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正解を書くのが、仕事だった

株式会社Codence代表の西野です。エンジニアとして働いていた頃、仕事のほとんどは「正解を書くこと」だったように思います。仕様があり、期待される挙動があり、その通りに動くコードを書けば評価された。テストが通ればOK。レビューで指摘された箇所を直せばOK。手が止まるのは、自分の知識不足か調査不足かのどちらかで、ほぼ必ず「正解」が先にありました。その前提で働いてきて、経営者になった途端、急にそれが通用しなくなった。今日はその話を書きます。正解のない場所で、毎日決めているCodenceを立ち上げてから一年と少しが経ちました。この期間で痛感したのは、経営の仕事のほとんどは「正解がわからない中で...

決めきれない日に、私がやっていること

4月の終わりが近い。新しい現場に入った人、引き継ぎを終えた人、面談で来週から動き始める人。私の周りはまだざわざわしている。経営の仕事は、判断と判断の連続だと改めて思う。案件のゴーサイン、契約の条件、メンバーの配属、採用の合否。決めれば前に進むのはわかっている。それでも、決めきれない日がある。今日はその「決めきれない日」に、私がどう過ごしているかという話を書きたい。立派な経営論ではないし、生産性ハックでもない。決めきれずに自分の考えを引きずっている時間に、どう向き合っているか。それだけの話だ。決めきれない日は、思っているより多い経営者になって一年弱、最初の半年くらいは、決められないことに罪...

面談で、私が必ず聞くこと

4月は転職の季節だ。転職エージェントのオフィスは多くのエンジニアで混雑しているだろうし、私のメールボックスにもカジュアル面談の申し込みが増えている。Codenceはまだ設立1年未満の小さなスタートアップだから、メガベンチャーのように毎日のように面談が入るわけではない。でも、その分だからこそ、一人一人の面談を丁寧に進めたいと思っている。そんな面談の中で、私は必ず聞いていることがいくつかある。それはスキルシートに書いてあることではなく、その人がどんなエンジニアなのかを知るための質問だ。もちろん、経験年数やスキルセットは重要な情報だ。でも、それだけで判断するなら、書類選考で十分だろう。わざわざ...

聞き方ひとつで、現場の信頼は変わる

株式会社Codence代表の西野です。4月に入りました。新しい現場に配属されたエンジニアの方も多いのではないでしょうか。環境が変わると、最初の数週間はとにかく緊張します。プロジェクトの全体像が見えない。チームメンバーの名前と顔が一致しない。開発環境のセットアップだけで初日が終わる。私自身、SESエンジニアとして何度も「新しい現場の初日」を経験してきました。そのたびに感じていたのは、技術的なキャッチアップよりも「聞けないこと」のほうがずっとストレスだということです。今日は、SES現場を何度も経験してきた私が「聞き方」について書いてみます。技術の話ではありません。でも、技術力と同じくらい、も...

引き継ぎの3日間で、半年が決まる

株式会社Codence代表の西野です。4月は、現場が一番揺れる月だと思っています。プロジェクトの切れ目、担当の入れ替わり、急に席が空く話。毎年4月になると、どこかの現場で誰かが引き継ぎをしています。うまく引き継げた現場は、そのあと半年くらい静かに進みます。逆に、引き継ぎが中途半端だった現場は、半年くらいずっと燻ります。「あの仕様、前任者しか知らないんですよね」という言葉を、何度聞いたかわかりません。私自身、エンジニアとして何度か現場を引き継がれる側になりました。会社を始めてからは、仲間が現場を引き継ぐ姿を近くで見ています。そのたびに、引き継ぎというのは3日間で決まるな、と感じるようになり...

現場で気づいた、AIと上手く働ける人の共通点

こんにちは。株式会社Codence代表の西野です。最近、現場で一緒に働くエンジニアたちを見ていて、ある変化に気づきました。同じくらいの経験年数、同じような技術スタックを持っているのに、仕事の進め方やアウトプットの質に明らかな差が出ている。その差を生んでいるのが、AIとの付き合い方でした。今日は、私たちが日々の開発現場で感じている「AIと上手く働けるエンジニア」の共通点について、率直に書いてみようと思います。「AIがコードを書く時代」は、もう来ている2026年に入って、開発の現場は確実に変わりました。GitHub CopilotやClaude、ChatGPTを使って開発するのが当たり前にな...

「ちょっと相談」が言える現場

株式会社Codence代表の西野です。4月も下旬に入りました。新しい現場に入ったメンバーも、受け入れる側のチームも、最初の緊張が少しずつほどけてくる時期かと思います。私もSES経営者として、毎年この時期になるといくつかの現場を見て回ります。新しく入ったエンジニアのキャッチアップが進んでいるか、チームに馴染めているか、案件の空気が変わっていないか。見ておきたいことはたくさんあるのですが、最近ずっと考えていることが一つあります。それは、現場で「ちょっと相談いいですか」が軽く言えているかどうか、です。言葉にすると当たり前に聞こえますが、この一言が出る現場と出ない現場では、3ヶ月後のチームの状態...

4月は、一年でいちばん動きのある月

株式会社Codence代表の西野です。4月1日の朝。スマートフォンのアラームで目が覚めて、カレンダーを見た瞬間、「ああ、今日からか」と声に出していました。何が「今日から」なのか。新年度です。去年までは、平然として迎えていた4月。今年は、自分の会社の営業をしながら迎える4月。同じ4月1日でも、見える景色がまるで違います。そして、4月。率直に言うと、1年で一番落ち着かない季節が始まりました。エンジニアが動く季節IT業界、とりわけSESという業界にいると、4月の人の動きは肌で感じます。なぜ4月に人が動くのか。理由はシンプルで、多くの企業の予算が4月に切り替わるからです。新しい予算がつけば、新し...

