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【CEOインタビュー】O2が製造業界に一石を投じる「飛び石型の経営スタイル」とは?

O2は製造業のDXとイノベーションを実現する『製造業特化型課題解決集団』です。その特徴は、コンサルティングだけではなく自ら事業も営んでいる点。

2021年11月時点、製造業コンサルティングを担うO2に加えて、山形の金型製造工場IBUKI、つくばの暗黙知に特化したAIベンチャーLIGHTz、製造設計者教育支援企業Xross Vateというグループ経営体制を執っています。

この方針にはO2創業者である代表取締役会長CEO 松本 晋一のマインドが色濃く反映されています。前編・後編に分けて実施した松本へのインタビュー。後編ではグループの経営方針について話を聞きました。

飛び石で事業拡大する経営スタイルが、独自の強み

――インタビューの前編では、O2創業の経緯を聞かせていただきました。後編では、まず経営方針の特徴について教えてください。

O2グループの経営スタイルの特徴は、コンサルも金型事業もというように、飛び石を打って事業拡大をしていることです。一般的な企業は、現在の事業領域を起点として、隣接した領域へと手を伸ばします。しかし私は、企業の価値は面積つまり影響を与える範囲の大きさで測るのがよいと考えています。グループ会社ごとに性質の違うビジネスをすることで、扱う事業ドメインの総面積が大きくなり、できることの幅が飛躍的に広がるためです。

事業の飛び石を打つことに加え、2つの対極を兼ね備えるのも大切だと考えています。製造業はものをつくるビジネス、コンサルティングはサービスを提供するビジネスで、対極に位置します。今の時代の経営においては、1つの視点だけではなく多面的に物事を見る力を、言うなれば大局観を持つことが重要です。対極にあるビジネスに向き合い続けることで、大局観が磨かれていきます。

――大局観を持つ利点は何でしょうか?

新しい価値を創出しやすくなります。代表例はAppleのiPodとiTunesです。iPodは音楽の再生端末であるハードウェアで、iTunesは音楽を購入・再生するソフトウェア。ハードウェアとソフトウェアという対極にある商品をAppleがまとめて提供することで「いつでもどこでも好きな時に音楽が聴ける」という新しい価値を生み出せたのです。

O2グループにおける分かりやすい事例として、IBUKIが開発した工具の摩滅度合いをAIで自動判定する装置が挙げられます。これは、ハードをつくるIBUKI、ソフトウェアをつくるLIGHTz、事業を企画するO2という対極にある3社が力を合わせ、開発できたプロダクトでした。



工具の摩滅度合いをAIで自動判定する装置

こうした実績があることでO2のコンサルティングにも好影響があります。工作機械メーカーなどへ「工作機械を売るのではなく、工作機械を無料で提供し、機械を動かす加工プログラムを販売するビジネスモデルに切り替えましょう」といった提案ができるのです。グループ内で事業を創出した経験があるからこそ、提案内容に説得力が生まれます。

自分たちで価値の交差点を発見し、ビジネスを生み出して、得たノウハウを顧客へ提案する。こうしたプロセスを実現できるのは、事業の飛び石を打ってきたO2グループだからこその強みです。


多様性を武器に、短期的な安定ではなく、中長期的な安定を

――飛び石を打って事業拡大することは、知見のない領域に踏み込むことと同義でもあります。苦労も多いのでは?

確かに、知識・ノウハウの蓄積がない領域に手を出すため、どうしても事業立ち上げのスピードは遅くなります。隣接する領域で事業拡大した方が立ち上げはスムーズでしょう。短期的に見れば、経営もその方が安定します。O2グループでも、製造業であるIBUKIをグループ傘下に置いたばかりのころは、軌道に乗せるまでに苦労がありました。

――それでも、異なる領域にチャレンジするのはなぜですか?

多様性を持たない企業は、ある程度のところまで到達すると事業が頭打ちになり成長が鈍化します。特定ドメインにおける伸びしろが少なくなってしまうためです。逆に多様性がある企業は、そうした欠点がないため中長期的に見れば成長度は高くなります。

特定領域の事業成長が鈍化している場合でも、他の事業で経営を支えられるという利点もあるでしょう。事実、O2グループの場合はどこかの企業が伸び悩んでいる時期でも、他の企業が成長することで、グループ全体でのバランスをとってきました。

また、社員が成長するうえでも多様性は重要です。O2の場合、グループ内に異なる領域の会社があるため、製造業の会社で働きながらAI開発に携わるといったことも容易です。過去にはO2やIBUKIの社員がLIGHTzに数年間出向して、また戻るといったグループ内の人事交流も積極的に行ってきました。これにより、社員はコンサルティングやエンジニアリングのスキルに加え、AIの知見を持った人材へと成長できます。

