「起業したのは、かっこいいことをしたかったわけじゃないんです。自分の“背景”を使って、世の中に必要とされるものをつくれる気がした。それがすべての始まりでした。」
そう語るのは、株式会社篤月の代表・陳 逸翔(ちん いっしょう)。
中国SNSマーケティングに特化し、在日中国人や中国現地インフルエンサーを活用したプロモーションで急成長を遂げる同社の創業者だ。
2022年に設立された篤月は、創業以来1期目から3期目まで毎年200%超の成長を遂げ、4期目の現在は正社員採用を本格化。さらなる事業拡大に向け、次の仲間を探している。
そんな会社を率いる陳とは、いったいどんな人物なのか。なぜこの事業を始めたのか。そして、どんな未来を描いているのか。
彼の原点と現在、そしてこれからを聞いた。
「日本と中国、どちらでも“違和感”を抱えて育った」
陳が生まれたのは岐阜県。
両親は中国出身で、学生時代は中国と日本の行き来
をしていた。
「中国に行けば『日本人』と言われ、日本に戻れば『中国人』として見られる。
子どもながらに、どこにも完全に溶け込めない感じがありました。」
それでも、両方の言語と文化を理解し、行き来する中で自然と“視野”が広がっていった。
「日中どちらにも自分のルーツがある」ということが、いつしか彼のアイデンティティになっていった。
「DYMで1位を取ったことより、やりたいことが見つかったのが大きかった」
大学卒業後に入社したのは、急成長中の広告代理店株式会社DYM。
営業職として大手企業を担当し、社会人1年目は新卒185名中1位という営業成績を残した。
「正直、環境はめちゃくちゃ体育会系でした。でも、そこで鍛えられた“数字を追う力”と“泥臭さ”は、今の自分のベースになってると思います。」
一方で、会社員として働く中で「もっと自分の強みを活かせる場所があるのでは」との想いも芽生えていた。
「中国SNSの急成長を見て、『あ、これなら自分の強みが活きるかもしれない』と思ったんです。」
その頃、早稲田大学大学院に合格。起業を決意し、わずか1年でDYMを退職した。
「最初は一人でREDを始めた。ただ、手応えはすぐにあった」
退職後、大学院に通いながら、まず取り組んだのが中国SNS「RED(小紅書)」でのインフルエンサー活動だった。
「最初はスマホ一台で始めました。Vlog形式でファッションやグルメ、自分の生活スタイルを投稿して、フォロワーを1人ずつ増やしていって。」
すると、在日中国人の間でじわじわと認知が広がり、総フォロワーは5万人を突破。
企業案件の相談も入るようになり、そこから“ビジネス”としての道が拓けていった。
「一人で撮影、編集、投稿、分析……全部やっていたからこそ、インフルエンサー側の気持ちも、企業側の期待も両方わかる。そこが今の事業の強みにつながってます。」
「裏方として選ばれ続ける、そんな会社になっていた」
REDでの投稿運用・広告設計・インフルエンサーキャスティング。
中国SNSに特化した総合的なプロモーション支援を強みとする「株式会社篤月」は、創業から3年足らずで急成長を遂げた。
「いま日本で“REDのアカウント運用代行できます”って言ってる代理店の7割は、実は弊社が裏方で運用しています。」
代理店に代わって中国語ネイティブのメンバーがアカウントを運用し、成果を出す構造。
決して前に出ることは少なくとも、実績が実績を呼び、クライアントと案件が広がっていった。
「仲間がいる会社になり、見える景色が変わった」
創業3年目まで、会社は少数精鋭の外注中心のメンバーだった。
だが今、正社員の採用を進め、本格的な組織づくりに舵を切っている。
「正直、最初は全部自分でやったほうが早かった。でも今は、仲間と一緒にやるほうが圧倒的に楽しいし、スケールできる。」
現在、正社員は6名。平均年齢は24.5歳で、全員が中国ルーツを持つメンバーたち。
それぞれが営業、運用、マーケティングなど、職種の垣根を越えて活躍している。
「毎年300%成長を“本気で”目指す。だからこそ、一緒にやってくれる仲間が必要」
1期目、2期目、3期目と、いずれも前年比300%成長。
そして今、4期目の目標も“300%成長”だ。
「正直、現実的にはかなりキツい。でも、不可能とは思っていません。むしろ、ここで跳ねたらマジでおもしろいと思ってる。」
そのためにも、今の組織に“本気で変化を起こしてくれる仲間”が必要だという。
「“中国SNSマーケティング”という成長市場で、人生の打席に立ってほしい」
最後に、どんな人と働きたいかを聞いた。
「中国SNSの知識がある必要はないです。むしろ、まっさらな人の方が吸収が早いこともあるので。」
求めているのは、スキルより“本気で成長したいと思っている人”。
若くても、経験がなくても構わない。むしろ、そこで打席に立てる環境をつくってきたのがこの会社だ。
「将来は起業したい、なんて人も歓迎です。ここで学べることは多いと思います。」
日中をまたいで走ってきた男が、仲間を求めている。
次の成長フェーズに向かう株式会社篤月。その中心で、一緒に汗をかく仲間を、いま募集中です。