三品 聡範 さん (サイネス合同会社 代表社員)
◆プロフィール
大阪大学大学院薬学研究科で再生医療や遺伝子工学を修習後、外資系製薬企業(研究開発職)、外資系コンサルティング会社を経て、2015年3月にイーソリューションズに入社。ライフサイエンス事業部の事業部長としてプロジェクトを牽引しつつ、子会社であるNCメディカルリサーチの資金調達、アライアンス交渉などを主導し、3年間で計8億円以上の資金調達を実現。その後独立し、現在は主に医薬・ライフサイエンス領域に関わる新規事業プロデュースや、バイオベンチャーをはじめとする技術系スタートアップの成長支援を行う。
◆ご経歴詳細
- 2008年3月 大阪大学大学院薬学研究科(前期課程)修了
- 2008年4月 日本イーライリリー株式会社(研究開発部門)
- 2013年3月 プライスウォーターハウスクーパース株式会社
- 2015年3月 イーソリューションズ株式会社 事業部長
- 2020年4月 サイネス合同会社設立 代表社員(現任)
- 2020年5月 「TOYAMAくすりシリコンバレー」事業戦略アドバイザー(現任)
- 2020年9月 株式会社タウンズ 社外取締役(現任)
- 2021年11月 ときわバイオ株式会社 取締役COO
イーソリューションズ入社前のキャリアと、入社理由について教えてください。
大学では薬学を専攻していましたが、学生の頃から「いつか創薬スタートアップを立ち上げたい」という思いを持っていました。新卒では「創薬ビジネスを学べそうだ」という漠然とした期待から製薬企業へ入社しましたが、事業を起こすためのより具体的な知識や戦略的な思考を身につけたいと考え、大手の総合コンサルティングファームへ転職しました。
ただ、ちょうどその時期の転職先ではシステム導入関連のプロジェクトが中心となりつつあり、自分が本当に経験したいと思っていた新規事業にはなかなか携われませんでした。そこで、次のキャリアとして「新規事業を専門に扱うコンサルティングファームへ進むべきか、それとも思い切って創薬スタートアップへ飛び込むべきか」と悩んでいたところ、当時お世話になっていたエージェントから「両方へ関わるチャンスがある」イーソリューションズを紹介されました。その話を聞いて、応募を決めたのが入社のきっかけです。
選考の中で特に惹かれたのは、「ビジネスの力で社会課題を解決する」というミッションや、「複数の力を紡ぎ、事業を創る」という事業プロデュースの考え方でした。もともと社会貢献性の高い仕事に携わりたいという思いがありましたし、創薬の世界で事業を立ち上げるには、研究者やビジネスパーソンなど多様なバックグラウンドを持つ人々との協業が必要だと考えていました。そうした自分の志向と、イーソリューションズの大切にしているフレームワークが重なり、とても自然に納得できました。
イーソリューションズでの仕事を振り返り、選択にギャップは感じましたか。
特に大きなギャップはありませんでした。ライフサイエンス事業部で新規事業の提案に携わり、さらに子会社の創薬スタートアップ(NCメディカルリサーチ、以下NCMR)の事業運営にも関わることで、入社時に望んでいた経験を着実に積むことができました。
想定以上だったのは、協業先や提案先の方々のレベルの高さです。経営層のビジネスパーソンやアカデミアの一流研究者など、非常に優秀な方々と仕事をする機会に恵まれました。当時30代前半だった私にとって、彼らの持つ深い思考や高い視座に触れることは大きな刺激でした。一流の人たちの意思決定の仕方や働き方を間近で学べたのは、自分のキャリアにとってかけがえのない財産になっています。
現在の起業に通じる糧となった経験や印象に残っていることを教えてください。
イーソリューションズでの経験は、2つの点で今に活きています。
1つ目は「深い思考力」を得られたことです。事業のシナリオや戦略を立てる際に、複数の視点から粘り強く思考を深めることの大切さを学びました。同時に、考えすぎて立ち止まるのではなく、スピード感を持って判断・意思決定し、物事を前に進める力も鍛えられました。佐々木社長がおっしゃっていた「悩むのとサボるのは一緒」という言葉は、今でも自分の中で強く残っています。
2つ目は「人を動かす力」です。相手を深く理解し、綿密なシナリオを複数準備したうえで、適切なタイミングで物事を伝えていく。その積み重ねによって、多くの人を巻き込みながら事業を進めることの重要性を学びました。また、場の雰囲気を整え、相手や自身も話しやすい環境を作ることの大切さも身をもって体験しました。今も「一緒に仕事をしたい」と感じてもらえるような存在でありたい、そのためにエネルギーを周囲に与えられるよう心がけています。
NCメディカルリサーチへのアドバイザーとしての参画について
佐々木社長とお会いした際に、NCMRが新たな事業フェーズにあることを知りました。そこで、自分がイーソリューションズを卒業してから培ってきた経験を還元できるのではないかと思い、参画を決めました。また、NCMRの研究開発をリードされている古賀美奈子さん(KM Pharmaceutical Consulting, President)と再びプロジェクトをご一緒できることにも大きな期待を抱いていました。
現在は古賀さんに加え、主にNCMR代表取締役の三谷宏幸社長や、ライフサイエンス事業部事業部長の天野さんとともに仕事を進めています。三谷社長の視座の高さや思考の切り口、そして多様なバックグラウンドを持つチームをまとめあげる手腕は、私にとって大きな目標です。一方で天野さんは、別の子会社であるトータルフューチャーヘルスケアの執行役員副社長を兼務をするなど、NCMR以外の重責を重ねる中でも一切手を抜かずにNCMRの事業運営をリードされており、その高いコミット力には常に刺激を受けています。
現在のビジネスについて
現在は、自身の会社を設立し、創薬スタートアップの資金調達や事業開発の支援を行なっています。また、ヘルスケア企業の産官学連携プロジェクトの支援や、大学教授や研究者との調整役を担いながら事業化を後押しする活動も行っています。
2025年4月からは故郷である岐阜を拠点に活動しており、地方のアカデミアから新しい事業を生み出すことにも貢献したいと考えています。さらに今後はアドバイザリー業務にとどまらず、自らスタートアップを立ち上げることも視野に入れており、その機会を模索しているところです。
現役社員の皆さんへのメッセージ
新規事業を一流の方々と共に進めることは簡単なことではありません。しかし、その困難を乗り越えた経験が、必ず自分自身の力となります。私が今、小さいながらも自分のビジネスを営めているのは、間違いなくイーソリューションズでの経験があったからです。
また、イーソリューションズで得た大きな財産のひとつは、「新しいことを始めることへの不安や恐れがなくなったこと」です。これは、新規事業を進めるための思考のフレームワークと、未知の状況をも楽しめるマインドセットを身につけられたからだと思います。皆さんがどんな未来を選ぶとしても、これらは必ず人生の糧となると信じています。
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