インタビュアー: 今日は「成人発達理論」と「クレド」が、仕事にもプライベートにもなぜ大切なのか。そこを小川さんの実感で聞かせてください。
まず、成人発達理論って難しく聞こえます。理解しやすく説明すると?
小川さん: すごく簡単な例えでいきます。
成人発達理論って、ざっくり言うと「大人になってからも人は成長できる」って話なんですけど、ポイントは能力だけでなく、意識やものの見方などの“内面”が重要ってところです。
こう置き換えると一気に分かりやすくなるかと思います。
- 内面(捉え方・姿勢・ものの見方)= パソコンのOS
- 能力(知識・技術・経験)= アプリ(ソフト)
インタビュアー: OSとアプリ。
小川さん: そう。
多くの人は「アプリ(能力)を増やせば強くなる」って思う。私もそうでした。
資格を取る、勉強する、スキルを覚える。全部“アプリ(能力)追加”です。
でも現実は——
アプリ(能力)がいくらいいものがあっても、OSが対応してなければ、そのアプリ(能力)は生きない。
たとえば、最新アプリを入れてもOSが古いと動かない。
人も同じで、スキルを学んでも、内面(OS)が追いついてないと
- 使いどころが分からない
- 焦って判断が雑になる
- 失敗が怖くて手が止まる
- 人とぶつかる/伝わらない
で、能力(アプリ)が生かされず、結局「成果」を出せない。
インタビュアー: あるあるですね…。
小川さん: さらに怖いのがここで。
内面を磨かないと、OSはバージョンアップしないんです。
だから能力を身につけようとしても身につかないし、身についたとしても使いにくい。生きにくい。
もっと言うと、放置したらOSは劣化して、バージョンダウンすることもある。
インタビュアー: バージョンダウン?
小川さん: あります。
余裕がなくなると、視野が狭くなる。イライラする。疑う。守りに入る。
その状態が続くと、OSが古い反応に戻る。
すると何が起きるかというと——
前にできていたことができなくなる。
能力(アプリ)は持ってるのに、OSが下がったせいでアプリが対応しなくなる感じ。
「あれ、前は普通にできたのに…」っていう、あの現象です。
「我利我利」の話が、刺さりすぎた
インタビュアー: そこに、エスプリフォートのクレドがどう繋がるんですか?
小川さん: クレドって、“精神論”じゃなくて、OSをアップデートするために必要な指針なんです。
それがわかりやすかったひとつが「我利我利」の話でした。
「我利我利(がりがり)」は、仏教でいう“自分の利益ばかり考える状態”のこと。
こういう説話があります。地獄にも極楽にもごちそうが並んでいる。
でも箸が異様に長くて、自分の口に運べない。
地獄の人は「自分が食べたい」で必死だから、食べられず痩せて、怒って、奪い合いになる。
一方、極楽の人は長い箸でつまんだ料理を相手に食べさせる。結果、自分も誰かに食べさせてもらえて、みんな満たされる
——という話です。
インタビュアー: 分かりやすい…。
小川さん: 私も地獄の人と同じような状態でした。しかも自分としては“頑張ってるつもり”なんです。必死にしていたつもりでした。
でもその必死さって、能力ばかり磨いていて、内面を磨いていないので、自分よがりで自分のOSが古い状態なんですよね。
視野が狭い。余裕がない。相手が見えない。
だから結果も出なくて、人間関係も思うようにいかず、求める成果も得られない。その状態をプライベートにも持ち帰ってしまう。そんな悪いサイクルを生み出してしまう。
エスプリフォートではそうではなく、OS(内面)をアップデートして、自分よがりではなく、「Give & Give & Give」という現実的な生き方として強く推奨しています。
開発のリアル:OSが古いと、こうなる?