グループ内に複数業種の会社があることで、多種多様な業種の企業とコラボレーションがしやすいのも利点です。例えば、IBUKIはものづくりをしている中小企業の社長とのネットワークを、O2はコンサルティング会社やクライアント企業などとのネットワークを持っています。異なるネットワークの企業同士をつなげ、新しいビジネスを始めることもできるのです。

――今後のO2グループの経営方針についてお聞かせください。

先ほどもお伝えしたように、これまでは多様性を重視してグループ間の連携に注力してきました。その体制で一定の成果を出せたため、現在は個々の企業を強くしていくフェーズに入っています。各々の企業が事業に集中して成長し、より強くなってから再びコラボレーションする。「個社成長→コラボレーション→個社成長」というサイクルをそれぞれ5年ずつのスパンで回していきます。再度、個社成長のステージに戻った際には、以前の個社よりも一回りも二回りも大きい状態になっているはずです。

ポジションにしがみつくことなく成長を続ける

以前の私は外交的で全国を飛び回るような生活をしていましたが、個社成長を意識する様になった後は社内の仕事に多く時間を割くようになりましたね。事業計画を練ったり社員と対話したりとO2個社の競争力強化を、即ち内部改革を積極的に行っています。

特にここ数か月は、過去最高の月売上や利益率が出るようになっています。四半期毎に過去最高を塗り替えているほどの成長です。これはO2のみならず、グループ各社も同様。この傾向を加速させ、ゆくゆくはグループ企業それぞれの売上を100億円規模に成長させていく予定です。


裁量と責任の大きい仕事がコンサルタントのスキルを磨く

――O2グループが成長した先に、実現したい未来をお聞かせください。

O2グループでは、20年後の日本のあるべき姿を見据えて「Vision 2040」を掲げています。具体的には以下のような目標の達成を目指すものです。

・売上100億/利益率20%企業を地方に45社輩出
・スタートアップ30社のIPO/社会実装に貢献
・日本発1兆円モノづくりプラットフォーム創出

こうした未来を実現するためにも、グループ各社がコア事業において日本の第一人者になっていきたいと思います。特に、O2は暗黙知のDXにフォーカスを合わせながら、クライアントの成長に貢献しながら、グループ各社や業務提携企業の成長にも貢献しながら、日本と地方の成長に貢献していきたいですね。

――この記事を読んで、O2グループに参画して経営を支えたいと考える方もいらっしゃるはずです。一定以上のスキルを持ったエンジニアやコンサルタントが、他の大手コンサルティングファームではなくO2グループで働く利点を教えてください。

ひとつは自分の成長に徹底的にこだわれる点です。大手企業の方が規模の大きなプロジェクトに関わる可能性はありますが、深くコミットメントできるのは上位職のみ。かつ、扱う分野も多岐に渡るため腕前を磨きにくいです。

O2は領域を特化しているが故に、大型のプロジェクトでも10名程度です。大きな裁量と責任を与えられる可能性が高いでしょう。しかも、クライアントは大手同様に大企業が多いです。加えて、大手コンサルティングファームと異なるのは、オーナー系中小企業であり特定分野で世界トップレベルの企業の全体改革を担える点です。

若いうちからカリスマ経営者の参謀のようにプロジェクトに関わりながら、大手企業の特定領域に特化したプロジェクトを担当したりできます。良質な成長にこだわるならば、大手コンサルティングファームよりも、O2の方がよい経験を積めるはずです。

もうひとつは、優秀なメンバーとともに働ける点です。私から見ても、O2のメンバーは実力があり、人柄も素晴らしく、結果を出すことや成長することに貪欲です。上位職だけは優秀というピラミッド型ではなく、どの層にも優秀な人材が多く、骨密度が高い印象です。

クライアントからの信頼も厚く、冗談交じりに「●●さんはいつになったら、うちに来るの?」とよく言われます。実際、一般的なコンサル会社なら10名くらいで担当するプロジェクトを、O2なら3~4名で回せてしっかり成果も出せる印象です。

また、O2の良い点は、育成体制です。具体的なサポートの一例をお話しすると、週1回の会議で、新しく入社した人の経験業界やスキル、人柄を考慮して「本人が確実に成長するには、どんなクライアントを担当して何を身につけるべきか」といったことを細かく検討・フィードバックしています。せっかくO2を選んでくれたのだから、一流のコンサルタントに成長してほしいという思いからです。その甲斐あって、直近5~6年の間、O2に中途入社してコンサルタントとして独り立ちできなかった人は1人もいません。

また、事業会社の役員就任や出向、社内ベンチャー立ち上げといったコンサルティング以外の業務に携わる機会もあります。もともとO2のコンサルタントであり現在はIBUKIの代表取締役社長を務める中東秀喜などは、その好例でしょうね。O2グループならば、良質な経験を積めることをお約束します。

――O2グループの経営方針や松本さんの理念がよく伝わりました。どうもありがとうございました。

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