ご覧いただきありがとうございます。株式会社G&I代表の池田です。
前回からお話ししているわたくし池田が考える"G&Iのエンジニア教育論"、今回は2回目、伝える力についてです。
はじめに:G&Iが大切にするエンジニアのスキル
前回のおさらいとなりますが、G&Iが大切にしたいと考えるエンジニアのスキルは3つです。
前回は、上記図表の左上、ビジネスエンパシーについてお話しました。本当に使える良いシステムを作り上げるには、使う人が何を求めているのか、なぜこのシステムを作る必要があるのかといったプロジェクトの背景を想像し、グループ内で共有かつ明確化したうえで作業に取り組むことが必要です。
※詳細につきましては、Vo.1 ビジネス・エンパシーの育て方をお読みいただけますと幸いです。
今回は、ビジネスエンパシーを正しく発揮させるために必要な伝える力、ブリッジ・コミュニケーションについてご説明いたします。
専門用語を捨てて「翻訳」する:ブリッジ・コミュニケーション
ブリッジ・コミュニケーションとは、異なる背景を持つ人々の「架け橋」となり、意思疎通を円滑にする対話手法です。ビジネスにおいては、特に異なる専門分野、文化、役職、または国籍の間で発生する認識のズレを埋めるために重視されます。G&Iの社員として特に必要となるのは、IT業界の専門用語や専門知識をITに詳しくないお客様に苦痛なく理解していただくコミュニケーション能力となります。
G&Iの社員であるならば、与えられたプロジェクト、作業に対して、お客様が何を求めているのだろう、なぜ作るべきなのか…という背景を読み解き、作業をすることは不可欠です。…が、それは勝手な思い込みであっては決してなりません。きっとこうだろうな~これを困っているに違いない!と想像だけし、お客様と意思の疎通を図ることなく作業をすることは、本当のビジネスエンパシーとはいえません。本当に正しくプロジェクトの背景やお客様の困りごとを把握するには、お客様と対話することが必須となります。
そしてお客様との対話を試みるとき、つい自分たちが当たり前に使っている専門用語を羅列してしまうことがエンジニアとしてとても多い事例となっています。
ここで、わかりやすく例を挙げてみましょう。
悪い例:「その機能は現行のシステムアーキテクチャの制約上、サードパーティAPIのレートリミットに引っかかるため実装不可能です。」
すごく丁寧に説明しているのですが、先方は"実装不可能"としか理解できません。では、どのように伝えたらいいのか、G&Iの社員ならばぜひ、このような言葉に変えてほしいと考えています。
良い例:「ご要望の機能をそのまま作ってしまうと、"外部のデータ提供元のルール制限(利用回数オーバー)"に引っかかってシステムが止まってしまうリスクがあります。そこで、完全にリアルタイムではなく"1時間に1回自動で最新情報に更新する仕組み"に切り替えるのはいかがでしょうか?これならリスクを回避しつつ、ご要望通りの運用が可能です。」
システムアーキテクチャ、サードパーティ、API、レートリミットといった専門用語を使わず説明し、さらに不可能ならばどのような対応ならば可能かというご提案をする、この対応ができればベストであり、お客様と最強のコミュニケーションが図れると考えます。
ブリッジ・コミュニケーションの育て方
G&Iでは、ブリッジ・コミュニケーションを向上させるために社内でのレビューや打ち合わせの準備段階で、エンジニア同士が以下のような声がけを習慣づけていきます。
・それ、ITに詳しくない方が見ても一目でイメージできる言葉になってる?
・専門用語はない?身近な例え話に変換できてる?
・できる/できない」だけでなく、選択肢とリスクを整理してロジカルに伝えられてる?
専門用語を使わないわかりやすい文章を社内で事前にすり合わせ、フィードバックを繰り返すことで、どんなに口下手で不器用なエンジニアであっても、お客様の前で分かりやすい、安心して相談できるといわれるコミュニケーション能力を身に着けるよう共有していきたいと考えています。
さいごに
システムエンジニアには、自分は話すことが苦手だと感じている人がとても多いです。しかし、わたしがIT業界の営業として多くのエンジニアたちと接し感じたことですが、エンジニアたちはコツさえ覚えれば驚くほど論理的で分かりやすい対話ができるようになります。なぜなら、エンジニアはもともと"物事を構造化して考える力(ロジカルシンキング)"に長けているからです。
わたしはG&Iを率いるものとしてエンジニアたちの苦手意識をなくし、話しやすく信頼できる人材を育てていきます。
次回は、3つの人間力のラスト、オーナーシップ(当事者意識)についてお話させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。