要なこと、正しいことを見極める。相手の話を聞きながら、もう一度自分の価値観を整理し直す。そんな「ゼロベース」の姿勢が、良い提案や信頼関係を生むと思っています。とても難しいことなので、正直うまくいかないこともありますが、それでも向き合ってくれるメンバーやお客様に感謝しながら、これからも励んでいきたいと思います。
Q7. 現在の課題や、会社として挑むべき壁は?
最近、お客様から「もっとゼロスペックには大きい会社になってほしい!」と言われることがあります。サービスのコンセプトやプロダクトの品質は高く評価いただいている一方で、まだ組織や仕組みなどが未整備で、まだまだ十分な価値が提供しきれていないことに対するありがたいフィードバックです。その期待に応えるために、新しい優秀な仲間を探すことはもちろん、社内の組織・人事体制や日々の業務、コミュニケーションの仕組み化・明文化などを進めています。組織全体のアウトプットを最大化し、「勝てる組織」、「お客様により大きな価値を提供できる組織」にしていくことが次のチャレンジです。
その上で、まずはゼロスペックの事業を確実に成長させること。短期的には、目標として掲げている売上達成を必ず実現することを、全社一丸で取り組んでいます。「データから未来に新たな価値を提供する」──そのビジョンを、確かな成果で証明していきたいです。中期的には、社会に信頼される、価値ある企業として、上場(IPO)を目指しています。
Q8. 最後に、この記事を読んでいる求職者へメッセージをお願いします。
理由はなんでもいいと思います。「北海道が好き」でもいいし、「新しい挑戦をしてみたい」でも、「SaaSビジネスをやりたい」でもいい。一つ言いたいのは、ゼロスペックは必ずしも「良い環境」は提供できないかもしれない。ただ、「良い機会」は提供できます。チャレンジ精神と主体性を持って、ゼロから、「勝ち」や「価値」を求めて挑戦したい人にとっては、最高の会社だと思います。是非、そんな方と一緒に切磋琢磨できたらうれしいですね。
──“イケてる環境”より、“勝ちや価値”を貪欲に求めたい。
そんな想いに少しでも共感した方は、ぜひ一度、ゼロスペックの仲間たちの話を聞いてみてください。北海道から始まる挑戦を、一緒に面白くしていきましょう!