【マーケターインタビュー】個人のスキルを組織の「資産」にする。登録者数210万人のYouTubeチャンネルを率いた経験を次なる舞台へ。
登録者数210万人超を誇り、動画の多くが数百万再生を記録する国内屈指の生き物関連のYouTubeチャンネル。その裏側で、企画から撮影、データ分析、さらには多角的な事業展開までを担ってきたMさん。
動画制作・編集にとどまらず、一つのYouTubeチャンネルを事業体へと育て上げたのち、次に選んだ挑戦の舞台はキッカケクリエイションでした。
なぜ今、巨大メディアを率いた知見を新たな挑戦へと投じるのか。入社わずか1ヶ月で組織に引き起こした変化、そして組織と共に描く今後の展望を伺いました。
Y.M / マーケター
大学卒業後、京都府内の児童養護施設にて、児童指導員として従事。その後、登録者数210万人超を誇るYouTubeチャンネルの運営メンバーとしてジョイン。企画、撮影、編集、データ分析にとどまらず、イベント運営などの事業開発までを主導し、チャンネルの事業化を牽引。2026年1月、キッカケクリエイションに入社し、現在はYouTube運用の専任として、戦略設計から演出刷新、編集ディレクションフローの構築までを担当している。
子どもたちの「人生の土台」を築く。児童指導員として築いた深い信頼関係
ーーまずは、これまでのご経歴について教えてください。
大学で幼児教育を学んだ後、京都府内の児童養護施設にて4年間、児童指導員として働きました。そこでは、2歳から22歳の子どもたちと生活を共にし、文字通り「最も身近な大人」として、自立に向けたサポートを行っていました。
子どもたち一人ひとりと向き合い、自立というゴールに向けて支援し続ける、とても濃密な時間でしたね。
ーーどのような点にやりがいを感じていましたか。
子どもたちが一人の大人として私を慕い、心を開いてくれた瞬間です。普段は強がっている子が、学校で嫌なことがあったときに真っ先に駆け寄ってきてくれたり、手紙で気持ちを伝えてくれたりしたときは、大きな喜びがありました。
先日も、当時担当していた子が成人式を迎えた際に、晴れ姿の写真とメッセージを送ってくれたんです。激しく衝突した相手であっても、数年後に人生の節目で連絡をくれる。そんな深い関係を築けたことは、今でも自分の大切な財産です。
倍率40倍の選考を唯一突破し、国内最大級のYouTubeチャンネルへ
ーーその後、なぜYouTubeという異なる世界へ進まれたのでしょうか。
大学時代に写真家を目指すほどカメラを突き詰めていた経験があり、表現することへの関心は常にありました。
福祉の仕事に誇りを持ちつつも、自分をさらにアップデートさせたいと考えたときに、変化が速い映像メディアの世界に挑戦したい気持ちが湧き上がってきたんです。一度きりの人生、後悔したくない想いが背中を押しました。
ーーその後、登録者数210万人のYouTubeチャンネルに携わることになりますが、入社までの経緯を教えてください。
もともと私自身がそのチャンネルの大ファンでXをフォローしていたのですが、募集が流れてきたのを見て、迷わず応募しました。
後から聞くと、40倍を超える倍率の応募があり、テレビ業界や広告代理店出身の方もいたようですが、未経験の私が唯一採用されました。経験者揃いの中で選ばれたのは、視聴者としてコンテンツを深く理解し、誰よりも熱意を伝えたからだと思います。
また、当時は3名で運営されていましたが、少数の現場だったからこそ「ご縁があるなら、すぐにでも拠点へ引っ越します」という私のスピード感も、評価いただいたのかもしれません。
ーーチャンネル運営における、役割と実績について教えてください。
自ら顔を出して出演すること以外のほぼすべて、企画考案から撮影、動画編集、公開後のデータ分析までを担っていました。実績としては、自ら企画した動画で200万〜300万再生を記録し、ネット記事にも取り上げられるようなヒットを量産することができました。
国内最大級のチャンネルというプレッシャーの中で、「数百万再生を狙い通りに生み出す」という成功体験を積み上げられたことは、とても大きな自信になりましたね。
ーー動画制作やデータ分析を通じて、どのようなスキルが磨かれましたか?
コンテンツの「波及」を最大化させる力です。
初動のインプレッションを最大化し、アルゴリズムを味方につけてその勢いをどう次の波へと繋げていくか。そして、クリック率や視聴維持率などの数値をリアルタイムで追いかけながら、「なぜ心が動いたのか」という仮説をデータで裏付け、次のヒットの精度を高めていく。このプロセスによって、狙い通りの波及を意図的に作り出す精度が高まりました。
メディアを「持続可能なビジネス」へと進化させる。多角的な事業化への挑戦
ーー動画制作やチャンネル運用以外に、取り組まれたことはありますか?
