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【5分でわかるコンサルの業務内容】O2が「エンジニア出身人材×製造業コンサル」で実現すること

製造業の設計に特化したコンサルティング会社である株式会社O2(以下、O2)は、製造業のDXとイノベーションを実現する「製造業特化型課題解決集団」です。AIやIoTを取り入れた設計・生産のデジタル化実装や、既存技術の応用を通じた新規事業創出・新製品/サービス開発などを中心に支援を行っています。

こちらのnoteでは、O2の企業理念や事業内容、社員の情報などをお伝えするため、連載形式でインタビュー記事を掲載していきます。ぜひ、定期的にお読みいただければ幸いです。

今回の記事では、O2の事業がなぜ製造業の成長を支えるうえで効果的なのか、そしてO2が持つ強みとは何かを、マネージャーの鷹啄 信之がわかりやすく解説します。


コンサルティングの仕事は、クライアントが「やりたくてもできないこと」を請け負うこと

――コンサルティングとは、クライアントにどのような価値を提供する仕事ですか?

クライアントの会社が、やりたくてもできないことを請け負うのがコンサルティングの仕事です。「できない」というのには2通りあります。ひとつは忙しくて時間がない、その課題に取り組む人がいないなど、リソース不足でできないケース。もうひとつは課題そのものが難しすぎて、自分たちでは解決できないケースです。コンサルティングでは、2つのケースどちらにも対応します。

――コンサルティング会社にはどのような種類がありますか?

コンサルティングの領域はおおまかに戦略コンサルティング、業務コンサルティング、ITコンサルティングの3つに分かれます。戦略コンサルティングは経営戦略といった企業の意思決定の支援を、業務コンサルティングは業務改善や業務フローの策定などを、ITコンサルティングはシステムの導入支援やITインフラの改善などを取り扱います。

戦略など特定の領域に特化しているコンサルティング会社を領域特化型ファーム、建設業など特定の業界に特化したコンサルティングを業界特化型ファーム、それら全てを包括して取り扱う会社を総合コンサルファームといいます。

――O2の位置づけについて教えてください。

O2は製造業に特化した業界特化型ファームであり、戦略コンサルティング、業務コンサルティング、ITコンサルティングのいずれも担います。総合コンサルファームで製造業のコンサルティングをしている会社はいくつもありますが、製造業に特化したファームは、日本でも当社を含め数社だけです。

製造業に特化している最大の理由は、創業者・松本晋一が「日本人を元気にする。日本の製造業を元気にする。地方や国を元気にする」という想いで会社を立ち上げたことにあります。これはO2の企業ビジョンになっていますね。

また、大手のコンサルティングファームのなかには大企業のみを対象としてコンサルティングを行う企業もありますが、当社はそうではありません。中小企業のコンサルティングも積極的に行い、地方雇用の創出や利益を出せる仕組みづくりをして、社会に貢献することも重視しています。製造業が成長してこそ、日本全体が良くなる。そんな想いで業務に取り組んでいるのです。


製造業が抱える3つの課題とは

――製造業が抱えている課題として、どのようなものがありますか?

最近は、イノベーション創出、DX推進、人材育成の3つが課題となっているケースが多く、当社でも重点的に支援しています。

――イノベーション創出といいますと、具体的には何が課題になっているのでしょうか?

まずイノベーション創出における最大のボトルネックは、その会社が自分たちの携わってきた事業の常識を破れない点にあります。業界で働く人々のなかには、長年にわたり特定の事業のみに携わってきた方、ずっと同じ手法でものづくりを続けてきた方も少なくありません。そうすると、自分がやってきた事業ややり方のことしかわからないですから、その領域からはみ出るような新しい発想が浮かびにくいですよね。

その点私たちは、幅広いジャンルの製造業のクライアントを支援していますし、コンサルタントのバックグラウンドも多種多様で、いろいろな考え方や強みを持っています。それらを活用し、クライアントの持つ事業の特徴をかけ合わせることでイノベーション創出へとつなげます。また、当社は特別な強みを持つ企業との業務提携も行っているため、そういった企業とクライアントを結び付けて新規事業の創出も目指します。