続けた人だけが見える景色

株式会社Codence代表の西野です。4月に入って、新しい期が始まった会社も多いと思います。期初のこの時期は「今年こそ何かを変えたい」「もっと成長したい」という気持ちが自然と湧いてくるタイミングではないでしょうか。でも、その意気込みが続くのは、たいてい数週間です。私自身、エンジニアとして現場に入っていた頃から何度も経験しました。「毎日技術ブログを書こう」「業務後に1時間勉強しよう」。始めたときは本気なのに、気づけばやめている。誰かに強制されたわけでもなく、自分で決めたことが続かない。あの挫折感は、地味にこたえるものです。今日は「続ける」ことについて書きます。派手な話ではありません。成功体...

離れて働くメンバーの、小さなサインを拾う

先日、エンジニアのメンタル不調に関する記事を読みました。IT業界の離職理由として「人間関係」や「精神的な疲弊」が上位に入っているという内容で、読みながら胸がざわつきました。私はSES事業を営んでいます。うちのエンジニアはクライアント先の現場に常駐しているので、毎日顔を合わせるわけではありません。同じオフィスで隣の席に座って、昼休みに雑談して、夕方に「お疲れさま」と声をかけ合って帰る。そういう日常がありません。だからこそ、ずっと頭のどこかで考え続けていることがあります。「あの人、本当に大丈夫だろうか」創業してからこの問いがずっと消えない。エンジニアが現場に入れば入るほど、この不安は大きくな...

「任せられる」と言われるエンジニアの共通点

株式会社Codence代表の西野です。4月になりました。エンジニアにとって、4月は特別な時期だと思います。プロジェクトの切り替わり、チームの再編、新しい現場への異動。年度の変わり目に合わせて、働く環境が一気に変わる人も少なくないはずです。新年度の初日に、ひとつ書いておきたいことがあります。私がエンジニア時代に痛感した「技術力だけでは足りない」という話です。いま振り返ると、この気づきが私のキャリアを大きく変えました。そしてこの4月に新しい環境へ踏み出す方にとっても、何かしら参考になるのではないかと思い、今日はこの話をします。勉強すれば評価されると信じていた2018年にエンジニアとしてキャリ...

新しい現場で、最初の一週間をどう過ごすか

株式会社Codence代表の西野です。4月。新年度が始まるこの時期は、エンジニアにとって特別な季節だと思います。異動があったり、転職して新しい会社に入ったり、プロジェクトが切り替わったり。私自身もエンジニア時代、何度も経験してきました。そして、そのたびに思っていたことがあります。「ちゃんとやれるだろうか」この一言に尽きます。新しい現場に入る前の夜、布団の中で何度もこの言葉が頭をよぎりました。技術的についていけるか。チームに馴染めるか。求められているレベルに達しているか。考え始めると止まらなくて、気づいたら朝になっている。そんな経験をした方は、きっと私だけではないはずです。今日はそんな「新...

「また一緒に働きたい」と言われる人

SESという働き方をしていると、プロジェクトが終わるたびに現場が変わります。新しいチームに入って、関係をゼロから築いて、成果を出して、また次の現場へ。この繰り返しの中で、不思議なことに気づきます。どの現場に行っても「次もお願いしたい」「うちに来ない?」と声がかかる人がいる。一方で、技術力は申し分ないのに、契約更新のタイミングでそっと見送られる人もいる。経験年数も、保有スキルも、それほど変わらない。なのに、現場からの評価にはっきりと差がつく。その差は何なのか。私はSESエンジニアとして何年も現場を渡り歩いてきました。金融系、通信系、Web系と、業種も規模もさまざまです。その後、SES企業を...

AIがコードを書く時代に、創業という選択をした理由

こんにちは。株式会社Codence代表取締役の西野です。「エンジニアの仕事がAIに奪われる」。そんな話を聞く機会が増えました。実際、生成AIの進化は目覚ましく、コードを書く作業の一部はAIが担えるようになっています。でも、私たちはそのタイミングで会社を立ち上げました。SESと受託開発を軸にした会社、Codenceです。なぜ今なのか。そして、なぜ一緒に走ってくれるエンジニアを探しているのか。この記事では、その背景を率直にお話しします。AIで変わること、変わらないこと2026年に入ってから、エンジニアの転職市場には明らかな変化が起きています。生成AIがコーディング支援だけでなく、設計や要件整...

「エンジニア募集」の求人が、実はコールセンター配属だった——SES企業の経営者が語る、詐欺求人

先日、Xで600万回以上表示されたポストが話題になっていました。友人がWebデザイナーになると言って転職したのに、半年後に会ったらコールセンターで働いていた、という体験談です。エンジニアやデザイナーの職種名で人を集めておきながら、実際にはまったく別の業務に配属する——いわゆる「詐欺求人」の存在を知ったという内容で、多くの共感を集めていました。このポストには数百件のリプライがつき、同様の経験をした人たちの声が大量に寄せられていました。SES企業を経営している立場から、この問題について正直に書いてみます。SNSで多く語られていた被害パターンリプライ欄の声を読んでいくと、被害の構造にはいくつか...