1
/
5

E80グループ日本法人設立における経緯 その1

E80グループジャパン合同会社ゼネラルマネージャーの竹山です。

飲料や食品等を製造する工場向けの自動化機器を扱う、E80グループ(イタリア)の日本法人E80グループジャパンを2022年9月に設立しました。現在一緒に働くメンバーを募集しています。

さて、初のストーリーらしく、普通のおじさんの私が、何故イタリアの会社の日本法人を立ち上げることになったのか、外国人だらけのグローバル企業の中で日本人は一人、そんな環境で働くことになった経緯をお話したいと思います。

1.E80 Groupとの出会い

E80グループとの最初の出会いは2015年。当時私は中規模の機械専門商社に勤めていました。当時私は製紙機械課という、紙をつくる機械を扱う課に所属し、欧州の機械メーカーから輸入し、国内の製紙会社に販売するという仕事をしていました。職種としては営業ではあるのですが、事業開発の一面も持つ、小さな商社によくある「なんでも屋さん」でした。しかし、デジタル化で紙の消費量がどんどん減っていく中、設備投資が絞られ、これまで扱っていた紙を製造する機器の需要は極端に少なくなっていました。そこで目を付けたのが家庭紙業界で、トイレットペーパーやティッシュペーパー、ペーパータオルなどの業界です。この業界は紙でも需要が突然大きく落ち込むことは無い業界です。この業界への参入を主なミッションとして日々活動していました。2015年にイタリアのトイレットロール加工機メーカーとの取引を新しくスタートさせ、ほぼ何もわからないままイタリアのルッカで開催されたオープンファクトリーイベントiT's tissueに参加しました。加工機メーカーの工場で、来場する日本からのお客様に説明するのが役割でしたが、その加工機のデモ機の後工程に据え付けられた機械のうちの一つがE80 Group(当時の社名はElettric80 Spa)のパレタイザーだったのです。

商社マンの心得として、見たことの無い機械を見つけたらメーカーの担当者にアクセスして、日本の商圏が確保できないかを確認しなければなりません。担当者を見つけた私は名刺交換していつか日本の顧客からなにかしらの要望があったときのために、こういったサプライヤーがあることを頭にいれておきました。

ちなみにその際に弊社創業者であり社長のEnrico Grassi氏の姿も見かけたのですが(いつもカウボーイハットなので見間違え様がありません)当時は「あのカウボーイのおじさんはみんなと仲よさそうだけど一体誰なんだろう」と、思っていたのを思い出します。まさかその人の元で働くことになるなんて、思ってもみませんでした。人生何があるかわからないものです。

創業者社長Enrico Grassi氏のインタビューはこちら↓


2.最初のプロジェクト

最初のプロジェクトは2016年にスタートしました。とある家庭紙製造大手の会社から引き合いを頂き、前述の加工機メーカーを本命として、前後工程も他のイタリアメーカーで提案する一大プロジェクトでした。残念ながら本命の加工機は失注してしまったのですが(失注の背景もたくさん話ができることがあるのですが、それはまた別の機会に)、加工機の前工程である、原反という大きな紙の巻き取りを自動的に搬送するElephant LGVという自動搬送リフトを用いたE80 Group社のシステム、また他にもイタリアやカナダのメーカーの機器を受注することに成功しました。

大規模プロジェクトは発注から納期が一年以上かかることは普通です。2017年に受注したあと、最終的にお客様から検収を頂いたのは2018年です。受注から約1年、英語が話せないお客様とメーカーの間にはいり、日本側のプロジェクトマネージャーとして、全ての会議の進行及び通訳を行い、機器到着後は据付・試運転をイタリアやカナダからの技術者と共に数か月にわたって四国の現場に入りこみ、日本初のプロジェクトを立ち上げることに成功しました。

非常に苦労しましたが、最終的に私の納入した機器が最大3m、5トンにもなる巨大な紙の巻き取りを自動で掴んで動きはじめるのを見たときの感動は忘れることができません。その時に一緒になって働いたメンバーはお客様も含めてみな友人の様に今でも仲良くさせてもらっています。

LGV(自動搬送リフト)が動く様子はこちら↓


3.2番目のプロジェクト

2018年に最初のプロジェクトが完了した直後から、同じお客様の工場の2期工事の計画がスタートしました。1期工事と同規模の生産量を持つ機械を導入し、生産量を2倍に引き上げる計画です。約1年間のプロジェクト検討期間の結果、幸いながら私の担当する範囲は、1期工事に導入したのを大きく上回る規模になり、原反だけでなく、製品パレットを搬送するLGVまでを受注することが出来ました。受注したのは2020年5月で2021年10月末に工事完了予定でした。

2020年といえば、新型コロナのパンデミックがスタートしたときでもあります。受注直前の2020年2月にイタリア出張したのですが、そのころはまだ中国で流行し始めたころで、日本からも渡航制限がかかる前です。イタリアで猛威を振るい始めたのが2020年3月なので、当時は誰もマスクなんかしておらず、握手もするし、食事の前も手を洗わない、そんな環境でした。受注の段階では渡航制限がかかっていましたが、納入・試運転立ち上げは一年以上先なので、その際には渡航制限は解除されるだろう、そんな感じで楽観的に考えていました。

しかしご存じの通り、渡航制限はいつまでたっても解除されることなく、いざ機械が納入されても、渡航制限で海外からの技術者が来ることができない、そんな状況になってしまったのです。

長くなってしまったので今回はこの辺で。次回はコロナ禍の中、どのようにして2番目のプロジェクトを立ち上げたのか、退職、日本法人立ち上げに至る心情についても記載したいと思います。

E80グループジャパン合同会社's job postings
1 Likes
1 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Yasuhiro Takeyama's Story
Let Yasuhiro Takeyama's company know you're interested in their content