――DX推進、人材育成についても詳しくお聞かせください。

DX推進については、日本は先進国のなかでほぼ最下位くらいのポジショニングです。最大の原因は「今は上手くいっているので、業務の仕組みを変えなくても困らない」という会社が多いから。しかし、そういったスタンスのままでは5年後や10年後に業界構造が変化した場合、DX推進の遅れが会社にとっての致命傷となってしまう可能性もあります。

人材育成については、多くの企業で今いる社員たちをどうやって育てるのかが課題になっています。また、グローバル化はもはや避けられない状態ですから、今後はさまざまな国や地域のバックグラウンドを持つ人や日本語が堪能でない人が入社してくるでしょう。そういった人たちを、いかに育成するのかといった課題もあります。


O2のコンサルティングの特徴は「口も出しますが、手も出します」

――製造業の持つ課題をコンサルティングするうえでのO2の強みを教えてください。

当社は元エンジニアのコンサルタントが中心の会社です。メンバーの7割が製造業の事業会社出身、3割がコンサルやIT系出身になります。製造業の現場やものづくりのリアルを知っているメンバーがコンサルティングを担うことが、当社のユニークな点であり強みです。

私自身も元エンジニアで、前職ではソニーで製品の設計・開発をしていました。転職のきっかけは「今後の人生で、より多くの製品の設計に携わりたい」と思ったこと。コンサルタントとしてさまざまな会社の支援をすれば、直接開発はしないけれども、自分の考え方のエッセンスの入ったものをより多く世に送り出せると考えました。

――O2のコンサルティング手法の特色についてお聞かせください。

私たちのコンサルティングの最大の特色は「口も出しますが、手も出します」というスタイルです。分析を行い、課題への対策を立てて、打ち手の説明をしたうえで「じゃあ一緒にやりましょうか」と行動するのが私たちのスタイルになります。

通常のコンサルティングファームは、打ち手の提案までで終わりです。なぜならば、多くの企業はその打ち手を実行するだけの技術力がないから。一方、当社のメンバーは先ほども述べたように、元エンジニアのバックグラウンドを持っている者が多いです。それに、メンバーの強みも多種多様ですから「このジャンルの課題ならば〇〇さんに相談しよう」といったように、社内での情報連携も効果的に行われます。だからこそ、製造業のあらゆる課題に対して、より良い解決策を導き出せる。それが最大の強みです。

さらに、当社はO2、LIGHTz、IBUKI、XrossVateというグループ4社から構成されています。O2はコンサルティングの会社、LIGHTzがつくばを拠点としてAIを開発している会社、IBUKIは山形でプラスチック射出成型の設計製造をしている会社です。そしてXrossVateというのはO2から派生した会社で、エンジニアリング支援として、工業製品や電子機器などの設計や、設計者の教育などを担っています。

――コンサルティングファームでありながら、製造業の会社がグループにあるのは珍しいですね。そうしたグループ構成となっている利点は何でしょうか?

自分たちが実際にものづくりやAI導入を行っているために、製造業の課題をリアルタイムで把握できます。IBUKIでは製品を自動車関連や電気関連の会社に納めていますから、その分野のビジネスの潮流を掴むことができます。課題の本質を理解し、ビジネスで得た生のノウハウをクライアントに提供できることが大きな利点ですね。


設計可視化・構造化が一番の強み

――O2の強みが特に発揮されるのは、どのようなケースですか?