小川さん: 例えば、こういう場面です。
ある日、仕様が少し曖昧なまま進んで、出来上がったものが相手の想定とズレた。
この時にOSが古いと、反応的にこうなる。
- 「いや、言われてない」
- 「自分は悪くない」
- 「なんで今言うの?」
- 「こっちは忙しいのに」
これ、我利我利モードです。自分を守る方向に全振り。
でもOSがアップデートされている人は、最初の反応が違う。
- 「相手は何を達成したかったんだろう」
- 「どこで認識がズレた?」
- 「いま最短で立て直すならどうしたらいい?」
- 「次からズレない仕組みを作ろう」
同じ出来事でも、見ている世界が違う。
インタビュアー: “能力”というより、捉え方の差ですね。
小川さん: そう。能力(アプリ)が同じくらいでも、OS(内面)が違うと結果が変わる。
そして面白いのは、OS(内面)が整うと「学び方」まで変わることです。
大人の学習:アプリを増やしながら、OSをアップデート
インタビュアー: 以前、「学生の学び方と社会の学び方は違う」って話もしていましたよね。
小川さん: そうですね。
学生の勉強って「正解を覚える」ことが多い。
でも社会では、「相手・会社・社会に届く形で使える」ことが重要です。
私は前職の頃、量はやってたんです。
学びたいことを学んで、知識は増えた。資格も取った。
でも実務で活かせないことが多い。活かし方が分からない。
知識だけ増えて自分だけが「成長している気がする」で終わっていた。
これって、アプリ(能力)だけ増やしてOS(内面)を放置してた状態なんです。
OSが古いから、入れたアプリが動かない。使いどころも分からない。
だから、エスプリフォートに入社してから言われた一言が効きました。
「努力の量は大切だが、質を生み出せる量がでなければ意味がない」
「価値は“自分が頑張った”じゃなく、“相手に届いた”かが大事」
この瞬間から、学び方と活かし方が変わりました。
何を学ぶかより先に、
- 目的・目標のために何が必要で、何が活かせるのか
- 仲間や組織、お客様のために何をすると喜んでくれて、そのために何が必要で、何を活かせれるか
- 仲間や組織にどういうことをすることが、この先を良くできるのか
などと考えるようになった。
これが私にとっての“大人の学習”としての転換点でした。
クレドが、仕事とプライベートの両方に効く理由
インタビュアー: 最後に。なぜクレドは仕事だけじゃなく、プライベートにも重要なんでしょう?
小川さん: OS(内面)って、仕事の時間だけ動いてるわけじゃないからです。
仕事で我利我利(“自分の利益ばかり考える状態”のこと)になってる人は、プライベートでも我利我利になりやすい。
逆に、仕事で利他(自分の利益や都合を後回しにし、他者の幸福や利益を優先して行動する姿勢や精神)のOS(内面)である人は、日常でも利他でありやすい。
クレドでは我利我利ではなく、“利他”であれることを推奨している。なぜなら、それは結果として自分にも “利” が返ってくるからである。
だから私は、クレドを「会社の標語」じゃなく、人生のOS更新手引きでもあると捉えています。
利他って、きれいごとじゃなくてすごく現実的なんです。
地獄と極楽の違いは、環境じゃなくて心掛け。
そして心掛けは、鍛えれば変わる。
そう思えるようになったのが、私の中では一番大きい変化でした。
「OSが古いと、能力(アプリ)も動かなくなる」——それを痛感した日
インタビュアー: さっきの「OSとアプリ」の例え、すごく分かりやすかったです。小川さん自身、“OSがバージョンダウンしていた”って、具体的にどんな状態でした?
小川さん: いちばん分かりやすいのは、余裕がなくて、反応的になる状態ですね。
言われた瞬間に自分を守る。指摘されると「責められた」に聞こえる。小さな言葉に過敏になる。
今思うと、あの時期の私は、能力を高めよう、増やそうとしてたのに、OSがついてきてなかった。
いや、正確には——OS(内面)を磨くことを放置してたから、劣化してたんだと思います。
インタビュアー: 劣化すると、何が起きるんですか?
小川さん: これが本当に怖いんですけど、
前にできていたことが、できなくなるんですよ。
たとえば、以前は普通にできていた「相手の話を最後まで聞く」とか、
「落ち着いて整理する」とか、
「感情を一旦置いて、次の一手を考える」とか。
それができない。
内心では「分かってる」「やるべきことは知ってる」って思ってるのに、
できない方向に身体が動いて、口も動く。
——これがOSのバージョンダウンの感覚でした。
“能力があるのに空回りする”って、こういうことか
インタビュアー: その状態だと、能力(アプリ)はどうなります?
小川さん: 動かないです。もしくは、動くけど“誤作動”する。
たとえば、私には「整理して説明する力」みたいなアプリは元々あったと思うんです。
でもOSが下がってると、そのアプリが活かせない。
- 本来なら、相手が理解できる形に整えれるはずなのに、相手をみた言葉にならない
- そして、相手の反応が悪くなって、さらに焦る
- やっぱり結果、きちんと伝わらない
“能力がない”んじゃなくて、OS(内面)がその能力を動かせる状態じゃない。
それを痛感しました。
そこで出会った「クレド=OS更新の手引き書」
インタビュアー: そこから、どうやって戻したんですか?
