Javaだけが正解じゃない。創業1年目の経営者が見る、C#/.NET市場の2026年
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面談をしていると、Javaを長く書いてきた方から似た質問をよく受けます。「この先もJavaだけで食べていけますか」「次に何を覚えておくと安心ですか」。気持ちはよくわかります。私ももともとエンジニアだったので、自分の持っているスキルがこの先どう評価されるのかは、いつも頭の片隅にありました。技術の話というより、生活と地続きの不安なんだと思います。
その流れで最近増えたのが、「C#って、今でも需要あるんですか」という質問です。なんとなく古い言語、というイメージを持っている人が多いみたいです。でも市場を見ていると、C#と.NETはむしろ静かに存在感を増しています。声高に話題になるタイプの技術ではないぶん、伸びていることに気づきにくいだけなんです。今日はその話を、創業して間もない会社をやっている立場から、できるだけ実感に近いところで書いてみます。
先にお断りしておくと、これは「JavaよりC#のほうがいい」という話ではありません。私はどちらの言語にも良さがあると思っていますし、エンジニアの方に乗り換えを勧めたいわけでもない。ただ、自分のキャリアの選択肢を考えるときに、C#と.NETを「なんとなく古いから」で外してしまうのはもったいない、という話です。判断材料として、今の市場がどうなっているかを共有したいだけです。
「C#は今さら」というイメージは、数字と合っていない
C#に対して、一昔前の業務システムの言語、という印象を持つ人は少なくありません。私自身も、現場に出るまでは近い感覚を持っていました。WindowsのデスクトップアプリやSIerの大きな案件で使う言語、くらいのざっくりした理解です。
ただ、プログラミング言語の人気を測るTIOBEという指標を見ると、2026年1月時点でC#のシェアは前年から大きく伸びていて、長く上位にいるJavaとの差がかなり縮まっています。この指標を出している側からも、「JavaとC#を比べたとき、C#を選ばない理由がほとんどなくなった」という趣旨の評価が出ているほどです。長いあいだJavaの一段下に見られがちだった言語が、ほぼ並ぶところまで来ているわけです。
理由のひとつは、.NETという土台が手堅く更新され続けていることだと思います。2025年の終わりに出た.NET 10は長期サポートの対象で、2028年まで面倒を見てもらえます。会社の基幹システムのように、一度作ったら長く使い続けるものほど、この「長く支えてもらえる」という安心感が効いてきます。新しさより、止まらないこと。そこを大事にする現場と、C#はとても相性がいいんです。
もう一つ見落とされがちなのが、C#が活躍する場所の広さです。業務システムやWebだけでなく、ゲーム開発でよく使われるUnityもC#で書きます。ふだん業務系を書いている人が、まったく畑の違う領域にも同じ言語で踏み込める。これは、キャリアの逃げ道や寄り道を作りやすいという意味でも、地味に大きい強みだと思います。
人気の数字そのものに一喜一憂する必要はありません。ただ、自分のスキルの「次の一手」を考えるとき、伸びている側の言語を知っておくのは損ではない、という話です。流行を追いかけるためではなく、選べる道を増やしておくために、です。
業務系と金融が、.NETを手放さない理由
案件の数で見ても、C#は業務システムやSIer、それにWebアプリの領域でしっかり需要があります。最近はASP.NETやBlazorを使ったWeb開発での採用も増えていて、「デスクトップアプリ専用の言語」という古い枠には、もう収まっていません。サーバーサイドからフロント寄りの部分まで、一つの技術で通せる範囲が広がってきました。
特に金融や業務システムの世界で.NETが選ばれ続けるのは、派手さより安定を優先する現場が多いからだと感じています。長期サポートがあって、過去に作ったものが急に動かなくなりにくく、性能も世代を追うごとに上がっている。最新の流行に飛びつくことより、システムが止まらないことのほうがずっと価値になる領域では、この堅実さがそのまま武器になります。
私が現場で見てきた範囲でも、業務系の開発は「動いて当たり前」を長く守り続ける仕事でした。新機能をどんどん足していく華やかさはないかもしれません。でも、誰かの生活やお金が乗っているシステムを、何年も止めずに支える緊張感は、エンジニアとして得るものが大きいと思います。設計の判断ひとつ、テストの一行ひとつに重さがある。.NETは、そういう責任の重い場所で長く信頼を積んできた基盤です。この信頼の蓄積は、新しい言語が一朝一夕に置き換えられるものではありません。
こうした「長く使われる前提の現場」は、エンジニアにとって学びの密度が高い場所でもあります。短期間で作って終わりではなく、自分が書いたコードが数年単位で使われ、誰かに引き継がれていく。そうなると、その場しのぎではない書き方、後から読む人にやさしい設計を、いやでも考えるようになります。C#と.NETの現場には、この「長く面倒を見る」という前提が染みついていて、そこで身につく感覚は、どの言語に移っても役に立つものだと感じています。
「枯れて伸びしろがない」というイメージとは、逆に進んでいる