私たちのコアソリューションは、設計可視化・構造化です。クライアントからよく寄せられる要望として「設計技術の暗黙知(=経験や勘、直観などに基づく知識)を可視化したい」「ベテランの頭の中にある手法やノウハウを他の人々に伝わる形で残したい」といったものがあります。

ベテランの人たちは、そもそも何が暗黙知なのか自分には分からないのです。ベテランは業務におけるノウハウを「見た感じ○○だな」「この音は○○に違いない」といったように感覚で捉えているケースが多い。要するに手法が属人化しています。人によってスキルの差がありますから、担当者ごとに設計品質のばらつきも出てしまうでしょう。

レポートなどの資料に重要な考え方やノウハウが残されていないケースもあります。それに、後輩に教えるにしてもOJTが丸投げ状態になっていることも多く、指導法も人によってバラバラです。結局、せっかくのノウハウが後輩に伝わらないまま、ベテランの人たちがどんどん退職していってしまいます。

その課題を解決するため、ノウハウの本質を理解して伝わる形に直すのが私たちの仕事です。ベテランが設計をするうえで一生懸命考えていることを、他の人が理解できる状態へと整理するのが可視化。言うなればジグソーパズルのすべてのピースを洗い出し、その上下左右には何が並ぶかを整理していく作業です。そのピースを上手く組み合せて、全体としての“絵”を明らかにするのが構造化です。

O2では、ベテランからヒアリングした内容を、DSM(Design Structure Matrix)という手法を活用しながら可視化・構造化します。目的やゴールを設定したうえで、打ち手を考えるという流れでコンサルティングをしています。

また、可視化・構造化の土台となるのが、私たちの持つ製造業の知見と、それを支える工学のスキルです。どんな製品であっても、そこに使われている工学のセオリーは変わりません。ですので、たとえ初めて触れる分野であっても、工学を理解していれば、設計者の技術の話についていくことができます。

設計者は「この人には技術の話が通じるな」と思うと、打ち解けていろいろな話をしてくれるものです。設計者の話をどんどん引き出して、よりクライアントの業務に深く入り込んで課題を解決する。これは、O2でなければできないやり方だと考えています。


常に新しいことを学べる、知識欲のある人にはたまらない環境

――O2で働くことで得られる経験やスキルについてお聞かせください。

コンサルティングを通して、常に新しいことを学べるので、知識欲のある人や好奇心が強い人にとっては魅力的な仕事だと思います。その分野の最先端を走っている会社や、知名度こそ高くないものの尖った技術を持っている会社など、幅広いクライアントと接することで、どんどん自分の知らない知識が得られる。非常に刺激的な環境ですよ。

裏を返せば、しっかりとついていくための学びが必要ということなります。いろいろな会社がどのように課題を抱えていて、それに対してどういった解決策があるかを、常に新しいことを学習しながら考えていかなければいけません。簡単ではありませんが、そこが面白さや楽しさでもあります。また、学びを続けることで、必然的にどんどんスキルを磨けるのも良い点です。

――他のコンサルティングファームで得られる経験との違いは、どのようなものですか?

現場に入るというのが、一番の違いだと思います。もちろん他のコンサルティングファームでもヒアリングの時間はあると思いますが、現場に入ってベテランの方々の話を長期にわたって聞くという経験は、そうそうできないのではないでしょうか。

私たちは3か月から半年くらいかけてヒアリングを行いますから、かなり深いところまで話をしてもらえます。よく案件が終わったころには「うちの設計のこと、もう大体分かったでしょう」と言っていただけますね。その会社の技術や製品、ビジネスのあり方について深く理解できるのが、他のコンサルティング会社にはない当社の特徴といえます。

――読者のなかには、事業会社でエンジニアとして働くか、それともO2で働くか迷われている方もいるかもしれません。そんな方に、それぞれの道で得られる経験の違いについて教えてください。

特定領域の道を極めるか、幅広い領域の知識を身につけるか、という違いでしょうね。事業会社でエンジニアとして働くと、業務のなかで特定の製品や技術について深掘りをしていくことが多いです。言うなれば、ある領域のスペシャリストになれる一方で、その領域以外の知識がなかなか身につきにくい、ということでもあります。

一方、O2でコンサルタントとして働くと、数多くのプロジェクトを通じて多種多様な領域の知識が身につきます。扱う領域が広域にわたることで、自分の好きな分野や、自分に適性のある分野が見つけやすくなるでしょう。そうすれば、今後のキャリアの指針も明確になってきますし、社会人生活がより豊かなものになると思います。


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