小川さん: きっかけは、ある場面で自分が我利我利になってるのを自覚したことでした。
インタビュアー: どんな場面ですか?
小川さん: ちょっとしたすれ違いが続いて、予定がズレて、周りもピリついてて。
そのとき、誰かの一言が刺さったんですよね。
すると私の中で一瞬で我利我利が出て、
「いや、こっちもやってるし」
「なんでそんな言い方?」
「自分ばかりがしている気がする」
って、頭の中が“自分を守る”でいっぱいになった。
その瞬間に、ふと例の話が浮かんだんです。
長い箸で、自分の口に運ぼうとしてる状態だなって。
インタビュアー: そこで止まれたんですね。
小川さん: そうですね。クレドがあると、止まれる。
「利他」ってただの綺麗事じゃなくて、OSを元のバージョンに戻し、OSをアップデートもできるスイッチになるんです。
私はそこで、反応的に言い返さず、代わりにまず一つだけ行動を変えました。
- 「困ってることは何ですか?」
- 「いま一番困ってる点をあえて一つに絞るとどれになりますか?」
- 「最短で前に進むために、今日決めるべきことを一緒に考えましょう」
って、“前に進むための言葉”を口にした。
すると空気が変わって、できていたことができなかったのが、できるようになったんです。
インタビュアー: それって、まさにOSの更新ですね。
小川さん: そうなんです。能力を正しく起動できるOSに戻したことで、できることが増えたんです。
クレドって、頭で理解するものじゃなくて、
日常の反応を「自分の意思で選べる反応」に変えていくものなんだと、その時に分かりました。
「大人の学習」も、OSが上がると回り始める
インタビュアー: 以前話していた“大人の学習”も、ここに繋がりますか?
小川さん: 直結します。
OS(内面)が整ってないと、学びって“自分の満足”で終わりやすいんです。
学んだ
↓
分かった気がする
↓
でも、現場で使えない
↓
使えないから自信が減る
↓
さらに焦って、また我利我利(“自分の利益ばかり考える状態”のこと)になる
このループが起きる。
でもOSが上がると、学び方が変わる。
- 「誰の困りごとを減らすため?」
- 「どうすれば目標を実現するために、相手に伝わる形にできる?」
- 「速く目的を実現するために明日、何をする?」
実現すべきことがあり、そのために必要なものがあるからそれを学ぶ。
だからこそ、学びが“使う前提”になるから、身につく。
そして成果になるから、また余裕が生まれる。
OS(内面)がさらに安定する。
「能力だけでなく、OS(内面)を磨く」——そして“物(給与)心(誇り)”を得る、そのためにクレドがある
インタビュアー: 仕事だけじゃなく、プライベートにも効くのがクレドってことですね?
小川さん: そうですね。能力(アプリ)だけを増やさず、内面(OS)も育てる。
OSが上がれば、持っている能力は自然と活きて、学びも成果も回り出す。
逆にOSを放置すると劣化して、前にできていたことすらできなくなる。
そしてエスプリフォートのクレドは、そのOS(内面)を更新するための“手引き書”でもある。
クレドとは、きれいごとじゃなくて、すごく現実的なもので、OS(内面)は仕事の時間だけ動いてるわけじゃありません。
仕事で整えたOS(内面)は、家族や友人との会話、日々の反応にもそのまま出ます。
だからクレドは、仕事でもプライベートでも重要になってくるのです。
そして、ここがいちばん伝えたいことなんですが——
このOS(内面)を更新し続けていくと、結果として “物(給与)心(誇り)”を得て、高めることに繋がっていきます。
物=給与は、ただ欲しいと願っても増えない。
でも、クレドを自分の中に取り入れていくと、
相手に価値が届く行動が増え、信頼が積み上がり、成果が生まれ、
その積み重ねが「自然と」物(給与)に返ってくる。
心=誇りも同じです。
クレドに沿って、利他で選び、逃げずに向き合い、前に進める判断を重ねるほど、
「自分は最後までやりきった」「誰かの役に立てた」という実感が残る。
それが誇りになって、人生の軸になっていく。
だから私は、クレドを「会社の言葉」という単純なものではなく、
物心を得て、高めるための、生き方そのものとして捉えています。
もし「頑張ってるのに空回りする」「能力は増やしてるのに生きづらい」
そんな感覚が少しでもあるなら、一度話してみてほしいです。
エスプリフォートは、能力だけじゃなく、OS(内面)から一緒に育てていく会社なので。