.NETに対する「もう枯れていて、伸びしろがない」というイメージも、実態とはずれてきています。.NET 10ではクラウド上で動かすときの効率が上がっていて、複数の小さなサービスに分けて動かすような構成でも、軽く速く動くようになりました。同じ処理をより少ない資源でこなせる方向に、世代ごとに進んでいます。
クラウド前提でシステムを組む流れは、業務系の世界にも確実に入ってきています。これまでオンプレミスで動かしていた基幹システムを、少しずつクラウドへ移していく案件は、今後さらに増えるはずです。そのとき、C#と.NETを書けて、かつクラウドの勘どころもわかる人は、かなり重宝されると思います。一本の言語のなかに閉じこもるのではなく、その言語が動く環境まで含めて理解している人ほど、現場で頼られます。
これは前にJavaエンジニアの方へクラウドを勧める記事でも書いたことですが、言語の上にもう一階建てるイメージで、動く土台を理解しておくと市場での見え方が変わります。C#を書いている人にとっては、その一階ぶんが.NETとクラウドの組み合わせになる、というだけの話です。
古い基盤を保守するだけの仕事、というイメージで敬遠してしまうと、こうした変化を見落とします。実際には、レガシーな環境をモダンな構成に作り替えていく案件が、今いちばん人手を必要としている部分でもあります。古い資産があるからこそ、それを新しい形に持っていける人の価値が上がる。C#と.NETの世界は、そういう「過去と未来をつなぐ仕事」がまだまだ残っている場所です。
AIがコードを書く時代に、C#の価値はどう動くか
ここ一年で、AIがコードを書いてくれる場面が一気に増えました。C#のように型のはっきりした言語は、AIが出してきたコードのおかしな点に気づきやすく、相性のいい部分があります。エディタの補完も賢くなって、書く速さ自体はどの言語でも底上げされてきました。手を動かすスピードでいえば、言語による差はこれまでより小さくなっていくはずです。
そうなったときに評価されるのは、「何を、なぜ作るのか」を決められる人です。仕様の意図を読み取り、どこを作り込んで、どこを削るかを判断できる人。出てきたコードが要件に合っているか、後で困らない作りになっているかを見極められる人。これはJavaでもC#でも変わらない、土台の力です。言語はそのための道具であって、ひとつに縛られる必要はないと私は考えています。
AIに任せられる部分が増えるほど、人が握るべき仕事は判断のほうに寄っていきます。だからこそ、どの言語を選ぶかという問いは、昔ほど重くなくなってきました。大事なのは、その言語を使って何を成立させられるか。C#を選んでも、Javaを選んでも、そこで問われる力は地続きです。
C#に興味が出たら、何から触ってみるといいか
ここまで読んで、少しC#が気になってきた方もいるかもしれません。最初から資格を取りに行く必要はないと思っています。私は、まず小さくても動くものを一つ作ってみるのが一番だと考えています。Javaを書いてきた人なら、文法の感覚はかなり近いので、入り口で大きくつまずくことは少ないはずです。
たとえば、普段Javaで書いているような小さなWeb APIを、ASP.NETで一度組んでみる。データベースにつないで、簡単な画面まで通してみる。それだけで、.NETという土台がどう動くか、どこが楽でどこが手間かが体でわかってきます。読むだけの学習より、一度通しで作ってみるほうが、面談で話せる材料も増えます。
もう一つ、環境ごと理解する意識を持っておくと強いです。書いたC#のコードをクラウド上で動かしてみると、言語だけを覚えるのとは見える景色が変わります。今の現場で評価される人は、コードが書けるだけでなく、それがどこで、どう動いて、誰に届くのかまでをイメージできる人です。C#と.NETは、その全体像を一通り体験しやすい組み合わせでもあります。
「JavaかC#か」で、立ち止まらなくていい
私たちは今、バックエンドを担うエンジニアを探しています。Javaの経験がある方はもちろん歓迎ですが、Javaが書けなくてもC#の経験があれば、十分に力を発揮してもらえると考えています。どちらかが正解で、どちらかが不正解、という見方はしていません。
大事なのは、特定の言語を握りしめることより、設計や判断の力をじっくり育てていくことだと思っています。その土台さえあれば、JavaからC#へ、あるいはその逆へ移ることも、それほど怖くはありません。実際、現場では複数の技術をまたいで動ける人ほど、案件の選択肢が広がっていきます。市場のほうも、片方だけを正解にするような動き方はしていない。だからこそ、自分の手札を一枚増やすくらいの気持ちで、C#や.NETを眺めてみるのは悪くない選択だと思います。
創業して間もない会社なので、案件に入りながら、一緒に会社そのものを作っていく感覚を持てる場所です。大きな組織のように役割がきっちり分かれていないぶん、設計から実装、そのあとの運用まで、近い距離で関わってもらえます。もしC#やReactで手を動かしつつ、設計や上流の判断にも踏み込んでいきたいと感じている方がいれば、下の募集を一度のぞいてみてください。いきなり応募でなくても、まずは話すだけでも歓迎です。あなたが今持っている一枚のカードを、どう次につなげていけるか。その相談からで構いません。