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【地域の足を改善するには!?】業務紹介③-公共交通に関する検討-

こんにちは、株式会社サンビーム 地域計画部の近藤です。
今回は、地域計画部が取り組む「公共交通に関する検討」について、ご紹介したいと思います。

はじめに

地域の公共交通は、人々の日常生活を支える重要な足の1つです。公共交通による移動が確保されることで、通勤通学、趣味、買い物、通院などで行きたい場所に、自分で車を運転せず比較的安価に移動できます。また、地域の公共交通の確保により、健康や環境、交通安全、地域経済など多様な分野によい影響を与えるとも言われます。

一方で、人口減に伴う利用者の減少や担い手不足などが、公共交通のサービスレベル低下につながり、さらに利用者が減少するといった「負のスパイラル」に陥る自治体も少なくないなど、様々な問題を抱えていることもまた事実です。

そのため、法律(※)に基づき、自治体が地域の公共交通の維持・改善に向けて計画を作成し、取組を積極的に進めていくことが求められています
ですので、自治体での検討を支援する我々建設コンサルタントの役割も非常に重要となっています。
(※地域公共交通の活性化及び再生に関する法律、通称「活性化再生法」「地域交通法」)

サンビームの公共交通に関する業務

サンビームが受託している公共交通に関する業務は、大きく以下の4つに分かれます。
・地域公共交通のあり方に関する検討の支援、計画の作成支援
・新たな交通施策の実施に向けた実証実験の支援
・公共交通に携わる方々に向けたノウハウの支援
・公共交通を支える技術の整備支援(交通DXの推進支援)

以下では、それぞれの業務について、簡単にご紹介します。


1.地域公共交通のあり方に関する検討の支援、計画の作成支援

地域の公共交通について、今後の方向性や取り組んでいくべき施策等検討する業務です。これらを取りまとめて、地域の公共交通に関する計画を作成する(または見直しをする)場合もあります。

この業務では、地域の現状を明確化して分析し、課題を整理したうえで、適切な方針や施策の案を提案していきます。ですので、全ての基礎となる現状分析が非常に重要です。

現状分析では、移動や交通に関わるデータのほか、人口、土地利用、商工業など様々な分野のデータを基にした定量的な分析に加え、住民や関係者へのアンケートやヒアリング、実際に交通機関に乗車して実施する調査などを基にした定性的な分析など、複数の方法を用いて現状を明確化し、分析を行います。

(ある自治体周辺の人口と公共交通の運行状況の比較図をオープンデータから作ってみました。問題や課題が見つかりそうですよね?)


2.新たな交通施策の実施に向けた実証実験の支援

地域住民の足を確保する上で、どういった方法(手段)が適切なのかを明確にするため、「実証実験」として新たな交通手段の導入などを行い、状況を分析することで今後の取組方針の検討に向けた基礎材料を整理する業務です。

この業務では、利用状況を定期的に整理・分析するとともに、利用者の満足度などをアンケートやヒアリング等から整理し、今後の取組に向けた問題・課題を分析していきます。
ここでの分析結果が、本格導入に向けた検討(または他の手段等の活用に向けた検討)の基礎材料になることから、利用実態や地域のニーズを適切に整理・分析し、有効な検討材料を提供することが重要です。


3.公共交通に携わる方々に向けたノウハウの支援

公共交通に携わる方々に向けて、取組の参考となるノウハウや事例などを整理し、情報提供を行う業務です。

この業務では、全国の自治体や海外から参考となる事例を抽出し、その取組に至った経緯や取組内容、留意点などを、机上調査やヒアリング、現地調査などを通じて整理し、手引書などの資料に取りまとめます。

抽出した事例が他の自治体でそのまま適用できるわけではないので、取組を参考にしつつも、各自治体で取組を検討する際に考えるべきこと、留意すべきことなどが明確に伝わるよう留意し、とりまとめを行うことが重要です。
また、自治体の方々や交通事業者、地域住民など、様々な関係者が資料を見ることを想定し、見やすく・読みやすく・理解しやすく整理することも重要です。


4.公共交通を支える技術の整備支援(交通DXの推進支援)

公共交通を効率的に運営したり、1の検討を効率化・精緻化したりするために、デジタル技術を有効に活用した方法を導入していく(いわば「交通DX」)ために必要な検討や技術的支援を行う業務です。


交通分野でも、DXの推進とそのためのデジタル技術の有効活用が不可欠となっていますが、なかなか取組に着手できていない自治体や事業者も多いのが実情です。
ですので、デジタル技術の活用に向けた必要となる取組事項の整理技術的なサポートなどを通じ、取組を支援していきます。

例えば、全国標準のバスデータ形式である「GTFS-JP」によるデータ整備の支援を行うことで、事業者でデジタル化を進めるための基礎を整備しています。
(この部分でのサンビームの取組はまだ少なく、これから取組数を増やしていくことが課題です。)

おわりに

公共交通の質は、地域の暮らしの質に直結します。様々な分野と関わるため、難しい部分も多い反面、やりがいも大きい業務だと思っています。
この記事を見て、少しでも公共交通に関する業務に興味を持って下さった方がいれば嬉しい限りです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


【余談】
今ホットな宇都宮LRT(ライトライン)も、公共交通に取り組んでいる人間にとっては、今後の利用動向や宇都宮市内の交通状況の変化に大注目の取組です。


※注:記事内の写真は、本記事が対象とする内容のイメージなどに相応しいと感じたものを筆者の独断と好みで選んだものであり、撮影場所と弊社には業務上の関係はありません。


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