チャンネルを一つの「事業」として成立させるための取り組みです。具体的には、イベントの企画・運営やグッズ制作、PR案件の窓口、さらには演者が撮影に集中できる環境を整えるマネジメント業務まで全方位をカバーしていました。
ーー手応えを感じたプロジェクトを教えてください。
一つは、地方自治体とタイアップした地域誘致のための案件撮影が挙げられます。土地の魅力を動画に凝縮して発信することで、ファンが実際に足を運びたくなる聖地巡礼の流れを生み出しました。
これに加えて、オフラインの接点としてトークショーや抽選会を含むリアルイベントも主導しました。外部広告には頼らずYouTube内の告知のみでチケットを完売させたほか、満足度95%以上という高い評価に繋がっています。
そして、より深い体験を求める層に向けて企画したのが、「演者と過ごす特別な時間」を提供する5万円のプレミアム食事会ですね。推し活文化を捉えた体験設計により即完売となり、熱狂的なファンベースを確かな収益に変える仕組みを確立できました。
ーーそうした多角的な展開を形にする中で、得られたスキルは何ですか。
「事業を形にするプロジェクト推進力」です。前例のないイベントやグッズ展開をゼロから立ち上げ、ステークホルダーと調整を重ねながら、「収益を生む事業」へと着地させる全工程をリードしてきました。
動画を伸ばして終わりにするのではなく、長期的な成長を見据えた「持続可能なビジネス」へと引き上げ、コンテンツの熱量を利益に直結させる。実利を生む仕組みを一から築き上げたこの経験は、大きな自信に繋がっています。
「いいね、やってみよう」──即座に挑戦を肯定する企業文化。面接での提案を経て固まった、入社への強い意志
ーー成果を出されていた中で、なぜ転職を考えられたのでしょうか。
組織として成長を図るフェーズに関わりたいと感じたことがきっかけです。少数精鋭の環境で働いたからこそ、今度はより組織として大きなミッションを掲げる組織で、今まで培ってきた知見を「組織の資産」として積み上げたいと考えるようになりました。
その中で、マーケティングを事業の心臓に据えようとしているキッカケクリエイションが、最も魅力的に映り、ここならスキルを仕組みに変え、事業をスケールさせられると感じたんです。
ーー選考の際、具体的な提案をされたそうですが、どのようなやり取りがあったのでしょうか。
入社前から組織の課題を自分事として捉えていました。当時、会社のYouTubeチャンネルにはすでに1,000本を超える動画が蓄積されていましたが、動画を見て感じた、率直な「もったいなさ」や「動画の可能性」を面接の場でお伝えしたんです。
「現状の撮影環境を刷新し、専用スタジオを構えるのはいかがでしょうか。NewsPicksやABEMAのような高品質なメディアへ引き上げ、複数台のマルチカメラ体制へと刷新していきたいです。」といった内容でしたが、単なる見栄えの問題ではなく、映像の質を高めることがメディアとしての権威性や説得力に直結する。そうした「戦略的な投資」としての必要性を提案しました。
ーー代表からはどのようなフィードバックがありましたか。
驚いたことに、「いいね、やってみよう」と即答してくださいました。
前職で巨大メディアを率いた経験はありましたが、それでも、いち候補者の提案に対し、その場で応じる川島代表の寛容さと判断力に驚かされました。採用面接が、気づけば事業をスケールさせるための作戦会議になっていて、その熱量に私自身のモチベーションも一気に引き上げられたのを覚えています。
マーケティングの力で勝つ。HR業界の常識を塗り替え、1を100へと加速させる
ーー現在のミッションについて教えてください。
登録者3.52万人(2026年1月時点)のYouTubeチャンネルにおいて、戦略設計から演出刷新、現場のディレクションを担当しています。
テロップの入れ方や画面構成、動画のテンポ感など、あらゆる要素を「企業チャンネルとして信頼に足るクオリティ」へと引き上げるためのアップデートを日々行っており、面接時に提案していたマルチカメラ体制への刷新についても、面接で背中を押していただいた通り、入社後すぐに実行へと移す承認がおりました。まさか、代表の川島との面接でカジュアルに提案した施策が、ここまで快く受け入れてもらい、スピーディーに実行させてもらえるとは思っていなかったので、本当に現場に任せるカルチャーがあるのだと感じたことを覚えています。
このような会社からの後押しもあり、単に動画を作るだけでなく、「高品質な作品を生み出し続ける体制」を構築することが私のミッションです。
ーーHR支援会社にYouTubeのスペシャリストを置く強みはどこにあると考えますか。
「マーケティングを事業の心臓に据えたHR系事業会社」として、独自の「勝ち筋」で勝負できる点です。多くの人材紹介会社が「営業電話」などのアウトバウンドで勝負する中、キッカケクリエイションは「マーケティングの力」で事業を勝たせる道を追求しています。
YouTubeという強力なアセットを最大限に活用し、視聴者との間に確固たる信頼を築き上げ、コンテンツの力で流入の質そのものを高めていく。このプロセスこそが、私たちの挑戦であり最大の武器になっています。
私自身も、HR企業、なおかつこの規模感の組織がマーケティング体制にこれほど投資することにはかなりの驚きがありました。通常は短期的な利益回収を優先しがちですが、中長期的な視点でリソースを投下する姿勢には、マーケティングを事業の心臓とする覚悟を感じていますね。
ーー今後の展望を教えてください。
今後、私が何よりも注力していきたいのは「動画のクオリティ」です。
登録者数を伸ばしながらも、同時に企業チャンネルとしての品格を守る。その上で、視聴者に「予想外の驚き」と「予想外の学び」を届ける。動画を通して生み出される価値を向上させることが、最終的には信頼の獲得と事業利益に直結するコンバージョンを生むと考えています。
ーー最後に、これから加わる未来のメンバーへメッセージをお願いします。
私たちが求めているのは、単に動画を量産するクリエイターではなく、「利益に直結する真のマーケター」です。まだ完成形ではないからこそ、HR業界の歴史を塗り替えるための余白が山ほどあります。
この大きな余白を自らの手で塗り替えたいという想いを持つ方と、共に切磋琢磨できる日を心から楽しみにしています。